【米CPI検証】ドル円158.945からの戻り売り炸裂と157.500の防衛ライン

◆通貨強弱と中銀フラッシュ
通貨強弱チャート|主要8通貨ランキングと政策金利見通し 2026/10/15

本日のテーマ

昨夜発表された9月の米消費者物価指数(CPI)と、その後のドル円の値動きは、
昨日のメルマガで提示したトレード戦略をそのままなぞるような、
これ以上ないほど理想的な展開となりました。

まずは発表された実績値を確認しておきましょう。

米国消費者物価指数(CPI)9月
■総合
前月比:0.6%(予想0.6%/前回0.4%)
前年比:3.7%(予想3.6%/前回3.4%)
■コア
前月比:0.3%(予想0.2%/前回0.3%)
前年比:2.6%(予想2.5%/前回2.4%)

総合・コアともに市場予想を上回る結果となり、
発表直後のマーケットは動揺に見舞われました。

しかし、ヘッドラインの上振れにパニック的な飛びつき買いを入れた大衆は、
わずか数時間後に格好の「燃料」として焼き尽くされることになります。

昨日お伝えした
「上振れ急騰時は158円台半ばの壁と159円手前の圧力を背にした戻り売り」
という想定シナリオが機能しました。

当然のこと、当メルマガのシナリオは
そのまま盲目的に、第三者のトレードに応用されることは企図されておらず、
単なる市場のメカニズムに関する蓋然性の高い仮説として
受け取っていただくべきものです。

十分ご注意ください。

上野ひでのり本日の視点

1.利上げ確率50%超の幻影と米金利反落が暴いた「ドル高の限界」

なぜCPIの上振れサプライズが、ドル円の持続的な上昇につながらなかったのか。
その答えは、インフレの中身と債券市場の冷徹な反応にあります。

今回のCPI上振れを促したのは、
中東情勢を受けたガソリンやディーゼル燃料等といったエネルギー高、
さらに燃料高の波及を受けた航空運賃や配送サービス料、
そしてAIインフラ支出に伴うソフトウエア・周辺機器や
帰属家賃でした。

この結果を受け、発表直後には米10年債利回りが一時5.329%まで急騰し、
CMEフェドウオッチが示す10月27〜28日FOMCでの利上げ確率も、
前日の22.7%から一時50%を超える水準まで跳ね上がりました。

ところが、市場のタカ派パニックは長くは続きませんでした。

シカゴ連銀のグールズビー総裁が9月のCPIに「がっかりした」と述べつつも、
追加利上げを決める前にさらなるデータを待ちたいと牽制したうえ、
11月に米中間選挙を控える政治日程の重しも意識され、
早期利上げへの過度な織り込みは急速にしぼんでいきました。

さらに決定的だったのが、
AI関連株への売りが膨らんだことによる米株の崩れです。

S&P500(CFD)が終値7,716.23(前日比-1.16%)と3日続落し、
ナスダック総合指数も-1.88%下落、
恐怖指数のVIXが16.87(前日比+10.48%)へ急伸するなかで、
一時5.329%まで跳ねた米10年債利回りは急速に低下へ転じ、
終わってみれば終値5.194%(前日比-2.3bp)とマイナス圏で引けました。

上野ひでのり総研の中銀フラッシュ(10月14日時点)でも、
10月FOMCの利上げ確率は最終的に33.2%(前日比+10.5ポイント)にとどまり、
据え置き確率が66.8%と依然として3分の2を占めています。

金利の裏付けを失ったドル高が、高値圏で失速するのは当然の帰結でした。

2.158.945円での頭打ちとNYカット後の「戻り売りターゲット」

この金利反転のダイナミズムは、
ドル円のチャートと通貨強弱データに鮮明に刻まれています。

CPI発表直後、全面ドル高の波に乗ったドル円は、
私が指摘していた158円台半ばの三重のレジスタンス
(200日移動平均線、フィボナッチ50%戻し、日足一目均衡表の雲のねじれ)を
一時的なオーバーシュートで上抜きました。

しかし、159円の大台と日米通貨当局の介入警戒ゾーンが迫る
158.945円で完全に頭を押さえ込まれました。

200日移動平均線を維持できずに上値の限界を露呈したドル円は、
NYオプションカットを通過した瞬間から、
プロ筋による「絶好の戻り売りターゲット」と化しました。

159円手前から怒涛の売り浴びせを食らい、
14日のNY終値は158.310円(前日終値158.304円からわずか+0.006円)と、
高値から63銭以上も叩き落とされて引けています。

昨日の8通貨強弱を見れば、その内部構造は一目瞭然です。
米ドル(USD)が前日比+0.22%で前日の8位から1位へ躍り出た一方で、
日本円(JPY)も同じく+0.22%で2位に急浮上しました。

欧州ではラガルドECB総裁がインフレ対応について
「慎重かつ段階的な対応」と述べ、
英中銀のピル・チーフエコノミストも
「市場が織り込むほど大幅な利上げは必要ない」と
市場の行き過ぎた利上げ織り込みに冷や水を浴びせたことで、
ユーロやポンドが最下位圏へ沈みました。

結果としてユーロ円(-0.37%)やポンド円(-0.46%)など
主要クロス円が全面安となり、
強烈な円買い戻し圧力がドル円の上値を引きずり下ろしたのです。

3.157.750の攻防と157.500の最終防衛ライン

【戦術の結論】
NY市場終盤からの戻り売り圧力は本日(15日)の東京時間に入っても衰えず、
ドル円はすでに…

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