【危機的なドル円の低ボラ化】底堅いが、上値は重い牛歩のじり高継続

本日のテーマ

昨日のNY為替市場は、序盤こそドルの買い戻しが優勢となり
ドル円は159円台で推移していましたが、後半にかけて戻り売りに押され、
158.80台まで反落する展開となりました。

この反落の背景には、原油価格と米国債利回りの低下があります。
原油相場は一時96ドル台まで下落しました。

特段の新しい材料が出たわけではありませんが、
市場が「イラン情勢の沈静化(和平合意)」を期待して
動意づいている印象を強く受けます。

実際に、米国とイランが戦闘再開の回避を模索する中、
イラン側は
「米国から提示された最新の和平案は、両国の溝を一部埋める内容だ」
との認識を示しています。

英FT紙がルビオ米国務長官の「合意に向けた前向きな兆候がある」
という発言を報じたほか、
仲介国であるパキスタンの代表団がイラン入りする見通しとなるなど、
事態は少しずつ動いています。

こうした地政学的なヘッドラインが飛び交う中、
現在のドル円は160円を視野に入れつつも「下値は底堅いが上値が重い」
という極めて神経質な状態が継続しています。

上野ひでのり本日の視点

データが示す「見掛け倒し」の値動き

ここで、相場の実態を正確に把握するため、
今週のドル円の値幅をまとめておきます。

18日(月) 安値158.489 高値159.078 値幅58.9pips
19日(火) 安値158.649 高値159.246 値幅59.7pips
20日(水) 安値158.587 高値159.163 値幅57.6pips
21日(木) 安値158.813 高値159.342 値幅52.9pips

4営業日通し安値158.489 高値159.342 値幅85.3pips

この数字だけを見ると、
狭いレンジながらも「1日50pips以上、それなりに動いている」
と錯覚するかもしれません。

しかし、実際のチャートの内部構造は異なります。
この値幅の大半は、
G7でのベッセント米財務長官や片山財務相、植田日銀総裁の発言、
あるいはトランプ大統領の和平前向き発言などによって
「急落した値幅」を含んでいるに過ぎません。

急落しては安値から急反発する自律的な動きであり、
ある程度の値幅を取るトレードを行うには、
実質的に「急落の安値をピンポイントで捕まえる」という
神業に頼るしかない相場環境でした。

ドル円トレードにおける「危機的な状況」

実戦レベルで言えば、我々の主戦場である東京タイムの前場において、
「たったの20pipsすら動かない相場」が常態化しています。

これはデイトレード・スキャルピングを主軸とする
ドル円トレーダーにとって、危機的な状況と言わざるを得ません。

今週の高値更新幅を見ても、
159.078から159.342へと、わずか26.4pipsしか拡張できていません。

160円に向けてジリ高のトレンドを描いてはいますが、
日本の通貨当局による「介入警戒感」が強烈な重しとなり、
値動きを極端に鈍らせているのです。

相場を解き放つ「究極の鍵」とは

では、逆に明確な「下落バイアス」がかかることを
期待できるでしょうか。

結論から言えば、イラン和平が完全に具体化し、
ホルムズ海峡の封鎖解除が現実のものとならない限り、
ドル円の本格的な下落は困難です。

マクロのファンダメンタルズを見ても、
CMEのFedWatch Toolによる今年の米利上げ確率は、
本日現在も「60.5%」という高水準で高止まりしています。

日銀が年内に1〜2回の利上げを実施したところで…

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