◆ 通貨強弱と中銀フラッシュ
通貨強弱チャート|主要8通貨ランキングと政策金利見通し 2026/10/14
目次
本日のテーマ
今夜、市場の耳目を集める最重要指標である
9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。
まずは現状の市場予測を確認しておきましょう。
21:30発表予定
米国消費者物価指数(CPI)9月予測
■総合
前月比:0.6%(0.4%)
前年比:3.6%(3.4%)
■コア
前月比:0.2%(0.3%)
前年比:2.5%(2.4%)
メディアやセルサイドのアナリストたちは、
原油高を背景とした総合指数の上振れリスクや、
インフレ再燃による「CPIショック」を盛んに煽り立てています。
しかし、表面的なヘッドラインの数字に踊らされてはいけません。
足元の金利と通貨の内部構造を冷徹に解剖すれば、
今夜の米CPI発表によって市場全体が大きく動揺するリスクは
極めて小さいというのが私の結論です。
上野ひでのり本日の視点
1.米金利低下とドル高一服が映し出す「CPI前の冷静な市場構造」
大衆が指標発表前の恐怖に駆られる一方で、
債券市場と巨大資本のフローはすでに落ち着いた織り込みを見せています。
連休明けとなった13日の米国債市場では、
米10年債利回りが終値5.217%へと低下しました。
10月7日に付けた年初来・月間高値(5.365%)からは5営業日で9.0bp低下しており、
これまで相場を牽引してきた「米長期金利の上昇と連動したドル高トレンド」は
明確に一服しています。
この金利低下を受け、前日の8通貨強弱データでは、
前営業日に首位だった米ドル(USD)が前日比-0.29%と最下位の8位へ転落し、
ドル指数(DXY)も102.215(前日比-0.35%)へ反落しました。
もっとも、直近20営業日の累積変化率で見れば、
USDは+1.93%と他7通貨を圧倒する独歩高を維持しており、
昨日のドル売りは20日間のドル上昇基調のなかで生じた
健全なポジション調整に過ぎません。
さらに決定的なのが、中央銀行の本音と市場の織り込みです。
ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が2027年の一段の利上げは不要との見解を示し、
ウォラーFRB理事もインフレ期待は「十分に抑制されている」と明言したことで、
過度なタカ派警戒は後退しました。
CMEフェドウオッチに基づく10月28日FOMCでの政策金利据え置き確率は
77.3%(利上げ確率22.7%)に達し、
1か月前の51%から大きく上昇しています。
食品・エネルギーを除いたコアCPIが前月比0.2%・前年比2.5%と
落ち着いた着地を見込まれていることからも、
今夜の指標ひとつでFRBの政策軌道が根底から覆るような地合いにはないのです。
2.158円台半ばに立ち塞がる「三重の壁」と通貨当局の圧力
マクロ環境が落ち着きを見せるなか、ドル円のチャート構造に目を向けると、
上値には極めて強固な「迎撃ゾーン」が形成されています。
前日のドル円は一時158.640円まで買われながらも、
前日高値(158.750円)の手前で失速し、
終値は158.304円(前日比-0.17%)に押し戻されました。
ロンドン時間に一時157円台まで売られた後に158円台へ買い戻されたものの、
上値の重さは誰の目にも明らかです。
なぜ158円台半ばでこれほど上値が抑えられるのか。
そこには3つの決定的なテクニカル指標が集中しています。
・200日移動平均線
・フィボナッチ50%戻しレベル
・日足一目均衡表の「雲のねじれ」
これら3つの強力な節目が158円台半ばという一点に重なり合い、
分厚い天井として立ち塞がっています。
前日のNY市場でも、買い戻しを進めた短期筋が、
この200日移動平均線の水準に敬意を払い、
手前で利益確定を余儀なくされました。
しかも、テクニカルの壁のすぐ上、159円台に迫る領域では、
日米通貨当局による口先介入やレートチェックといった
政治的・政策的な圧力が牙を研いで待ち構えています。
万が一、今夜の米CPIが市場予想を上振れし、
アルゴリズムと大衆の飛びつき買いによってドル円が急騰したとしても、
158円台半ばから159円手前にかけて待ち受ける戻り売り圧力は
相当に凄まじいものになります。
上値追いに走った大衆のロングポジションは、
そのまま格好の燃料として狩り尽くされることになるでしょう。
3.157.50円の岩盤サポートと上下の振れを狩る
【戦術の結論】
上値の壁がこれほど堅牢である一方…
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