【162円台後半の肝試し】先月分の介入なし。米雇用統計のタイミングが狙われるか?

本日のテーマ

昨夜のNY為替市場では、
一時ドルの戻り売りが優勢となる局面があったものの、
根強い円安圧力に押し上げられる形で
ドル円はショートのストップロスを巻き込み、
一時162.664円まで上値を拡張しました。

昨日23時に発表された「JOLTS求人数(5月)」が強い数字となり、
ドル高を支えています。

結果は下記の通りです。
759.4万人(予想728.0万人/前回758.5万人)
前回分は761.8万人から下方修正されたので、前回実績を上回りました。

途中、アルゴリズム売買の影響とみられる「謎の急落」もみられましたが、
これまで通り即座に全戻しとなる展開です。

本日の東京タイムにも、ドル円相場は続伸。
162.834まで、39年半ぶりの高値を拡張しています。

本日は一見、
明日の「運命の米国雇用統計」を前に材料が少ないように見えますが、
相場を大きく動かす伏兵が今夜から待ち構えています。

本日は最新のデータと、
日本の通貨当局が狙う「ある不気味な介入シナリオ」について解説します。

上野ひでのり本日の視点

1.財務省「介入額ゼロ」の公表と162円台の肝試し

昨日、財務省が直近1ヶ月間(5月28日〜6月26日)の
「外国為替平衡操作実施状況」を公表しましたが、
市場の予想通り介入額は「ゼロ」でした。

この「お墨付き」を得たことで、
海外の投機筋は政府の介入に対する恐怖心がやや緩んだか、
どこまで上値を追えるかという「肝試し」的な上昇テストを仕掛けています。

現在、イラン情勢の沈静化によって
WTI原油先物は70ドルを中心とした狭いレンジでの振幅に落ち着いていますが、
FOMCのタカ派な残像によって、
FedWatch ToolでのFRBの年内利上げ確率は82.7%へと再び上昇。

一方で、東短リサーチが算出する日銀の年内追加利上げ確率も
90%という高水準に達しています。
しかし、こちらは市場に織り込まれており、
ドル円の下値を支える材料にはなっても、
円安を反転させるトリガーにはなり得ません。

米国のインフレ期待が明確に下落に向かい、
実際の雇用指標が「弱い数字」に転じることで
FRBの利上げ確率が自壊しない限り、
構造的なドル高・円安の反転は起きない
という冷徹な現実が横たわっています。

2.今夜23時、前哨戦としての「ISM製造業景況指数」

明日の雇用統計を前に、今夜の相場を大きく揺さぶる可能性があるのが、
23時に発表を控える「ISM製造業景況指数」です。

主要な事前予想データは以下の通りです。

【今夜23:00発表:米ISM製造業景況指数】
製造業景況指数:予想53.8 (前回:54.0)
製造業雇用指数:予想N/A (前回:48.6)

ここで注視すべきは、
前回の「54.0」という数字が、現在の米経済の実態に対して、
「絶好調過ぎる異常値」であった可能性が高いという点です。

すでに求人広告件数などのミクロデータは減速を示唆しており、
今夜の発表で景況感が好不況の境目である
「50.0」を割り込むサプライズが出てくるシナリオは十分に想定されます。

もし50.0割れ、あるいは雇用指数の明らかな悪化が示されれば、
明日の本番を待たずして過熱した米利上げ期待の剥落が始まり、
ドル円に強烈な巻き戻しのバイアスがかかることになるでしょう。
今夜23時は絶対警戒の時間帯です。

3.結論:2024年7月の再現か? 雇用統計直後の「追撃介入」シナリオ

市場関係者の多くは現在、
米独立記念日の3連休前に前倒しされた「木曜日の雇用統計」
の結果を見極めたいという様子見ムードに包まれています。

そのため…

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