シカゴ投機筋IMMポジション週報 2026/10/17

このレポートの読み方はこちら

このレポートで見る3つの参加者

  • IMM投機筋:Legacy COTのNon-Commercial。大口投機筋全体の大きな方向感を見ます。
  • TFF投機筋(Leveraged Funds):ヘッジファンドやCTAなどを含む、より機動的な投機資金の動きを見ます。
  • 機関投資家(Asset Manager / Institutional):年金・保険・投信・運用会社などを含む、より構造的な運用資金の動きを見ます。

3系列に単純な強弱順位を付けるのではなく、「現在地」と「1週間の変化」を並べ、どの層が先行し、どの層が追随しているかを確認します。

1. 今週のCFTCポジショニング総覧

2026年10月13日時点のCFTC建玉報告では、主要市場での新たな買い越し・売り越しの符号転換は発生しませんでした。
今週はドル指数(DXY)が52週高値圏を維持するなか、欧州通貨やオセアニア通貨で売りが深まる一方、株価や暗号資産の調整局面では機動的な投機筋が買い方向へ動く非対称な週となりました。

第1の焦点は、低金利通貨である日本円とスイスフランの方向感の違いです。
日本円のIMM投機筋は買い越し50,207枚(総建玉に対するネット比率13.4%)を維持しつつも、週間では12,118枚の売り積み増し(ネット比率は3.5ポイント低下)へ動きました。

これに対しスイスフランは、売り越し22,078枚(ネット比率-16.1%)ながら週間1,662枚の買い戻しが入りました。
スイスフランのネット比率は過去52週で最も高い水準に達しており、円売り積み増しとスイスフラン買い戻しが同時に進行しています。

第2の焦点は、欧州通貨およびNZドルにおける売り圧力の集中です。
IMM投機筋の売り越しはユーロで137,573枚(ネット比率-15.7%)、英ポンドで106,964枚(ネット比率-39.8%)へ拡大し、両通貨ともネット比率は過去52週で最も低い水準に位置しています。

またNZドルでも週間17,655枚の売り積み増しにより売り越しが47,001枚(ネット比率-37.6%)へ拡大しました。
ネット比率は1週間で15.0ポイント低下しており、過去52週でも変化幅が大きい売り方向のフローを記録しています。

第3の焦点は、WTI原油の価格急騰とポジションの逆行です。
WTI原油価格が94.78ドルへ週間5.4%上昇したにもかかわらず、マネージド・マネー(投機的な運用資金)は週間13,024枚の売り積み増しに動き、買い越しを40,574枚(ネット比率2.1%)へ縮小させました。

第4の焦点は、株式・暗号資産の価格調整に対するTFF投機筋(Leveraged Funds)の買い方向の動きです。
S&P500やNASDAQ100、日経225、Bitcoinがいずれも週間で下落するなか、TFF投機筋はこれらすべての市場で買い積み増しまたは買い戻しに動きました。


CFTC IMMポジション主要市場一覧 2026年10月13日

高解像度画像を原寸で開く

2. 円相場|円高・円安を左右するポジション構造

10月13日時点の日本円は、IMM投機筋で買い越し50,207枚(ネット比率13.4%)となりました。
現在の買い越し50,207枚は、先物契約の額面ベースで約6,275.875億円相当です。

前週の買い越し62,325枚からは週間12,118枚の売り方向(ネット比率は3.5ポイント低下)となり、過去4週間でも70,152枚の売り方向(ネット比率8.7ポイント低下)と買い越し縮小が続いています。
過去52週のネット比率では依然として上位圏にあるものの、直近の極端な高水準圏からは一歩退く形となりました。

建玉の内訳を見ると、ロング(買い建玉)が191,256枚で週間888枚の増加にとどまった一方、ショート(売り建玉)は141,049枚へと週間13,006枚増加しました。
今週の円買い越し縮小は、既存のロング解消ではなく、新規のショート積み増しが主導しています。


日本円 CFTCポジション分析 2026年10月13日

高解像度画像を原寸で開く

上の日本円ダッシュボード画像(①のドル円は上下逆目盛)と合わせて、円相場の背景にあるマクロ環境を確認します。
ドル円は日米金利差だけでなく、ドル指数(DXY)と円指数(JXY)を合わせて見ることで、ドル要因と円固有要因を分解できます。

10月13日時点のUSD/JPYは158.304円(週間0.15%上昇、0.244円のドル高・円安)で、52週レンジ(150.414円~163.844円)の中央付近に位置しています(同週10月16日終値は157.975円)。
同じ期間にドル指数(DXY)は102.215ポイントへ週間0.36%上昇し、円指数(JXY)は63.1582ポイントへ週間0.11%低下しました。

