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3/16(水)27時(夏時間)FOMC結果発表・利上げ開始
3/5(土)からブラックアウト期間入り
FOMC開催週の2週間前の土曜日から、関係者が金融政策に関する発言を禁じられるブラックアウト期間入りとなる。
その直前週(2/8~3/4)は、投票権を持つ12名のFRBボードメンバーの発言がFOMCの結果を推測する最後のチャンスとなる。
しかし、現状ではFRB執行部は3名欠員(投票権9名)のままであり、パウエル氏も任期切れで臨時議長の立場である。
2/15(火)上院銀行委員会で、FRB執行部5名承認採決延期
パウエルFRB議長(再任)、ブレイナード副議長(理事から昇格新任)、ラスキン副議長(新任)、クック理事(新任)、ジェファーソン理事(新任)の5名の上院での指名承認公聴会は終了し、上院銀行委員会の採決待ちである。
しかし、共和党がラスキン副議長の就任に反対しており、5名一体の承認ができない状況が続いている。
3/2(水)24時 FRBパウエル臨時議長の下院議会証言
本来は、上記採決で承認されてからの開催予定であった下院、上院での議会証言であるが、ブラックアウト期間入り直前に何とかセッティングされた。
- 3月2日(水)24:00 下院金融サービス委員会での証言
- 3月3日(木)24:00 上院銀行委員会での証言
初日の下院証言が再重要で、翌日の上院証言で新しい材料が出てくることはなく、ほぼノーイベントである。
史上最重要レベルの要人発言
事前に証言原稿がFRBサイトで公表されるが、そこにサプライズはなく、質疑応答の中で具体的な金融政策上のヒントが見えてくる。
- 初回の利上げは0.25%か0.50%か?
- その後の利上げのペースは?
- バランスシート縮小(QT)はいつから開始か?
- 保有資産の市場売却は予定されているのか?
「今後のデータに基づく」発言も予想されるが…
2月10日(木)に発表された消費者物価指数(CPI)の7.5%が重い数字のため、早めに物価上昇を抑え込み、インフレ率が低下すれば引き締めのペースを緩めるようなニュアンスが想定される。
ちなみに、FOMC開催日までに、2つの重要指標の発表があり、さらにインフレ危機が強まる可能性がある。
ブラックアウト期間入り前後の重要指標
3/4(金)米国雇用統計
失業率が4.0%程度の低水準が続くならば、仮に非農業部門雇用者数が前月より減少でも問題はない。
さらなる平均時給の伸びが想定されるが、インフレ率上昇の原因にもなっており、FOMCの金融政策に影響を与えるだろう。
3/10(木)消費者物価指数(CPI)
前回は総合CPIが前年同月比+7.5%、コアCPIが同+6.0%である。
生産者物価指数(PPI)が低下していないため、CPIもさらなる上昇が想定される。
為替相場は下記のステップで乱高下する可能性
【メモ必須】今後の最重要スケジュール
結論は、3/16(水)27時までは全く予想ができないが、そのヒントとなる下記のイベントで相場が乱高下しそうである。
四半期に一度の「経済見通し」が重要
今後の経済見通しに加え、FOMCメンバーの考える今後の利上げペースを示す「ドットチャート」も公開されるため、金融先物市場での織り込みとの差分が注目される。
量的引き締め(QT)の開始時期や手法、すなわち債券償還時の再投資を行わないだけでなく、保有資産の市場売却の具体的な計画があるのか等、注目点は満載である。
【2024年度版】FRBボードメンバー・FOMC利下げ予測と声明文・経済見通し・議事録まとめ
オーバーキル懸念のジレンマと戦う
今回は歴史上例がないパンデミック対策の超大型緩和からの金融正常化のプロセスである。
既に株価は暴落の域に突入しているので、急激なインフレ対策、金融引き締めによる景気後退(オーバーキル)を起こさないような配慮がなされるだろう。
しかし、中途半端な政策ではインフレを抑え込めない可能性もあり、非常に繊細なさじ加減が要求される。
今後の為替相場の見通し
パウエル臨時議長の下院議会証言でのスタンス次第
2/10(木)2/14(月)のブラード・セントルイス連銀総裁のタカ派発言(7/1までに1.00%までの利上げが望ましい)が基準になりそうだが、同程度にタカ派であれば、米国金利上昇、株価下落でリスクオフ型の為替相場になりそうだ。
それよりハト派になれば、いったん米国金利上昇に歯止めがかかり、株価反発が想定される。
その後の経済指標次第でFOMCの結果は変わる
3/4(金)の米国雇用統計、3/10(木)の米国消費者物価指数の結果で乱高下する相場になりそうだ。
特に後者が与える影響は格段に大きい。