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本日のテーマ
昨夜のNY為替市場でドル円は一時163.982円まで急伸し、
節目の164円に迫る展開となりました。
中東情勢の緊迫化を背景に、
WTI原油先物が93.50ドル、米10年債利回りが4.714%へ急騰し、
ドル指数(DXY)も101.544と直近高値に肉薄しています。
市場では直近で堅調だったポンドやNZドルが売られる中、
円もそれに次ぐ弱さを見せ、
ショート勢の踏み上げを巻き込みながら高値圏での推移が続いています。
大手メディアの論調を見渡せば、
「骨太の方針が実質的な通貨安容認となった」
「日銀のインフレ退治は米欧に比べて本気度が不足している」
「ボラティリティが低いから介入の大義名分がない」
といった日本側の弱点ばかりが書き連ねられ、
「165円到達は確実」といった強気論が幅を利かせています。
しかし、こうした「日銀叩き・円売り正当化」
のストーリーを鵜呑みにするのは極めて危険です。
165円に近づくにつれてリスク・リワードの妙味は着実に低下しており、
現在の価格上昇は本質的な買い需要というよりも、
ショート勢の踏み上げが小刻みに繰り返されているに過ぎません。
本日は、相場の裏で進む「米利上げ過剰織り込み」の限界と、
来週に迫る日米の二大イベントに向けた戦略を整理します。
上野ひでのり本日の視点
1.ドル高の真因は米国の「過剰な利上げ織り込み」
相場を押し上げている真の力学は、日本側の政策スタンスではなく、
米国の金融政策に対する市場の「過剰な先走り」にあります。
FedWatch ToolにおけるFOMCの利上げ織り込み確率は、
7月(35.8%)、9月(82.1%)、10月(87.4%)、12月(92.5%)と急上昇し、
「2027年前半の追加利上げ」まで織り込む前のめり状態となっています。
この過剰とも思える期待に対し、冷や水を浴びせる最大の決定打となるのが、
29日(水)27時半(日本時間30日午前3時半)に開始される
ウォーシュFRB議長の定例記者会見です。
ウォーシュ氏はフォワードガイダンスやドットチャートを「役に立たない」と断じ、
声明文の半減など「脱バーナンキ」とも言える
コミュニケーション改革を進める人物です。
市場が2027年の利上げまで勝手に織り込んでいる現状に対し、
彼は会見で
「地政学ショックによる原油高は一時的」
「基調インフレは落ち着いている」
「QT(量的引き締め)による金融引き締めが機能しているため追加利上げは不要」
というロジックを展開する可能性が高く、仮にそうなれば、
その瞬間に積み上がったドル買い期待のハシゴが一気に外されることになるでしょう。
2.「決め手」なき円高材料と、介入の真のタイミング
一方で、円高方向への材料に決め手が欠けていることも事実です。
市場では日銀の引き締め加速観測から2年債利回りが
約31年ぶりに1.5%を超える場面もありましたが、
G10各国の中銀が軒並みタカ派姿勢を強める中では、
日本単体の材料でトレンドを反転させるには限界があります。
また、メディアは「過度な変動がないため介入の大義がない」と主張しますが、
市場参加者が「水準防衛のための介入はない」と高をくくった時こそ、
通貨当局にとってはアルゴリズム取引の盲点を突く格好の機会となります。
注目すべき実弾介入(ドル売り円買い)のタイミングは、
31日(金)の日銀金融政策決定会合後の植田総裁会見になると想定しています。
会見をきっかけに市場が「日銀のタカ派度が足りない」と判断して
ドル円が164円台後半~165円方向へ急騰(ボラティリティ・スパイク)
を起こした瞬間こそ、当局が介入の引き金を引くポイントになるでしょう。
3.実践的アプローチ(介入局面のポジショニング)
このような「為替介入による一時的かつ暴力的な値動き」
が発生した場合の戦術として、
過去の市場データや価格力学のパターンを考慮するならば…
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