通常の主要ドライバーである日米10年金利差を見ると、米10年金利が5.217%(週間6.9bp低下)、日本10年金利が3.004%(週間8.9bp低下)となり、日本の金利低下幅が米国を上回ったことで金利差は週間2.0bp拡大しました。
日米10年金利差の拡大、ドル指数の上昇、円指数の低下という3つの主要ドライバーは、いずれも今週のUSD/JPY上昇および投機筋の円売り積み増しを支持する方向で一致しています。

さらに日本はエネルギー輸入国であり、原油高は一般に円の交易条件に逆風となります。
今週はWTI原油が10月13日時点で94.78ドル(週間5.4%上昇)、週末10月16日には99.05ドルまで上昇しており、資源価格の面からも円売り方向と整合する環境でした。

ここで同じ日本円市場における参加者の違いを確認するため、IMM投機筋、TFF投機筋、機関投資家(Asset Manager / Institutional)の現在地と週間変化を並べます。
日本円はIMM投機筋と機関投資家が買い越しを維持しているものの、1週間のフローではTFF投機筋に追随して3系列すべてがショート積み増しによる円売り方向へ揃いました。

具体的には、機動的なTFF投機筋がすでに売り越し33,673枚(ネット比率-9.0%、先物契約の額面ベースで約4,209.125億円相当の売り越し)へ回っており、今週もロングを814枚減らしショートを7,816枚増やして週間8,630枚の売り積み増しを進めました。

一方、機関投資家は買い越し65,819枚(ネット比率17.6%、額面ベースで約8,227.375億円相当)と厚い円買い越しを維持していますが、今週はロング2,927枚増に対してショートを4,903枚増やし、週間1,976枚の売り方向(ネット比率0.8ポイント低下)へ動いています。
TFF投機筋が売り越し側で先行し、買い越し側に残るIMM投機筋と機関投資家が週間の売りフローで追随する構図です。

続いて、日本円とスイスフランを比較します。
日本円とスイスフランはいずれも低金利通貨として、キャリートレードの資金調達通貨に使われやすい性質があるため、資金調達通貨の重心に変化が起きている可能性を確認するために両者を並べて見ます。

スイスフランのIMM投機筋は売り越し22,078枚(ネット比率-16.1%)ですが、今週はショートを2,033枚減らして週間1,662枚の買い戻し(ネット比率1.2ポイント上昇)に動きました。
過去13週間でも14,878枚の買い方向(ネット比率18.0ポイント上昇)と売り越し圧縮が続いており、ネット比率は過去52週で最も高い水準にあります。

またTFFデータでも、スイスフランではTFF投機筋が週間3,591枚の売り方向(売り越し14,941枚)であった一方、機関投資家は週間5,923枚の買い積み増し(売り越し31,456枚、ネット比率は4.3ポイント上昇)と明確に買い方向へ動きました。
スイスフランの売り持ちが縮小する一方で日本円の売りが積み増されている組み合わせは、資金調達通貨としての重心がスイスフランから円へ移りつつある可能性と整合します。

ただし、残高の符号そのものは日本円が買い越し50,207枚、スイスフランが売り越し22,078枚と依然として反対側にあります。
CFTC統計から通貨間の直接的な資金移動は観測できないため、実際に資金がスイスフランから円へ移動したと断定することはできず、現時点では1週間のフローと過去13週間の方向感から浮かぶ仮説にとどまります。

3. ドルの現在地と主要通貨の偏り

ドル指数(DXY)は10月13日時点で102.215ポイント(週間0.36%上昇)となり、52週レンジ(95.818ポイント~102.572ポイント)の最上位圏に達しています(10月16日終値は101.779ポイント)。
米10年金利が5.217%へ週間6.9bp低下したにもかかわらず、WTI原油の反発や主要通貨に対する全般的なドル買いが支えとなりました。

ドル指数のIMM投機筋は週間908枚の買い積み増しで買い越し12,919枚(ネット比率24.9%)となり、過去52週でも上位圏の買い越しを維持しています。
もっともTFFの参加者別では、TFF投機筋が買い越し2,076枚(週間1,212枚の買い積み増し)と順張りを続ける一方、買い越し18,164枚(ネット比率35.1%)を持つ機関投資家は週間932枚の買い解消(ネット比率2.3ポイント低下)に動いており、高値圏での対応が分かれ始めています。

