目次
本日のテーマ
今週の為替市場は、これまでの乱高下から一転し、
典型的な「夏枯れ相場」の様相を呈する一週間となりました。
週末のNY外国為替市場でも膠着した展開が続き、
ドル円は162円台での小幅な振幅に終始。
オプション市場における1ヶ月物のボラティリティ(変動率)は、
実に2022年2月以来の低水準にまで低下しており、
市場は完全にエネルギーを溜め込む「静止状態」に入っています。
本日18日(土)からは、
29日(水)に控える次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)に向け、
FRB高官らの発言が禁じられる「ブラックアウト期間」へと突入しました。
特段の材料が枯渇する地合いの中で、
今週公表されたデータと、水面下で進むドルの構造変化について
今週のまとめとして冷徹に整理します。
上野ひでのり本日の視点
1.【需給データ】IMM「12.27万枚」が示す投機筋の足踏みと警戒感
今朝発表された最新のシカゴ投機筋IMMポジションにおける
日本円の売り越し枚数は、12.27万枚という結果になりました。
直近の週間推移を振り返ると、
【15.51万枚(ピーク) ⇒ 12.38万枚 ⇒ 12.27万枚】となっています。
歴史的な過熱状態だった15.51万枚からは明確に減少したものの、
この一週間はほぼ横ばいで高止まりしており、
投機筋もここからの追加の円売り(ドル買い)に慎重になっている、
膠着の構図が透けて見えます。
今週発表された米インフレ指標が想定以上の鈍化を示したことから、
FRBによる早期の追加利上げに対する市場の警戒感は一歩後退しました。
しかし一方で、イラン情勢の不透明感が続くなかで
原油価格が再び上昇基調にあること、
そして複数のFOMC委員から依然として利上げの可能性に含みを持たせる
タカ派な発言が伝わったことで、市場のインフレ懸念は根強く残っています。
これが、積み上がった円ショートポジションの完全な解体を阻み、
162円台の底堅さを支える背景となっています。
2.ドル高要因の「完全織り込み」と中長期ドル安への回帰シナリオ
マクロ経済学的な大局に目を向けると、
多くのエコノミストの間から
「これまでのドル高基調はすでに賞味期限を迎えつつあり、
そろそろ本来のドル安方向へ回帰するのではないか」
との見方がじわりと浮上しています。
これまで米ドルを強力に支えてきたのは、以下の2点でした。
(1)地政学リスクに伴う、安全資産としてのドル需要
(2)FRBの粘り強い利上げ・高金利観測
しかし、クオンツ的な視点から見れば、
これらの好材料はすでに現行のドル相場に「100%織り込まれ尽くしている」
と判断するのが妥当です。
現在の基本シナリオでは、
FRBは年内を通じて政策金利を現行水準で据え置くと予想されますが、
市場は仮に「あと1回の利上げ」というリスクシナリオが発動した場合の可能性すら、
すでに現在の価格に反映させています。
つまり、ここからさらにドルが一段高になるための
「新しい燃料(材料)」は、もはや見当たりません。
逆に言えば、今後利上げが見送られる、あるいは原油高が一服するだけで、
ドルにとっては強力な下落要因に様変わりします。
さらに、中長期的な視点では底通する
「米国の莫大な財政赤字に対する懸念」がドルの構造的な重しとして機能し続けるため、
ドル高のハシゴが外された後は、
長年続いてきた構造的なドル安トレンドへと緩やかに回帰していく可能性が濃厚です。
3.【結論】FOMC当日までは材料難相場が続く
本日からのブラックアウト期間突入に伴い…
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