【好調な米雇用指標が続く】明日の雇用統計が引くか?タカ派FOMCのトリガー

本日のテーマ

昨日のNY為替市場は、ややドル高が優勢となる中、
ドル円は160円付近での推移を続けました。

大引け前には一時160.085まで上昇し、
ついに大台のラインに顔を出す展開となっています。

しかし、日本の通貨当局による再度の円買い介入が強く警戒される中、
市場の上値に慎重な様子に変化はなく、
ここから一気に160円台を駆け上がる展開までは見られていません。

本日の東京タイム入り前に、159.591まで急落する場面もありました。

市場は最大の山場を前に、「きっかけ」を待っている状態です。

本日は、今週相次いで発表された米国の雇用指標のファクトを整理し、
明日の米雇用統計、そして中旬のFOMCへと続く
ドル高の構造について解説します。

上野ひでのり本日の視点

数字が示す米雇用の「強さ」

今週発表になった米国の雇用指標は、ISM非製造業雇用指数を除き、
非常に好調な結果が出揃いました。データは以下の通りです。

ISM製造業雇用指数:48.6(予想48.2/前回46.4)
JOLTS求人数:761.8万人(予想686.0万人/前回688.7万人)
ADP雇用者数:12.2万人(予想11.8万人/前回10.5万人)
ISM非製造業雇用指数:47.9(予想48.8/前回48.0)

製造業やJOLTS求人数、ADPが軒並み市場予想を上回っており、
米国の労働市場が依然として強固な地盤を維持している事実を示します。

この流れを引き継ぐ形で、
明日、5日(金)21:30に発表される「米国雇用統計」も
好調な結果が想定されます。

明日の市場予想は以下の通りです。

非農業部門雇用者数(NFP):予想8.5万人(前回12.3万人)
失業率:予想4.3%(前回4.3%)
平均時給(前月比):予想0.3%(前回0.2%)

もし明日の雇用統計が事前の想定通り、
あるいはそれ以上に絶好調だった場合、
17日(水)のFOMC結果発表(声明文と経済見通し)において、
FRBが利上げに前のめりなタカ派姿勢を
前面に押し出してくる可能性が高くなります。

現在の短期金融市場(FedWatch Tool)を見ても、
年内の利上げ確率は55.0%まで上昇しています。

もはや市場のメインシナリオは「利下げ」ではなく、
「高金利維持、あるいは追加利上げ」へとシフトしているのです。

織り込み済みの「日銀利上げ」では円安を止められない

一方で、日本円の先安感は根強いままです。

米国とイランの交渉が依然として不透明な中、
原油の高止まりが日本の貿易赤字の拡大懸念に直結しているほか、
日米の金利差がなお大きいことが円の強烈な重しとなっています。

日銀の植田総裁は昨日の講演で、
「物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、
利上げの是非についてしっかりと議論する必要がある」
との見解を示しました。

これを受けた東短リサーチによる日銀の利上げ確率では、
16日(火)の会合で「0.25%の利上げ」を84%も織り込む状況にあります。

マーケットは植田総裁のコメントを「次回は利上げだ」という
明確なシグナルとして受け止めました。

しかし、これらはすでに織り込み済みであるためサプライズはなく、
為替市場の反応は薄く、円高方向への動きは限定的でした。

実戦レベルにおいて、「日銀が利上げを実施したからといって、
それが本格的に円安を食い止める」と考えている市場関係者はなお少数派です。
大元の原因であるFRBがタカ派姿勢を強調し続ける限り、
ドル円の上昇バイアスは…

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