目次
本日のテーマ
本日27:00のFOMCの声明文発表、
27:30のウォーシュFRB議長の記者会見を控えて、
東京タイム後場では、ドル円は163.272まで下落しています。
その後は、31日(金)の日銀金融政策決定会合の結果発表と
15:30開始の植田日銀総裁の記者会見です。
日米中銀の「二大決戦」を前に、市場の緊迫感はピークに達しています。
そうした中、今週最大の焦点となっているのが
「日本の通貨当局によるドル売り円買い介入が、
今週実行されるのかどうか」という点です。
本日は、メディアが流布する「介入無効論」や「弾切れ説」の浅薄さを
冷徹な制度・実務データで打ち砕き、
今週訪れる介入発動のシナリオと力学について解説します。
上野ひでのり本日の視点
1.「一時しのぎだから無意味」「弾切れ」という誤謬
一部のメディアでは
「介入は一時的な時間稼ぎに過ぎず無意味だ」
「米国債を急売却できない以上、日本はすぐに弾切れになる」
といった安易な見方が繰り返されています。
しかし、これは実務と構造を無視した本質外れの議論です。
まず、放置すれば過度な円安が際限なく加速する局面において、
防波堤としての介入を実行することは政策上不可避です。
そして「資金(弾薬)」について言えば、
財務省が発表した外貨準備高は1.28兆ドル(約209兆円)という
潤沢すぎる規模を維持しています。
問題は「弾があるか」ではなく、
「どの資産を、どのタイミングで、どのようにドル現金化するか」
という実務の選択肢にあります。
2.マーケットを荒らさずにドルを捻出する「実務上の選択肢」
「介入=市場で米国債を大量売却する」という単純な理解は誤りです。
米国にとっても、
日本がオープン市場で米国債を急激に売却することは望ましくありません。
そのため、日米当局間では市場の安定を損なわない
資金調達の手法が共有されています。
(1)T-Bill(米短期国債)の再投資見送り(ロールオフ)
通常、満期を迎えた短期国債は新たなT-Billへ再投資されますが、
これを一時的に見送ることで、市場で国債を売却することなく、
満期償還されたドル現金をそのまま介入資金としてプールすることが
制度上可能です。
(2)FRBの「FIMAレポ・ファシリティ」活用
外国通貨当局が保有する米国債を担保に、
FRBから直接ドル資金を借り入れる制度です。
市場で米国債を売り叩くことなくドル流動性を即座に確保できるため、
市場への悪影響を抑えた介入スキームとして機能します。
ベッセント米財務長官をはじめとする米当局と日本側で
「過度な円安・ドル高への危機感」が共有されている以上、
これらの手段を用いた介入への承認や調整は
極めてスムーズに行われると見るのが自然です。
3.今週、介入が発動されるコンセンサスと「例外条件」
日米の中銀イベントが集中する「今週」こそ、
通貨当局にとって介入の効果を最大化できる絶好のタイミングです。
今週中に実弾介入が打たれる可能性は極めて高いと想定されます。
ただし、以下の「例外条件」が発生した場合はその限りではありません。
(1)FOMC(ウォーシュ会見)をきっかけにドル安が加速した場合
(2)日銀会合(植田総裁会見)をきっかけに強烈な円高が走り、
自律的に160円台へ押し戻された場合
市場では今回のFOMCでの据え置きが有力視されつつも、
ウォーシュ氏の対話軽視姿勢から30.5%の確率でサプライズ利上げが、
さらに9月利上げも76.6%織り込まれています。
一方の日銀側も、10月利上げ織り込みが81%に達しており、
両中銀の発言次第では自律的な大反転が起きるシナリオも残されています。
自律的な下落が起きず、イベント通過後に、
「金利差は縮小しない」とのコンセンサスでドル円が急騰を開始し、
一気に165円に迫った瞬間こそ…
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