目次
本日のテーマ
3連休明けの火曜日夕刻を迎えていますが、
今週の為替市場は週初から極めて動意の乏しい展開が続いています。
昨日のNY市場は162円台前半を中心とした推移にとどまり、
本日の東京市場に至っては、
日中の値幅がわずか10銭未満という異例の膠着相場となりました。
来週に日米のビッグイベント(日銀金融政策決定会合・FOMC)
を控えているとはいえ、ここまで相場が完全に硬直している背景には、
現在市場を取り巻く「3つの主要テーマ」が
すべて機能不全(あるいは相殺状態)に陥っているという構造があります。
本日は週初めの見通しとして、
この異常な膠着を生み出している要因を冷徹に整理します。
上野ひでのり本日の視点
1.中東地政学リスクの「陳腐化」
中東情勢に関しては、相反するニュースが交錯し、
市場のテーマとして完全に混とんとしています。
米国とイランに対して仲介国が
「7月9日以前の状況へ戻るよう提案した」と伝わる一方で、
イエメンのフーシ派は「サウジへの海上封鎖を実施する」と表明しました。
確かに、原油高による米国の交易条件改善や
インフレ再燃を警戒するFRBのタカ派姿勢は、
理論上は「ドル高リスク」として働きます。
仮に事態が深刻なエスカレーションへ発展すれば、
一時的なドル買いが強まる可能性はあるでしょう。
しかし、市場にとってこの地政学ノイズは
「何度も繰り返されたイベント」に過ぎません。
散発的なヘッドラインで局所的な上下動は起こるものの、
ここから改めて「ドル全面高」という巨大なトレンドを単独で加速させるだけの、
フレッシュな起爆剤にはなり得ないのが実態です。
2.GPIF「国内回帰」という新手の口先介入
日本国内では、運用原資300兆円を抱えるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の
「国内回帰」が新たな政治的テーマとして脚光を浴びています。
国会でも、日本国債での安定運用を求める声に対し、
高市首相が「日本の金融資産へのさらなる投資を後押しする」
と応じる場面がありました。
25%ずつに設定された基本ポートフォリオを
数パーセント動かすだけで10兆円規模の資金が還流するため、
一時はこれを材料視して円安・債券安に一定の歯止めがかかりました。
しかし、市場の根強い見方は
「数カ月前に決めたばかりの指針を見直すハードルは高く、
これは円安・債券安の同時進行を抑えるための『新手の口先介入』に過ぎない」
という冷めたものです。
実需の資金シフト(本国送還)の実行を伴わない政治的アピールだけでは、
ドル円のトレンドを根底から転換させるには至っていません。
3.「高市円安」の警戒感と日銀のジレンマ
来週に控える日銀の金融政策決定会合に向けた「利上げ観測」も、
市場ではいまひとつ盛り上がりを欠いています。
本日21日、政府は「骨太の方針」を閣議決定しました。
当初の原案に対して日銀の独立性に配慮した文言が加筆されたものの、
為替相場の反応は極めて限定的なものにとどまりました。
経済のファンダメンタルズ面では利上げを裏付けるデータが揃いつつあるものの、
市場の根底には「積極財政を掲げる高市政権は、
本音では利上げに否定的なのではないのではないか」という
強い警戒感(高市円安の思惑)が残っています。
この「政治的思惑と日銀のスタンスのギャップ」が、
投機筋に積極的な円買い(円高へのベット)を躊躇させる最大の要因として、
162円台を底堅く支えています。
4.【結論】今週の相場へのスタンス
ドル高を後押しする材料(地政学リスク・原油高)はすでに…
この続きは、有料メルマガでお読みください。
「上野ひでのり本日の視点」の続き、「相場概況」「本日のおすすめトレード」の記事が掲載されています。



