目次
本日のテーマ
昨日のNY市場から本日東京タイムにかけて、
ドル円は2024年7月の高値(161.945円)を上抜け。
161.959円、161.977円と段階的に上値を切り上げると、
本日の東京タイムには一時162.395円、さらに162.407円に達し、
約39年半ぶりの歴史的な円安・ドル高水準を記録しました。
本日は、この歴史的ブレイクを裏で引き起こした政治的要因と、
今夜迎える「期末の濁流」、
そして今週の相場を完全に引っくり返す可能性を秘めた
「運命の米国雇用統計」について解説します。
上野ひでのり本日の視点
1.「骨太の圧力」と高市政権の影が円安を加速させた
昨日のNYタイムでは、ドルの戻り売りが優勢であるにもかかわらず、
ドル円だけが異常な底堅さで162円台へと突き抜けた背景には、
日本のドメスティックな政治要因があります。
昨日、政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」
の原案が伝わりました。
日銀に対しては、
「政府の成長戦略と整合的な金融政策運営」を求めていることが、
市場には強烈な円売り材料(圧力)として意識されました。
現在の高市政権の本音は、
日銀に対して性急な引き締めを課すことではなく、
低金利環境を可能な限り維持し、
緩和政策からの正常化は「極めて緩やかに移行すること」
を望んでいると市場は改めて受け止めています。
先週、日銀が1.00%への利上げを決めたものの、
この政治的バックボーン(ハト派的圧力)が透けて見えたことで、
ヘッジファンド勢は「日銀はこれ以上タカ派に動けない」と確信し、
円売りを再加速させたのです。
一方のFRB側は、
先週のPCEデフレーターを受けて過熱感が一服したとはいえ、
FedWatch Toolでの年内利上げ期待は79.9%と依然として根強く残っており、
この「日米の格差のねじれ」が162.407円へのブレイクアウトを生みました。
もちろん、本日が月末・四半期末・半期末という特別重要な日であり、
本日9:55の東京仲値に絡めて162円台に乗せたことは、
実需ベースという見方もできます。
2.今夜のタイムライン:JOLTS求人数と「半期末の濁流」
本日は、実需の巨大な資金移動が集中する特異日です。
これからの時間帯、市場を激震させるトリガーが立て続けに押し寄せます。
23:00 JOLTS求人数
FRBが労働市場の需給を測る上で重視する指標の一つ。
数字のブレ次第で、高値の再更新か急反落かの火種になります。
24:00 ロンドンフィキシング
本日の最警戒ポイントです。
半期末の帳尻合わせ(リバランス)を行うグローバルファンドの
巨額なユーロ・ドル・円のオーダーが、直前の1~2時間に一極集中します。
本日のような実需のフローが市場を覆い尽くす日に、
日本の通貨当局が実弾介入を執行してくる可能性は非常に低いと考えられます。
なぜなら、実需の濁流に介入の資金が飲み込まれ、
効果が希薄化してしまうからです。
だからこそ、介入のハンマーがない代わりに、
需給の歪みだけでどちらに値が飛ぶか分からない「極限の不確実性」に
今夜は警戒しなければなりません。
3.木曜に前倒しの「運命の米国雇用統計」がターニングポイントになるか
そして、現在積み上がっている162円台の円売りポジション、
および8割近いFRBの利上げ期待のすべてを崩壊させるかもしれない
最大の「本丸」が、今週控えています。
通常であれば金曜日に発表される米国雇用統計ですが、
7月3日(金)が米独立記念日の前日(振替休日)でNY市場が休場となるため、
7月2日(木)21:30に「前倒し発表」となります。
市場の主要な事前予想値(ローデータ)は以下の通りです。
【6月 米国雇用統計・事前予想】
非農業部門雇用者数(NFP):予想11.4万人 (前回:17.2万人)
失業率:4.3% (前回:4.3%)
平均時給(前月比):0.3% (前回:0.3%)
今回のNFP予想値は、
前回の17.2万人から「11.4万人」へと大幅な減速が想定されています。
前回発表の数字が実態以上に強すぎた反動もあり、
今回は明確な「下方修正リスク」が付きまといます。
仮に、NFPが10万人を割り込む大失速を見せたり、
失業率が4.4%台へと上昇したりするようなことがあれば、
市場が過剰に抱き続けてきた
「タカ派FRBの幻影(利上げ確率)」は一気に崩壊するでしょう。
その瞬間、ドル高の強烈な巻き戻し(ドルの急落バイアス)が
相場全体を支配することになるかもしれません。
4.162円台のダブルトップ形成が示唆するものとは
東京タイムに162.407円までツッコミを入れたものの、
足元でダブルトップを形成して押し戻されているチャートの形状は…
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