【今夜27時】FOMC利上げ見送りサプライズはあるか?日銀利上げには前のめり傾向が顕著

本日のテーマ

昨日のNY為替市場では、米10年債利回りが2007年以来となる5.041%まで急騰し、
WTI原油も106.75ドルに達するなど、
ドル高・インフレ懸念を後押しする最強の材料が極限まで高まりました。

しかし、ドル円の戻り高値は155.232止まり。
昨日のメルマガで指摘した「フィボナッチ23.6%戻し(155.502)」
の壁に阻まれています。

これほどの猛烈な追い風を受けても、
最初の上値抵抗線すら突破できないという冷徹なテクニカルの事実が、
ドル円の構造的な上値の重さを決定づけています。

本日は、いよいよ今夜27時に迫ったFOMCの非対称なリスクと、
週末の日銀会合に潜む罠について解説します。

上野ひでのり本日の視点

1.効力を失った「実質金利差」と先回りのパラドックス

セルサイドのアナリストたちは
「物価を差し引いた実質金利差は拡大しているから、円安に戻るはずだ」
と主張しますが、市場はすでに足元の金利差など見ていません。

金融市場は常に半年先を織り込みます。市場は今週の日銀利上げだけでなく、
来年3月までの追加利上げを見越し「将来の日米金利差縮小」を先取りしています。

先行きの金利差縮小が見込まれる中で、
機関投資家がわざわざ円ショート(ドル買い)を積み直す理屈はなく、
「実質金利差」の現在地という過去の定規では、
現在の相場を測れないフェーズに入っています。

2.今夜27時の決戦:ウォーシュ議長の沈黙と「見送り」の破壊力

今夜27時発表のFOMCに向けて、
FedWatch Toolが示す利上げ確率は「92.4%」に達しています。

ウォーシュ議長は、トランプ大統領の「5,000ドルバラマキ案」による財政悪化と、
ベッセント財務長官からの圧力の板挟みとなり、
市場との対話を放棄して沈黙を貫いてきました。

ベッセント長官は議会で「国債買い戻しは成功した」と強弁していますが、
現実には米10年債利回りが5%を突破し、
米国債市場は巨大な売り圧力に悲鳴を上げています。

ここで利上げを見送ればFRBのインフレと戦う信認は崩壊し、
長期金利はさらに暴走するリスクがあります。

仮に「見送り(据え置き)サプライズ」となれば、
92.4%の利上げ織り込みが一瞬で剥落し、
ドル円は152円方向へと壊滅的な暴落を引き起こします。
この非対称なテールリスクこそが、今夜最大の警戒ポイントです。

3.最大の警戒ポイント:市場が陥る「日銀利上げへの過剰な前のめり」

一方で、最も警戒すべきリスク管理のポイントがあります。
それは、市場が「日銀の利上げに対して前のめりになり過ぎている」
という事実です。

年内(12月まで)に計2回の利上げが行われる確率を比較すると、
大きな偏りが見て取れます。

FOMC(12月・計2回利上げ確率): 49.5%
日銀(12月・計2回利上げ確率): 89.0%

日銀の連続利上げを、FRBの利上げよりもはるかに高い確率(約9割)
で織り込んでしまっているのです。

金曜日の日銀会合で、
仮に植田総裁から「今後の利上げはデータ次第で慎重に見極める」
といったハト派なニュアンスが少しでも出れば…

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