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本日のテーマ
昨日のNY為替市場は、欧米の3連休を控えて様子見ムードが広がる中、
ドル円は159円台前半での小幅な値動きに留まりました。
ウォラーFRB理事が
「利下げと同じくらい利上げの可能性もあることを明確に示すべき」
と発言したことでドル高の反応も見られましたが、
決定的な方向感には欠ける展開が続いています。
本日は、正式に就任したウォーシュ新FRB議長のスタンスと、
現在の相場を縛り付けている「日米の金利観測のコントラスト」
について解説します。
上野ひでのり本日の視点
イラン情勢と「早期解決」を先取りする市場
相場の最大のリスク要因であるイラン情勢は、
まさにタイトロープの状態です。
米国からの和平案に対し、
イラン側は「溝を部分的に埋める」と一定の評価を見せつつも、
最高指導者がウラン備蓄維持に言及したり、
ホルムズ海峡の通行料を巡る対立が残るなど、予断を許しません。
仮に何らかの和平合意が成立すれば、
原油価格の下落とともに一旦はドルに下押し圧力がかかるでしょう。
しかし驚くべきは、現在の市場の「楽観度」です。
WTI原油先物の終値は96.99ドルと高水準ながらも一服感を見せ、
S&P500指数に至っては史上最高値に迫る勢いを見せています。
市場はすでに「イラン情勢の早期解決」
を織り込みに行っている強気な状態が継続中です。
ウォーシュ新FRB議長就任と「利上げ62.8%」
昨日、ケビン・ウォーシュ氏が正式にFRB議長に就任しました。
ホワイトハウスで行われた異例の宣誓式では、
これまで利下げ圧力をかけていたトランプ大統領が
「私を見ずに自らやりたいことをやってほしい」
とFRBの独立性を尊重する姿勢をアピールしました。
ウォーシュ氏はパウエル前体制のインフレ放置を「致命的なミス」と断じ、
改革志向を表明しました。
彼は教条主義的なタカ派ではなく、
状況を冷静に見極める「現実主義者」です。
リーマン・ショック以降肥大化したバランスシートの縮小(QT)を進め、
金融政策が財政に巻き込まれる状態を是正する一方で、
政策金利(利上げ・利下げ)のレバーについては
データ次第で柔軟に操作してくるはずです。
しかし、足元のデータはインフレの根強さを示しています。
ドル指数(DXY)の終値は99.319とドル高が継続しており、
FedWatch Toolによる年内利上げ確率は「62.8%」へと、
じわりと上昇して引けました。
FRBのタカ派観測が強まれば、
ドルは再び上昇のエネルギーを得ることになります。
「織り込まれた日銀」と圧縮されるボラティリティ
一方、日本側に目を向けると、
東短リサーチの予測では日銀の「6月会合での利上げ確率は79%」
「年内利上げ回数は1.93回」を織り込んでいます。
つまり、市場にとって「日銀の年内約2回の利上げ」は
すでに既定路線(サプライズなし)であり、
相場を動かすドライバーにはなり得ていません。
結果として、日銀の利上げ見通しが変わらない中で、
「FOMCの利上げ転換(タカ派観測)」という米国の要因だけが、
ドル円の159円台高止まりを強固に支える構造になっています。
下値は「米国の利上げ観測」によってガッチリと固められている。
一方で、上値は160円(ベッセント・シーリング)への
「強烈な為替介入警戒感」が分厚い蓋となっている 。
この2つの巨大な圧力に挟まれる形で…
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