【FOMCで歴史的な転換点】2024年は資産バブルがやってくるか?

2023年12月13日(水)のFOMCは、12月4日(月)号で述べた通りの結果となりました。
【12月13日のFOMC後はリスクオン加速か?】経済見通し好転が想定される

しかし、パウエルFRB議長が利下げ時期の検討を行ったことを認めるなど、想定外のハト派で驚きました。
2022年3月にゼロ金利から利上げを開始したとき以来の歴史的な転換点になったと思います。

2024年末の政策金利の見通しは4.6%(4.625%)です。現状の水準5.375%(5.25-5.50%)から0.25%の利下げ3回を織り込んでいます。

詳細につきましては、下記の記事をご参照ください。
【2023年度版】FRBボードメンバー、FOMC利上げ予測と声明文・経済見通し・議事録まとめ

今回のFOMCは歴史的なハト派会合で、強烈な資産価格の上昇、リスクオンを招きました。
ダウ平均株価は史上最高値を更新し、37,094ドルの高値をつけています。

2024年にかけて、果たして資産バブルがやってくるのでしょうか。
FRBの金融政策の歴史的な転換点にあたり、直近の各種相場見通しもアップデートしておきたいと思います。

パウエル議長はもともとハト派

「経済見通し」の2024年末の政策金利4.6%は想定通りでした。
しかし、パウエル議長は、再び資産バブルを招いて、せっかく低下したインフレ率に再び上昇の火をつけるようなハト派なスタンスは取らないと考えていました。

パウエル議長はもともとハト派なので、記者会見のコメントの中に、つい甘さが出てしまうときがあるのですが、さっそく株価暴騰の資産効果を招いています。
これに慌てて、次回の公式コメントではタカ派的なコメントで鎮静化させようとすることも度々あったので、要注意です。

米国10年債利回りは4%の大台割れ


ローソク足は米国10年債利回り、黒い太線のチャートはドル円の日足です。
画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートが別画面で開きます。

この原稿を書いている時点では、3.943%まで急落しています。
2023年の最安値は3.253%ですが、徐々にこの水準にサヤ寄せしていくことになりそうです。

ドル円相場の見通し

12月19日(火)の日銀金融政策決定会合が、いつものように円売り祭りになる可能性が高いと想定しています。
しかし、ドル相場が崩れているこの好機に、2024年1月23日会合でのマイナス金利解除を匂わせてくると、円買いトレンドに反転する可能性もあります。

今回のFOMCは本当に歴史的な転換点になったため、ドル円レートにも大きな調整が入る可能性が高いです。
パウエル議長が、次の発言で資産バブルの発生を抑制するために、強烈なタカ派コメントをぶつけてこない限り、トレンドは継続しそうです。

ドル安は継続。円安は底入れ反転、しかし円高を確認するほどの材料は確認できず。
現状ではこのような認識ですが、1ドル140円を挟んだ保ち合いに落ち着くところまでの下落はあり得ると思います。

2024年にかけて、2023年の年初来安値127.220に接近するためには円高が必要不可欠です。
外国人の円キャリートレードが鎮静化し、投機的な円売りが影を潜め、日銀の金融正常化の確かな足取りが確認されれば、明確な円高トレンド転換になるでしょう。

米国株は3指数とも史上最高値を更新の見込み

ダウ平均株価が先んじて史上最高値を更新しましたが、S&P500指数、NASDAQ総合指数も高値更新は時間の問題であろうと思います。

今後の株価の見通しは、長期金利の低下で借り入れコストは下がり企業業績にはプラスだと思います。
ただし、足元の高金利により米国経済の屋台骨である個人消費が減速の見通しで、その兼ね合いになりそうです。

米国経済のハードランディング懸念は完全に払しょくされたと考えられるので、リスク資産相場は上昇が続く見込みです。

ビットコインは独自のファンダメンタルズで上昇

FOMCのハト派転換がなければ、ビットコイン40,000ドル割れの押し目が到来する可能性が高かったのですが、そのチャンスはお預けとなりました。
2023年中に40,000ドル割れ、38,000ドル目安の押し安値の可能性は維持しており、株価と連動して年初来高値を大きく更新するような相場にはならないと想定しています。

あくまでも、ビットコイン独自のファンダメンタルズ、つまり現物ETFの上場承認(2024年1月初旬見込み)と半減期の到来(2024年4月下旬見込み)の2つのファクターが主な値動きの原動力になると思います。

GOLDはグレートリセット懸念で上昇

グレートリセットを信じるか信じないかに関わらず、金融資産以外の劣化しない現物資産を求める需要は高まると思います。
足元の相場は、ドル相場と逆相関の関係にあることから、反発上昇がしばらく継続する見込みです。

グレートリセットについては下記の記事をご参照ください。
【GOLDとBTCが暴騰した理由】COP28で世界首脳陣がグレートリセットに合意か?

【まとめ】インフレ克服で歴史的な転換点を迎え資産バブル到来の可能性

株価や不動産が上昇する資産バブルで、再びインフレに火をつける可能性もあり得ます。
しかし、原油価格の下落などもあり総合CPIは下落傾向、足元の高金利による住宅販売の不振で帰属家賃の下落が遅れてやってくるので、さほど心配は要らないと思います。

当面想定される最も大きなリスクは、新年度の2回目のつなぎ予算について、2024年1月19日、2月2日の2段階で期限がやってくることだと考えます。
【米国債の格下げ⇒株価暴落リスクは続く】下院議長のつなぎ予算案正念場