2023年最新版【サヤ取り】基礎中の基礎と7類型まとめ

「サヤ取り」の基本は、2銘柄売買両建ての「両外しサヤ取り」。個別株式間でのサヤ取りが最もポピュラーです。銘柄間の相関係数を手掛かりにサヤ(2銘柄の価格差)の確率分布を常に把握して行う上野式は精度が高く、FXやビットコインにも応用が利きます。

例えば、FXトレードで「AUD/NZD」や「EUR/GBP」など常に相関係数が高い通貨ペアの売買をするのは両外しサヤ取りそのものです。
日本の通貨当局が「USD/JPY」で為替介入を行うとき、大量の「ドル売り/円買い」を同時に行います。2つの通貨の強弱関係を人為的に変えるオペレーションですが、これも広義のサヤ取りと言えるでしょう。

「ビットコインうねり取り」はビットコイン現物を超長期でホールドしながら、定期的に訪れる暴落局面で空売りポジションを同時に保有(売買両建て)でリスクヘッジを行います。これもサヤ取りの一種です。

本記事では、サヤ取り初心者に役に立つ【サヤ取りの基礎の基礎】の丁寧な解説を含め、応用的なバリエーションを紹介します。

【サルでも分かる】サヤ取りの基礎中の基礎

トレード初心者の方は、売買両建て以前に、空売りの意味をご存知ないので説明しておきます。

あらゆる金融商品において、現物を売買できるのは当然のことです。現代の金融商品は高度に発展しています。証拠金を預け一定のレバレッジ(てこの原理の「てこ」)をかけて、少ない資金でも大きなポジションを持てる仕組みがあります。株式投資の世界では「信用取引」(レバレッジは約3倍限度)と呼ばれます。

空売りは信用取引で行います。あなたが保有していない株式であっても、貸株制度があり「借り株」を売却することができます。ポジションを精算するときには、借り株を買い戻し、返却して完了です。ちなみに、信用取引の株の貸し借り、返却は自動で行われます。
今後下がる確信がある株式を見つけたのなら、空売りで利益を出しましょう。上がる株を見つけるより楽なこともあります。例えば不祥事を起こした会社の株などです。
当然のこと、信用取引の買いも可能であり、現物を保有しなくても値上がり益を享受でき、配当を得ることができます。ただし、制度信用では6か月が保有期限になっています(証券会社独自の無期限で保有できる仕組みもあります)。

どんな相場であっても、今後の値動きの方向性に確信が持てるのであれば、現物を保有することなく、証拠金ベースの信用取引で利益を出すことができます。もちろん損失が発生することもあります。ポジションを建てたときと手仕舞いしたときの差分が損益になります。あなたが証券会社に預託した証拠金に対し差金決済で損益が反映される仕組みです。

「両外しサヤ取り」は、もう一歩進んだトレード手法です。相関係数の高い2銘柄の信用の買いと空売りを常に組み合わせて、売買両建てでポジションを持ちます。
最大のメリットは、相関係数が高く値動きのパターンが似ているので、暴落リスクをほぼ完璧にヘッジできることです。損益は、買いポジションと売りポジションの差額(サヤ)が狙った方向に動くか否かで決まります


詳細は下記の記事を参照してください。
【サルでも分かる】サヤ取りの基礎中の基礎
【サルでも分かる】サヤ取りの基礎中の基礎

【上野式サヤ取り】確率論に基づいた優位性とは?

トレードの対象と考えるのは、純粋にサヤの値のみになります。売買両建ての2銘柄の値動きはサヤの値に収れんされるからです。


「上野式サヤ取り」の仮説は、相関係数が高い2銘柄のサヤは、正規分布を想定して確率論に基づいたトレードが可能になるということです。

例えば直近2年間のサヤの値は、上記のような正規分布のチャートにプロットされます。データのばらつき具合を表す標準偏差(σ=シグマ)を基準に、±2σに収まる確率は95.4%あり、上下に外れる確率は2.25%ずつです。
すなわち、確率2.25%ゾーンに入ってくれば、平均(AVG)への回帰方向にポジションを取る優位性があるという考え方になります。

詳細は下記の記事を参照してください。
【上野式サヤ取り】確率論に基づいた優位性とは?
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【サヤ取り最大のメリット】突発的な大暴落でも影響なし

両外しサヤ取りを行うにあたり、銘柄A(空売り)と銘柄B(買い)の重みをできるだけ揃えておくのが鉄則ですが、銘柄間で株価の差があるのが通常であり、倍率調整して売買の金額を同額に近く調整します。

もともと値動きが似ている(相関係数が高い)銘柄の売買両建てですから、2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災などをきっかけとした株価の大暴落があっても、ほとんど影響を受けません。銘柄Aも銘柄Bも、ほぼ同じ割合で下落するからです。

現物買いあるいは空売りなどの片張りトレードは、このような大きな事件が起こると大きく引かされる可能性があるので、多少なりともヘッジをかけておくべきでしょう。両外しサヤ取りは、もともとヘッジ効果満点のトレード手法という点で優位性が高いと言えます。