主要通貨のなかで特に偏りが際立つのが、ユーロ、英ポンド、カナダドル、およびオセアニア通貨です。
米独・米英の10年金利差縮小やWTI原油の急騰といった通貨高の支持材料を振り切り、ユーロや英ポンド、カナダドルではドル高に沿った売り越し拡大が続いています。

ユーロ(EUR/USDは1.11974、週間0.53%下落)では、IMM投機筋がロングを20,091枚減らしショートを18,150枚増やしたことで、週間38,241枚の大幅な売り方向(買い解消、ネット比率は4.3ポイント低下)となりました。
売り越しは137,573枚(ネット比率-15.7%)に達し、残高のネット比率・週間フローともに過去52週で最も低い水準の領域にあります。

英ポンド(GBP/USDは1.32527、週間0.15%下落)でも、IMM投機筋は週間9,353枚の売り積み増しにより売り越し106,964枚(ネット比率-39.8%)となり、過去52週で最も低いネット比率の水準にあります。
今週は独10年金利が3.4626%(週間2.55bp低下)で米独10年金利差が週間4.35bp縮小し、英10年金利は5.4542%(週間5.54bp上昇)で米英10年金利差も週間12.44bp縮小しましたが、金利差の縮小という逆風をドル指数の上昇と投機筋の売りが上回りました。

ただしユーロのTFFデータを見ると、TFF投機筋が週間23,740枚の売り方向で売り越し68,001枚(ネット比率-7.8%)へ深掘りした一方、機関投資家は買い越し199,918枚(ネット比率22.9%)の状態で週間10,037枚の買い戻しに動いています。
52週安値圏にあるEUR/USDに対し、機動的な投機資金の売りと構造的な運用資金の買い戻しが交錯する形です。

次にカナダドルを確認します。
カナダドルは原油感応度の高い資源国通貨であると同時に、米国と地続きの隣国として景気・貿易・金融市場の結びつきが強い北米通貨であり、米国と金融政策サイクルの転換時期がずれることがあるため、WTI原油とドル指数を同時に確認します。

今週はWTI原油が週間5.4%上昇したにもかかわらず、USD/CADは1.42145(週間0.06%上昇)と52週レンジ(1.34876~1.42794)の最上位圏(米ドル高・カナダドル安圏)にとどまりました。
IMM投機筋も週間4,602枚の売り積み増しで売り越しを94,765枚(ネット比率-25.1%)へ拡大させています。

参加者別ではTFF投機筋が週間8,487枚の買い解消(売り越し88,112枚)と売りを主導する一方、機関投資家は週間5,002枚の買い積み増し(売り越し30,804枚)に回りました。
原油高という本来の最大の支持材料にカナダドルが反応しづらくなっている現象は、ドル指数の強さに加え、北米景気や金融政策サイクルの先行きに対する投機筋の慎重な見方を反映している可能性と整合します。

最後に、オセアニア通貨としてリスク選好とドル相場の影響を共通して受けやすい豪ドルとNZドルを比較します。
今週はS&P500の週間0.17%下落とドル指数の週間0.36%上昇という共通の逆風のもと、IMM投機筋は豪ドルで週間18,711枚の売り積み増し(売り越し117,299枚、ネット比率-34.6%)、NZドルで週間17,655枚の売り積み増し(売り越し47,001枚、ネット比率-37.6%)と揃って大きく売り方向へ動きました。

しかし価格とTFFの内部構造には違いが見られます。
NZD/USDが0.56086(週間0.22%下落)と52週レンジの安値圏へ沈み、TFF投機筋(売り越し11,619枚、週間10,832枚の売り方向)と機関投資家(売り越し44,139枚、週間11,605枚の売り方向)が双方とも急激な売りに動いたのに対し、AUD/USDは0.69803(週間0.04%上昇)と小幅ながら反発しました。

豪ドルのTFFでは、機関投資家が売り越し115,920枚(週間14,492枚の売り積み増し)と過去52週の低位圏まで売りを膨らませる一方、TFF投機筋は買い越し50,591枚(ネット比率14.9%)を維持しています(週間では3,542枚の売り方向)。
オセアニア通貨のなかでも、足元では全プレイヤーの売りが重なったNZドルの弱さが際立っています。

4. GOLD・WTI|コモディティ市場のポジショニング

GOLD

GOLDは米実質金利とドル指数の影響を受けやすいため、マネージド・マネーのポジションと合わせてこれら2つの主要ドライバーを確認します。
10月13日時点のGOLD価格は4,161.03ドル(週間0.07%下落、2.96ドル安)となり、52週レンジ(3,930.39ドル~5,417.72ドル)ではやや低位に位置しています(10月16日終値は4,164.9ドル)。

