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本日のテーマ
昨日のNY為替市場でドル円は、
過去1年のトレンドを支えてきた200日移動平均線(158.47近辺)を明確に下抜け、
一気に155円台前半(安値155.284円)まで崩落しました。
8月3日の為替介入の最安値(155.220円)のブレイクを目前に捉える水準です。
大衆は「レートチェックか」「介入か」と不毛なノイズに気を取られていますが、
本質はそこにはありません。
これは過去1年間続いた円安トレンドの「完全なる終焉」を告げる、
不可逆的な構造転換の始まりとなるでしょう。
本日は、この相場が「簡単には戻らない」決定的な理由と、
今夜の米雇用統計が果たす役割について解説します。
上野ひでのり本日の視点
1.需給の物理的限界:積み上がった「円ショート」の強制巻き戻し
CFTCのデータが示す通り、投機筋(レバレッジドファンド)の円売りポジションは、
過去平均の2倍強という異常な水準まで積み上がっていました。
彼らは「金利差」を狙ったキャリー勢ですが、
2日間で5円超という急落により、
稼げる金利差の数年分が一瞬で吹き飛ぶ致命的な為替差損を抱えています。
重要なのは、200日線を割り込んだことで、
アルゴリズムによる機械的なストップロス(損切り)が発動している点です。
これは利益確定ではなく「損失拡大を止めるための強制的な買い戻し」であり、
買い戻しが終わるまで売り手が不在の真空地帯を生み出しています。
「下がったら押し目買い」という大衆の成功体験は、
この数日で粉砕されました。
2.暴落のウラ側:日米当局の「外圧」とクジラ(GPIF)の参戦
この円安トレンドをへし折った最大の要因は、
日米当局と巨大資本による「軌道修正」です。
ベッセント米財務長官が、
高市政権の積極財政と日銀の低金利に対して強い不満をぶつけ、
円安是正を迫っていた外圧が表面化しました。
これに呼応するように、
日銀の高田審議委員は「一定の利上げ間隔や幅にとらわれない」と、
連続利上げを示唆するかつてないタカ派発言を行い、
市場は「9月18日会合で1.25%への利上げ」を99%織り込みました。
(東短リサーチのデータ)
さらに、世界最大の機関投資家であるGPIFが異例の8月会合を開き、
金利上昇が続く国内債券への資産配分を引き上げる観測が浮上しました。
日米金利差と為替の乖離(ワニの口)を支えてきた「巨大な資金の海外流出」は、
生保のレパトリとGPIFの動向によって完全に逆回転を始めています。
3.155.220円ブレイクが意味する「チャートの死」
現在、相場は8月3日の日米協調介入(約15兆円規模)で作られた
最安値「155.220円」のブレイクを目前に控えています。
巨額介入で作られた安値は、
大口投機筋にとっての「最後の岩盤サポート」として機能します。
ここを明確に下抜けるということは、
過去1年間の円安トレンドを支えてきたチャートのサポートラインが完全に消失し、
下値の目処が一気に150円、あるいは140円台後半まで切り下がることを意味します。
このテクニカルの破壊が起きている以上、相場の流れは簡単には戻りません。
4.今夜の米雇用統計(NFP)が刺す「トドメの一撃」
この劇的なゲームチェンジの最中、本日21:30に8月の米雇用統計が発表されます。
・非農業部門雇用者数(NFP)予想: 5.5万人(前回-2.3万人)
・失業率予想: 4.1%(前回4.1%)
すでにウォラーFRB理事のハト派発言等で、
FedWatchが示す9月の利上げ確率は50.2%まで低下しています。
明日からのブラックアウト期間を前に、
もし今夜のNFPが下振れし、2カ月連続のマイナスにでもなれば、
FRBの「利上げモード」は粉砕されるでしょう。
それはドル全面安の波となって…
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