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本日のテーマ
昨日のNY為替市場は、ドル買いがやや優勢となり、
ドル円は159.375まで上伸しました。
週明けに158.750まで値を落としたものの、
下値での押し目買い意欲は極めて根強く、すぐに159円台へ再浮上しています。
上野ひでのり本日の視点
イラン早期和平観測は根強い
米国がイラン南部のミサイル発射拠点や船舶へ攻撃を実施するという
緊迫したヘッドラインが流れましたが、
市場はこれを「防衛的措置であり、和平交渉は妨げない」
と冷静に受け止めています。
トランプ大統領の「協議は順調」という発言もあり、
市場は「双方は合意に近づいている」という
早期和平のシナリオを強く織り込んでいます。
しかし、現在のドル円相場は159円を挟んで完全に「開店休業状態」です。
オプション市場が示す1週間物の
インプライド・ボラティリティ(IV=予想変動率)は、
なんと5.23%という数年ぶりの歴史的低水準まで低下しています。
下値は強固な日米金利差と底堅い米経済指標で支えられ、
上値は日本の為替介入警戒感が分厚い蓋となっている。
市場参加者の間で、「当面は155~160円のレンジが維持される」
というコンセンサスが固まりつつあることが、
この極端なボラティリティ圧縮の原因です。
明日21:30、FRBの「本命」が発表される
しかし、この嵐の前の静けさに油断してはいけません。
明日21:30、今週最も重要かつ、
現在の相場を根底から揺さぶる可能性を秘めた
「米PCEデフレーター(個人消費支出物価指数)」の発表が控えています。
メディアはCPI(消費者物価指数)ばかりを取り上げますが、
FRBがインフレ指標として公式に採用し、
金融政策のターゲットにしている「本命」はこのPCEデフレーターです。
明日発表される予想値と、その裏にある「異常な乖離」を確認しておきましょう。
今年3月18日会合にFRBが発表した経済見通し(SEP)では、
2026年末のインフレ着地点を総合・コアともに「2.7%」と予想していました。
しかし、明日の市場予想は以下の通りです。
・PCEデフレーター(総合): 3.8%(前回3.5%)
・PCEデフレーター(コア): 3.3%(前回3.2%)
※コアは価格変動の激しい食品とエネルギーを除いた数値
わずか2ヶ月強の間に、FRBの年末見通し(2.7%)に対して、
総合で1.1%、コアでも0.6%も上振れる予想となっているのです。
NY株価の史上最高値は「楽観的すぎる」
この強烈な上振れは、
イラン戦争という想定外の事態が引き起こした原油高の影響が大きいとはいえ、
紛れもない「インフレの異常事態」です。
年内2回の利下げ予想が吹き飛び、
利上げ予想へと傾いたのは当然の帰結と言えます。
現状、早期和平への期待から
12月会合での利上げ確率は47.3%までやや低下していますが、
ここには大きな落とし穴があります。
現在、NY市場の主要株価3指数は、
「和平の早期実現」を織り込んで史上最高値を更新中ですが、
プロの目から見れば少々楽観的すぎます。
仮に和平が成立して原油価格が下がったとしても、
一度サービス価格などに転嫁されたインフレ(コアPCEの高止まり)は、
そう簡単に沈静化しないからです。
明日に向けたシナリオ
PCEデフレーター発表に向けたシナリオは明確です。
もし予想値(総合3.8%・コア3.3%)の範囲内で着地すれば、
市場は「織り込み済み」として無風に近い通過となり、
現在の狭いレンジ相場が継続する可能性が高いでしょう。
しかし、予想を「0.1%」でも上振れた場合には…
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