今週は米10年実質金利が2.88%へ週間3.0bp低下し、通常であればGOLD価格を支える追い風となりました。
しかしドル指数(DXY)が週間0.36%上昇したことが逆風として働き、実質金利低下の効果を相殺して価格の上値を抑えています。

マネージド・マネーはロングを2,354枚減らしショートを1,544枚増やしたことで、週間3,898枚の買い解消(ネット比率は1.0ポイント低下)に動き、買い越しは107,089枚(ネット比率27.0%)となりました。
過去4週間でも26,027枚の売り方向と持ち高の圧縮が続いており、実質金利の小幅な低下よりもドル高の持続を警戒したポジション調整が進んでいます。

WTI原油

WTI原油は需給要因だけでなく、ドル相場や世界景気・リスク選好の影響も受けるため、ドル指数とS&P500を合わせて確認します。
10月13日時点のWTI原油価格は94.78ドルへと週間5.4%(4.86ドル)急騰し、週末10月16日には99.05ドルまで上昇して52週レンジ(55.16ドル~112.6ドル)の上位圏に達しました。

今週のマクロ環境を見ると、S&P500が週間0.17%下落し、ドル指数が週間0.36%上昇しており、通常の主要ドライバーはいずれも原油価格に対して逆風でした。
それにもかかわらず価格が大きく上昇したことは、マクロのリスク選好やドル要因以外の供給・需給面の材料が価格を強く押し上げた可能性を示唆します。

WTI原油が週間5.4%急騰した局面で、マネージド・マネーは上昇に追随せず13,024枚の売り積み増しへ動いた点が今週のコモディティ市場における最大の特徴です。
内訳を見てもロングが6,380枚減少しショートが6,644枚増加しており、買い越しは40,574枚(ネット比率2.1%)と過去52週でも低位の水準まで縮小しました。

マクロドライバーの逆風下で起きた価格急騰に対し、投機的な運用資金は上値追いに慎重であり、むしろ反発局面をポジション圧縮や新規売りの好機と捉えた動きが見られます。

5. 米国株・VIX・Bitcoin|リスク資産の現在地

米国株は価格水準だけでなく、52週価格レンジ内の位置、VIXと米長期金利、さらにTFF投機筋と機関投資家の温度差を組み合わせて確認します。
10月13日時点でS&P500は7,805.45ポイント(週間0.17%下落)、NASDAQ100は30,569.4809ポイント(週間2.10%下落)となりました。

52週価格レンジで見ると、S&P500(6,343.73ポイント~7,818.93ポイント)は最高値からわずか0.17%下の最上位圏、NASDAQ100(22,953.3776ポイント~31,224.6854ポイント)も高値から2.10%下の上位圏にあります。
米10年金利が5.217%へ週間6.9bp低下したことは株式市場の支えとなった一方、ドル指数の上昇(週間0.36%上昇)が重石となりました。

市場ストレスを映すVIXは、10月13日時点で15.27ポイント(週間1.73%上昇)と52週レンジ(13.47ポイント~31.05ポイント)の低位圏にとどまっており、火曜日の集計時点ではストレスが顕在化していたわけではありません。
もっとも集計日後の週末10月16日にかけては、S&P500が7,659.44ポイント、NASDAQ100が29,187.5487ポイントへ下落幅を広げ、VIXも19.99ポイント(集計日比30.91%上昇)へ跳ね上がっています。

S&P500とNASDAQ100が高値圏から反落する局面で、構造的な買い越しを持つ機関投資家だけでなく、売り越し側のTFF投機筋も揃って買い方向へ動きました。
S&P500では、機関投資家が買い越し918,097枚(ネット比率47.1%)を維持しつつ週間8,795枚の買い戻し(ネット比率0.5ポイント上昇)を進め、売り越し410,518枚(ネット比率-21.1%)のTFF投機筋もロングを6,538枚増やして週間5,391枚の買い積み増し(ネット比率0.3ポイント上昇)に動いています。

NASDAQ100でも、機関投資家が買い越し76,402枚(ネット比率25.9%)で週間1,546枚の買い積み増し(ネット比率0.8ポイント上昇)となったほか、売り越し21,891枚(ネット比率-7.4%)のTFF投機筋がショートを9,208枚減らし、週間4,847枚の買い戻し(ネット比率1.6ポイント上昇)を進めました。
さらにVIX先物では、過去52週の上位圏となる買い越し1,105枚(ネット比率0.25%)を維持していたTFF投機筋が週間4,389枚の売り積み増しへ転じる一方、過去52週の低位圏である売り越し77,295枚(ネット比率-17.2%)の機関投資家は週間3,319枚の買い積み増しに動いています。

