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本日のテーマ
昨日のNY為替市場では、FOMC後の過熱したドル買いが一巡し、
WTI原油が一時100ドルを割り込んだことでドル円は155.324円まで下落しました。
しかし、その後原油が下げを取り戻すと、
再び156円付近へと買い戻される「行って来い」の展開となりました。
そして本日、いよいよ日銀金融政策決定会合が結果発表を迎えます。
市場の予想通り政策金利が1.00%から1.25%へ引き上げられれば、
日銀が推計する「中立金利のレンジ(1.10~2.50%)」の下限に
正式に足を踏み入れることになります。
これは日本の金融政策が「緩和の修正」というフェーズを終え、
本格的な「金融正常化」へとパラダイムシフトする記念碑的な節目です。
本日は、市場にはびこる「日銀の利上げはこれで打ち止め」という市場の錯覚を、
ロジックと事実で指摘します。
昨日から行われている日銀金融政策決定会合のスケジュールは下記の通りです。
12:30以降?(未定) 声明文発表で、利上げをアナウンス
15:30 植田日銀総裁の記者会見
上野ひでのり本日の視点
1.「リフレの親玉」黒田前総裁の変節:なぜ1.5%まで容認なのか
メディアやセルサイド・アナリストは、
「日本の物価は食料品を除けば強くない」
「国内需要が弱いから、1.25%で利上げは打ち止めになる」
といった都合の良いポジショントークを盛んに流しています。
しかし、その根底を覆す事実があります。
異次元緩和の生みの親であり、リフレ派の象徴であった黒田東彦前総裁ですら、
今年3月の朝日新聞の単独インタビューにおいて、
「中立金利の1.5%前後まで、今年と来年で0.25%ずつ3~4回利上げしても全く問題ない」
とあっさり公言しているのです。
さらに黒田氏は、中東情勢による原油高について、
「金利の引き上げを加速することになっても、上げないことにはならない」
とまで踏み込んでいました。
かつて「物価目標2%達成までは緩和一筋」と叫んでいた総本山が、
手のひらを返して1.5%までのお墨付きを与えている事実こそ、
日銀内部の共通認識として「1.25%で打ち止め」などという選択肢が
存在しない証拠と言えるでしょう。
2.FRBと同じロジック:原油高によるコストプッシュこそ利上げの正当性
一昨日のFOMCにおいて、
FRBが全会一致で利上げを断行した主因は何だったでしょうか。
それは米国内の旺盛な需要などではなく、
WTI原油の100ドル突破に伴う「供給ショック・コストプッシュインフレ」
への警戒でした。
資源を海外に依存し、エネルギー自給率が極めて低い日本にとって、
原油高と通貨安の複合ショックを放置することは、
国富の流出であり経済の健全性を著しく損ないます。
米国ですら「供給ショックによる二次的インフレの定着阻止」
のために引き締めを行っているのです。
FRBがコストプッシュに対抗して利上げを正当化できるのであれば、
日銀が全く同じ論理で追加利上げ(1.50%への道筋)を主張することは、
中央銀行として極めて正当な防衛行動であり、
マクロ経済学上も理にかなっていると考えます。
3.セルサイドの欺瞞:「政権への配慮・利上げ停止論」を疑え
外資系証券などは、
「高市政権の積極財政や来年春の消費減税を前に、
日銀は10月・12月の追加利上げを手控える」と解説し、
再び円安バイアスを煽っています。
しかし、ベッセント米財務長官による強烈な円安牽制(「今や私が胴元だ」)と、
米10年債利回りが5%近くに高止まりがある以上、
日銀が利上げの手を止めれば再び激しい円安スパイラルに陥ります。
そうなれば、トランプ政権からの報復関税や
強烈な外圧を招くのは火を見るより明らかです。
日銀にとって、国内の政治的配慮よりも、本来的には…
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