【米国雇用統計NFP5.7万人の衝撃】ドル全面高の巻き戻しの本番はこれからか

本日のテーマ

米独立記念日の3連休を前に、
木曜日に前倒しで発表された「6月米国雇用統計」は、
これまでの全面ドル高の前提を根底から揺さぶる
ゲームチェンジャーとなりました。

注目の非農業部門雇用者数(NFP)は、
事前予想の11.4万人を壊滅的に下回るわずか5.7万人という衝撃的な大失速。
さらに強すぎるとされた前回実績も
17.2万人から12.9万人へと大幅に下方修正されました。

この雇用統計ショックを受けてドル円は急落。
週末金曜日の欧州タイムにはさらに一段の下落を見せ、
今週の安値は160.473円に達しました。

1日(水)につけた39年半ぶりの高値が162.834円だったため、
1週間の値幅は236.1pips。

直近のボラティリティ低下を反映し、
週間の値幅としてはやや狭い水準に収まったものの、
相場の潮目が変わったことを強烈に印象づける一週間となりました。

今回は、私が木曜日のリアルタイムチャットで提示した
時系列のデータと独自のクオンツ予測を基に、
この激動の裏で行われていた日米通貨当局の「心理戦の答え合わせ」と、
次なるドルの立ち位置について解説します。

上野ひでのり本日の視点

1.木曜欧州タイムの怪:「闇討ち報道」とアルゴの誤作動

木曜日の相場を時系列で振り返ると、
今回のドラマは21時30分の雇用統計よりも遥か前、
15時の欧州タイム入りから始まっていました。

当日13時頃、ロイター通信が
「日本通貨当局は今後は従来のけん制を手控え、ステルス介入に切り替える」
という関係者の証言を報道。
さらに韓国との通貨防衛連携のニュースや、
日銀によるレートチェックの噂が同時多発的に飛び交いました。

この情報に恐怖した欧州勢が参入直後に一斉に円の買い戻しに走り、
ドル円は急落。

一時「実弾介入か」と思わせる急激な値動きを見せました。

しかし、私はチャット内で即座に
「数分間で161円を割り込まないようなこの値動きは、
単なるアルゴリズムの過剰反応(なんちゃって介入)に過ぎない」
と一蹴しました。

結果論から言えば、当局は一歩も動かずに
「メディア報道と噂(インフォメーション)」だけで市場を恐怖させ、
162円台後半の肝試しポジションを掃除することに成功したのです。
これこそが、実弾を使わない究極の心理戦です。

2.5.7万人の破壊力と「追撃介入なし」の数理的背景

そして迎えた21:30。
NFP「5.7万人」というネガティブサプライズにより、
ドル円は自律的に急落フェーズへ突入しました。

私はこのとき、
「2024年7月の米CPIショックの再現として、
この自律急落の瞬間に日本政府が追撃の巨大実弾ハンマーを振り下ろしてくれば
極めて効果的だが、
もし介入が入ればここから3円以上突き抜けて暴落するため、
恐ろしくて安易なロング(押し目買い)は絶対にできない。

一方で、介入がなければ1円以上あっという間に全戻しするリスクもあるため、
突っ込み売りも不可。
真の買い場は高値から5円下落した水準のみである」と、
徹底した様子見・資金管理の徹底をアドバイスしました。

最終的に、雇用統計直後も日本政府による実弾介入はありませんでした。

米国が勝手に自壊(雇用悪化)してドル安・円高のトレンドを作ってくれた以上、
貴重な外貨準備(実弾)をここで無駄撃ちする必要はないという、
片山財務相・ベッセント財務長官による冷徹な実務的判断であったと考えます。

3.結論:タカ派の幻影の剥落と、来週への警戒

この雇用統計ショックを経て…

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