【米国買いの熱狂】トリプル高(株・債券・ドル)が証明するベッセント×ウォーシュの信任

本日のテーマ

驚愕のタカ派シフトを突きつけたFOMCから一晩明けたNY市場は、
前日の「新体制への疑心暗鬼」を完全に吹き飛ばす、
極めて劇的なパラダイムシフトを演じました。

メディアが「FRBの対話拒否を嫌気」と報じたのも束の間、
昨夜の市場が下した結論は、株高・債券高・ドル高が同時に進行する
完全無欠の「トリプル高(米国買い)」です。

トランプ大統領の無軌道な関税政策によって一時進んでいた
「ドル離れ(米国売り)」の流れは、
ベッセント財務長官とウォーシュFRB議長という
実務家トップ2人への圧倒的な「信認」によって巻き戻されました。

しかし、この米国買いの熱狂の裏で、
為替市場には日米の中銀がどれだけ抗おうとも止められない
「絶望的なドル円の上昇圧力」がむき出しになっています。
本日はいま相場の深層で起きている冷徹な力学を解説します。

上野ひでのり本日の視点

1.「暗闇」を信頼に変えた、実務体制への圧倒的信認

前日はウォーシュ議長の「対話拒否(フォワードガイダンス没収)」
によって跳ね上がったVIX(株式恐怖指数)やMOVE(債券恐怖指数)ですが、
昨夜は一転して急落。

米10年債利回りは4.4%台で非常に安定した推移(債券高)を続け、
SOX(フィラデルフィア半導体指数)はAI・テック株を中心に
史上最高値を更新しました。

そしてドルインデックス(DXY)は一時100.918に到達する全面高です。

市場は「先行きが見通せない暗闇」を恐怖するのをやめ、
「ベッセントとウォーシュの最強タッグが米国債と経済の規律を完全に守り抜く」
という絶対的な信頼として受け入れ直したと考えます。

米国企業中心のAI需要の堅調さも、米国買いのロケットエンジンとなっています。

2. 161円突破と、午前4時台の「なんちゃって介入」の正体

この「米国売り防止=必然のドル高」というマクロの巨大な重力が、
ドル円相場を直撃しました。

序盤こそ日本の通貨当局による実弾介入への警戒感から上値に慎重だったものの、
ひとたび161円の節目を突破すると、
円買いを仕掛けていた投機筋のストップロス(損切り)を巻き込んで
一気に161.803まで急伸。

1986年12月以来、実に39年ぶりの安値水準へ突入し、
2024年7月の高値である161円96銭の牙城へ一気に肉薄しました。

じりじりと節目超えが迫っていた午前4時台、
突如として160.914まで80銭以上、瞬間的に下落する怪現象が起きました。

市場には一瞬「介入か」との緊張が走りましたが、
日本の通貨当局によるの実弾介入の可能性は低いと思われます。

19日(金)からのNY市場の3連休入りを控え、
終盤で商いが極限まで薄くなっていたところを、
投機筋の手じまいとアルゴリズムが勝手に過剰反応した
「なんちゃって介入(フェイク現象)」の可能性が極めて高いと見ています。

地合いが過敏になりすぎているがゆえの、市場の誤作動です。

3.理論価格を置き去りにする「円キャリー永久機関」

本日以降の日本の通貨当局の動きが注目されますが、
冷徹な相場データを見る限り、市場では介入効果に対する懐疑論が支配的です。

なぜなら、今回のドル高は一時的な投機ではなく、
実務家2人が作り上げた「マクロの構造的必然」だからです。

ウォーシュ氏のもとで「米国の短中期金利の下がりにくさ(高止まり)」
が確定した以上、
為替レートの骨格を決める日米の短期金利差は、
依然として壊滅的なまでに開いたままです。

日銀が今週1.00%へ利上げを決め、
内田副総裁が「利上げは続ける」とアピールしたところで、
この絶対的な格差の前には無力であるというファクトが、
昨夜の161円台乗せによって晒されてしまいました。

経済学的な理論価格(マネーサプライ比など)からはどれだけ乖離しようとも、
FRBが再び明確な利下げモードに回帰しない限り、
実需としての「円キャリー取引」の流れは止まりようがないと思われます。

4.162円突破目前の上昇圧力と日本の通貨当局の実弾介入の可能性

この続きは、有料メルマガでお読みください。
「上野ひでのり本日の視点」の続き、「相場概況」「本日のおすすめトレード」の記事が掲載されています。