最後にBitcoinを確認します。
Bitcoinは暗号資産固有の材料で動く一方、局面によってはNASDAQ100などのリスク資産と連動するため、ドル指数とVIXも合わせて確認します。

10月13日時点のBitcoin価格は83,385.0ドル(週間2.88%下落、2,475.0ドル安)となり、週末10月16日には81,600.0ドルへ続落しました(52週レンジは58,900.0ドル~115,070.0ドル)。
NASDAQ100の下落、ドル指数の上昇、VIXの上昇という3つの主要ドライバーがすべて価格下落を支持する方向で一致しており、今週の軟調さは広いリスク資産調整の一部と位置づけられます。

その一方でポジション面では、TFF投機筋が売り越し5,844枚(ネット比率-28.2%)ながら週間1,008枚の買い戻し(ネット比率3.8ポイント上昇)を進め、売り越し状態のままネット比率は過去52週で最も高い水準に達しました。
機関投資家も買い越し3,642枚(ネット比率17.6%)で週間110枚の買い戻し(ネット比率1.1ポイント上昇)となっており、米国株と同様に価格下落局面でのショートカバーと押し目買いが観測されます。

6. 今週の構造変化と注目点

今週の複数市場と参加者別の動きを横断すると、単なる個別市場の増減を超えた3つの構造的なテーマが浮かび上がります。
各市場の個別ドライバーよりもドル全体の強さが優先される一方、資金調達通貨やリスク資産では投機筋のポジション調整が水面下で進んでいる可能性が浮かび上がります。

第1のテーマは、「個別ドライバーの追い風を打ち消すドル高トレンドと参加者間の温度差」です。
今週はユーロや英ポンドで米独・米英10年金利差が縮小し、カナダドルとWTI原油では原油価格が急騰するなど、本来の個別ドライバーは非米通貨高をサポートしていました。

それにもかかわらずIMM投機筋とTFF投機筋がユーロ、英ポンド、カナダドル、オセアニア通貨を一斉に売り増した一方で、機関投資家はユーロの買い戻しやカナダドルの買い積み増し、ドル指数の小幅な買い解消に動いています。
これは短期の投機資金がドル高モメンタムへの順張りを優先する一方、構造的な運用資金は52週の極端圏に達した通貨で徐々に逆方向の調整を始めている可能性を示唆する組み合わせです。

第2のテーマは、「資金調達通貨における日本円とスイスフランの非対称なフロー」です。
日本円では日米金利差拡大や原油高というドライバーと整合する形で、売り越し側のTFF投機筋に続き、買い越し側のIMM投機筋と機関投資家も週間フローで円売り方向へ揃いました。

対照的にスイスフランでは、ドル高・スイスフラン安が進むなかでもIMM投機筋の買い戻しと機関投資家の買い積み増しが続き、ネット比率は52週の最高圏に達しています。
同じ低金利通貨でありながらスイスフランの売り持ち圧縮と円の売り積み増しが並走している点は、調達通貨としての選好が再び円側へ傾きつつある可能性と整合します。

第3のテーマは、「株価・暗号資産の反落局面におけるTFF投機筋の買い回転と週末にかけての環境変化」です。
S&P500、NASDAQ100、Bitcoin、さらに週間4.11%下落して67,777.52円となった日経225に至るまで、火曜日の集計時点では価格下落に対してTFF投機筋がすべて買い方向(買い積み増しまたは買い戻し)へ動きました。

特に日経225では、機関投資家が過去52週上位圏の買い越し6,452枚(ネット比率27.2%)から週間132枚の買い解消(ネット比率4.1ポイント低下)へ動く裏で、TFF投機筋は週間1,147枚の買い積み増し(売り越し578枚、ネット比率は5.8ポイント上昇)と過去52週でも上位圏の買いフローを見せています。
米10年金利の低下(および米債市場の変動性を示すMOVEが101.1018ポイントへ週間3.9%低下した落ち着き)を背景に、火曜日時点では機動的な投機筋が株式やBitcoinの調整を押し目やショートカバーの機会と捉えていた可能性がうかがえます。

もっとも、集計日後の週末10月16日にかけては日米株価の続落とVIXの急伸(19.99ポイント)が発生しました。
火曜日時点で積み上がった投機筋の買い方向のフローが、週末にかけてのボラティリティ上昇を経て維持されるのか、それとも再び巻き戻されるのかが次週の重要な確認点となります。

数値計算と検証はPythonで行い、検証済みデータをもとにLLMを文章化支援に使用しています。

最終的な分析内容の確認・監修および文責は上野ひでのりが負います。