詳細は下記の記事を参照してください。
【サヤ取り最大のメリット】突発的な大暴落でも影響なし
【サヤ取り最大のメリット】突発的な大暴落でも影響なし

【FXのサヤ取りってなに?】プロは絶対やらない意味不明な手法

FXの場合、「USD/JPY」のように、もともと通貨ペアの交換レートを示す相場です。USD/JPY買いは日本円売り・米ドル買い、USD/JPY売りは米ドル売り・日本円買いということで、もともと売買両建てのサヤ取りになっている訳です。

豪ドル・NZドルのように非常に相関係数が高い通貨ペア「AUD/NZD」を売買することは、上野式サヤ取りそのものと言えます。
15年以上前から「AUD/JPY」と「NZD/JPY」の組み合わせでサヤ取りを行う手法が人気ですが、「AUD/NZD」を売買すべきです。JPYを介在させる意味はなく、両通貨の価格差について倍率調整を行わないとヘッジが万全になりません。また、手数料(スプレッド)も余分にかかります。

最近は日本円を除き、みな高金利通貨になりました。そこで、特定のクロス円、例えば「AUD/JPY」についてFX会社間のスワップポイントの差額に着目するアービトラージを「FXのサヤ取り」と呼んでいる場合があります。
A社の買いスワップとB社の売りスワップを足してプラスになる場合、A社で「AUD/JPY」買い、B社で同額の「AUD/JPY」売りとすれば、両社口座合わせて損益はゼロ、スワップポイントの差額分だけ利益になるという着目点で行う手法です。

しかしながら、相場が一方通行に進行した場合、片側の口座の損失が大きく膨らむため、絶対にロスカットされない資金的な余裕を持って行う必要があり資金管理が面倒です。また、常に有意なスワップポイントの差額が発生するとは限らず、継続性にも疑問符がつきます。
こんな面倒なことをするくらいなら、年利4~5%の米国10年債(リスクフリー資産と呼ばれる)で運用したほうが単純かつ実利も圧倒的に大きくなります。という訳で、こんなせこい手法をプロは全く評価しません。

詳細は下記の記事を参照してください。
【FXのサヤ取りってなに?】プロは絶対やらない意味不明な手法
【FXのサヤ取りってなに?】プロは絶対やらない意味不明な手法

【サヤ取りの応用】NT倍率・コモディティ・株式ロングショート

NT倍率とは、日経225(日経平均株価)をTOPIX(東証株価指数)で割ったものです。同じ日本の株価指数同士なので相関係数が高く、サヤ取りの対象になります。先物あるいはETF(上場投資信託)で売買両建てにします。

コモディティとは商品先物のことですが、商品先物のサヤ取りは300年の歴史があります。
ユダヤ系ドイツ人のロスチャイルド家は、18~19世紀の昔より銅山を経営しており、銅の現物価格の変動リスクをヘッジするために、銅の先物市場で、先物を売って早めに利益を確定していました。現物と先物間のサヤ取りです。
現物を持たないトレーダーは同じ銘柄間の限月間サヤ取りや原油とガソリンなどの連産品間のサヤ取りを行います。

株式ロングショートは、ヘッジファンドの運用手法のひとつです。
1対1のサヤ取りではなく、多対多の銘柄群でヘッジを掛けながら一定の方向を追いかけるトレードです。上昇相場では、今後高い上昇を見込まれる株式群をロングにし、念のため株価上昇の可能性が低い株式群をショートにしてヘッジをかけておきます。
うまくやれば、ロング銘柄群はもちろん、ショート銘柄群からも利益が出ます。銘柄選択の優位性が運用成績を決定します。

詳細は下記の記事を参照してください。
【サヤ取りの応用】NT倍率・コモディティ・株式ロングショート
【サヤ取りの応用】NT倍率・コモディティ・株式ロングショート

【サヤ取り手法の集大成】ビットコインうねり取りとは?

今後10年間で10倍以上の上昇の可能性も高いビットコインは、現物の長期保有が基本になります。
ただし、非常に値動きが荒く、史上最高値を更新すればいったん大暴落、押し目からさらに相場を立て直して史上最高値を再更新というような特徴的な値動きがあります。

長期での上昇が確実に見通せるのであれば、現物は絶対に売らず、特徴的な暴落時には現物担保の証拠金取引で売買両建てにしてヘッジをかけるという発想です。
再び値は戻るという前提ですから、押し目の底近辺でヘッジ用のショートを外して利益確定し、その利益で現物を買い増すことにより、ビットコイン現物の枚数は徐々に増えていきます。

押し目もつけずの一本調子の上昇では、うねり取りの余地はなく、単にロングをホールドするだけで十分です。しかし、ビットコインのように乱高下しながら確実に上昇していく前提の金融商品であれば、何度も繰り返し訪れる暴落局面も収益に生かしたいという発想になります。

詳細は下記の記事を参照してください。
【サヤ取り手法の集大成】ビットコインうねり取りとは?
【サヤ取り手法の集大成】ビットコインうねり取りとは?

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サヤ取りは、やたらに銘柄ペアを変えて必死になって行うよりも、お気に入りの銘柄ペアを少しずつ増やして、長く続けていくのが王道だと思います。

上野ひでのり