FOMC前夜の異常数値37.9%が告げる【無風通過=予定調和の終焉】

本日のテーマ

昨夜のNY為替市場では原油価格が81ドル台まで反落する中、
ドル円は下値を手堅く買われ、163円台後半での保ち合いが続きました。

本日23時には米消費者信頼感指数の発表を控えていますが、
明日29日の重要イベントを直前に控え、
表面上は「嵐の前の静けさ」に包まれています。

しかし、一見すると穏やかに思えるこの相場の水面下で、
過去のFOMC前夜にはあり得なかった
「異常な構造変化」が起きていることにお気づきでしょうか。

本日は、明日27時半のウォーシュFRB議長会見を前に、
市場と中央銀行の関係性が決定的に変質したファクトと、
そこから生まれる新たな相場力学について解説します。

上野ひでのり本日の視点

1.FOMC直前に残る「37.9%」という異例の不確実性

最新のFedWatch Toolによると、
明日夜のFOMCにおける利上げ確率は37.9%
という高水準を維持したまま直前を迎えています。

過去20年間のバーナンキ・イエレン・パウエル体制における
FRBの「常識」からすれば、
会合の24時間前までに織り込み率を0%か100%近くへ収束させないことは、
市場との対話の不全を意味する「失策」とみなされていました。

会合直前にコインの裏表に近い不確実性を放置することなど、
従来のFRBではあり得なかったのです。

ブラックアウト期間前のアナリストや高官のタカ派発言を放置し、
この半端な織り込みを残したまま会合に突入するファクトこそ、
ウォーシュFRB議長が「市場を過保護になだめるフォワードガイダンス」
を完全に投げ捨て、
グリーンスパン流の「建設的曖昧さ」へと舵を切った動かぬ証拠です。

2.「無風通過」の終焉と、ボラティリティ爆発の常態化

この変質が意味する今後の相場構造は極めて明確です。
「事前に市場を誘導して無風で通過させる予定調和の時代」
は完全に終了しました。

中央銀行があらかじめ市場をなだめない以上、
今後は政策発表や記者会見の瞬間にポジションの正誤が二分され、
「イベント直後にサプライズが発生し、
金融市場のボラティリティが跳ね上がる」
のが新たな常態(ニューノーマル)となるでしょう。

現在市場では、9月会合での利上げ確率を82.0%という高確率で織り込み、
複数回利上げを当然視しています。

明日27時半のウォーシュ会見において、
彼がこの短期市場の過剰な織り込みを「是認」するのか、
それとも「否定(冷や水)」するのか。

市場の予想をひっくり返すサプライズのリスクは、
過去最高レベルに高まっています。

3.165円コンセンサスと、待ち構える介入の罠

仮に明日以降、
イベントを通過したことで「日米金利差は当面縮小しない」
という大衆コンセンサスが再燃し、
ドル円が165円を目指して一気に急騰を始めた場合、
市場参加者は歓喜して追随するでしょう。

しかし、事前誘導のない「高ボラティリティ時代」において、
過熱感に伴う一方向の急騰(ボラティリティ・スパイク)こそ、
日本の通貨当局がアルゴリズムの隙を突いて
最も効果的に実弾介入を打ち込めるタイミングとなります。

4.【結論】大なり小なりサプライズが市場を揺るがす

明日27時半(日本時間30日午前3時半)のウォーシュFRB議長記者会見は…

この続きは、有料メルマガでお読みください。
「上野ひでのり本日の視点」の続き、「相場概況」「本日のおすすめトレード」の記事が掲載されています。