【ドル円相場は19日(火)日銀会合次第】事前リーク情報に注意!

2013年4月から2023年3月までの日銀金融政策決定会合は、黒田総裁のもと行われました。
黒田総裁はサプライズ好きなのか、事前に全く手がかり情報を与えずに異次元緩和(黒田バズーカ)などの政策を発表しました。

FRBはサプライズで市場に衝撃を与えるのを嫌い、FOMC直前に織り込み不足の材料があれば、ウォールストリートジャーナルのニック・ティミラオスを通して事前リークを行うのが通例になっています。

植田日銀総裁は、黒田総裁とは全く違い、FRBに近いメディアの使い方をします。
その受け皿は主に日経新聞であり、2023年10月31日(火)の会合の当日の早朝に「日銀、金利操作を再修正へ 長期金利1%超え柔軟に」というリーク記事が出ました。

場合によっては、数日前の日本の真夜中(NYタイム)に日経電子版のスクープ記事が掲載されることもあります。

日本人トレーダーの稼働時間帯のリークはない

少なくとも、東京株式市場が動き出した後に、混乱の原因となるリーク記事が出ることは今までありませんでした。今後もないと思います。
したがって、デイトレーダーがポジションを飛ばされる恐れはないのですが、スイングトレーダーの方は数日前から要注意です。

リークがあるとすればタカ派な情報

前回YCC(イールドカーブコントロール)の柔軟化を決定しているので、その延長線上のタカ派変化はないと思います。

今回、マイナス金利の解除がないというリーク記事は、既にブルームバーグがリリースしています。
リークがあるとすれば、「2024年の早期(1月23日?)にマイナス金利解除の是非を議論をしている」という関係者談だろうと思います。

日銀の責務は物価の安定

円安による輸入物価の高騰によるコストプッシュ型のインフレを食い止めたい思いの強さが、植田日銀からは伝わってきます。
せっかく、神田シーリング(財務省神田財務官が為替介入を実行すると想定された152円レベル)から11円近くのドル安円高が進行しているので、できるだけ長期にわたり140円近辺あるいはそれ以下の水準に定着させたいと考えているはずです。

上記のようなリーク記事が出れば、結果発表前に140円台の大台を割らせることも可能になるかもしれません。

警戒すべきはロングポジション

当日の正午前後に声明文が発表になりますが、完全に現状維持となり、15:30開始の植田総裁会見でもマイナス金利解除の時期の示唆がなければ、低位(140~142円台)からのロング(円売り)は優位性を持つと思います。

それ以前には、どんなタカ派なリーク記事が出てくるか分かりません。出てしまえばドル円は急落しますので、ロングは非常に危険です。

当日正午までのドル円ショートは安全性が高い

米国長期金利の動向などでどんな値動きになるかは分かりませんが、ハト派なリーク記事はあり得ない訳で、ドル円ショートの安全性は高いと思います。
もちろん140円の節目に接近したところでの突っ込み売りは厳禁です。

通常のテクニカル分析で、戻り売りのポイントを探ってショートを繰り返すのはありだと思います。

【まとめ】植田総裁会見後のドル円相場は発言内容次第

年末から2024年にかけては、チャレンジングな時期であると植田総裁は発言し、金融政策正常化への流れは止まりません。
マイナス金利の解除の時期を明言することはないにしても、次回1月23日だという暗黙のサインを送れば、定例の円売り祭りを避けることができるでしょう。

言及を避けるようであれば、程度問題ですが、失望の円売りになるはずです。
しかし、米国側(ドル側)の変化で、ドル円相場は年初来高値151.91から11円近くの急落を演じているので、2~3円程度の急反発は許容範囲内と思います