2026年8月の日本の実質金利は、短期が−0.600%(8地域中で低い方から1番目)、長期が+1.341%(同3番目)となりました。前月からの変化を見ると、短期、長期ともに低下しています。
過去からの推移をみると、12か月前および24か月前との比較では、短期・長期ともに実質金利は上昇しています。一方で60か月前との比較では、短期が低下、長期が上昇と方向性が分かれる結果となりました。
目次
1|主要8地域の名目金利
2026年8月における主要8地域の名目金利を確認します。政策金利はスイスが0.000%と最も低く、日本は1.000%となっています。10年国債利回りについても、スイスが0.424%と最も低く、日本は2.941%でした。
| 地域 | 政策金利(%) | 前月差(bp) | 10年国債利回り(%) | 前月差(bp) |
|---|---|---|---|---|
| 日本 | 1.000 | +0.0 | 2.941 | +15.0 |
| 米国 | 3.625 | +0.0 | 4.754 | +3.6 |
| ユーロ圏 | 2.250 | +0.0 | 3.323 | +11.4 |
| 英国 | 3.750 | +0.0 | 5.078 | +2.2 |
| 豪州 | 4.350 | +0.0 | 5.108 | +14.3 |
| ニュージーランド | 2.500 | +0.0 | 4.773 | +7.0 |
| カナダ | 2.250 | +0.0 | 3.739 | +7.4 |
| スイス | 0.000 | +0.0 | 0.424 | +0.8 |
2|主要8地域のコアCPI
本研究では、各地域の採用公式系列を無補正で使用します。各国のコアCPIの定義は完全には同一ではありません。日本のコアCPIには、総務省『食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合』の公式公表前年比を使用しています。
2026年8月の日本のコアCPI前年比は1.6%となり、前月からは+0.200ポイントの変化でした。ニュージーランドのコアCPI前年比については、直近月の推計値を用いています。
| 地域 | コアCPI前年比(%) | 前月差(%ポイント) | 値の区分 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 1.6 | +0.200 | 公式公表前年比 |
| 米国 | 2.446 | −0.032 | 公式系列 |
| ユーロ圏 | 2.405 | −0.077 | 公式系列 |
| 英国 | 2.570 | −0.008 | 公式系列 |
| 豪州 | 3.531 | −0.114 | 公式系列 |
| ニュージーランド | 2.284 | −0.114 | 直近月推計値 |
| カナダ | 2.122 | +0.197 | 公式系列 |
| スイス | 0.400 | +0.100 | 公式系列 |
3|本研究の短期・長期実質金利
本研究では、以下の2つの式を用いて実質金利を計算しています。
短期実質金利 = 政策金利 - コアCPI前年比
長期実質金利 = 10年国債利回り - コアCPI前年比
これらの短期・長期実質金利は、現在のコアCPI前年比を差し引く実務上の代理指標です。期待インフレ率を使う厳密な事前的実質金利ではなく、中立金利を直接測るものでもありません。
4|短期実質金利の国際比較
日本の短期実質金利は−0.600%となり、8地域中で低い方から1番目でした。日本を除く他7地域の平均は0.424%であり、日本はこれより−1.024ポイント低い水準にあります。
| 地域 | 短期実質金利(%) | 順位 |
|---|---|---|
| 日本 | −0.600 | 1 |
| 米国 | +1.179 | 7 |
| ユーロ圏 | −0.155 | 3 |
| 英国 | +1.180 | 8 |
| 豪州 | +0.819 | 6 |
| ニュージーランド | +0.216 | 5 |
| カナダ | +0.128 | 4 |
| スイス | −0.400 | 2 |
5|長期実質金利の国際比較
日本の長期実質金利は+1.341%となり、8地域中で低い方から3番目でした。日本を除く他7地域の平均は1.634%であり、日本はこれより−0.293ポイント低い水準にあります。日本の短期は1番目でしたが、長期は3番目という位置づけになっています。
| 地域 | 長期実質金利(%) | 順位 |
|---|---|---|
| 日本 | +1.341 | 3 |
| 米国 | +2.308 | 6 |
| ユーロ圏 | +0.918 | 2 |
| 英国 | +2.508 | 8 |
| 豪州 | +1.577 | 4 |
| ニュージーランド | +2.489 | 7 |
| カナダ | +1.617 | 5 |
| スイス | +0.024 | 1 |
6|日本の実質金利はどう変化したか
期間別の変化を端点間で比較すると、12か月前(2025年8月起点)に対しては、短期が+0.500ポイント、長期が+1.338ポイントといずれも上昇しました。24か月前(2024年8月起点)との比較でも、短期が+0.850ポイント、長期が+2.150ポイントの上昇となっています。
一方、60か月前(2021年8月起点)との比較では、短期が−1.200ポイントと低下したのに対し、長期は+0.617ポイントと上昇し、期間によって異なる方向性が示されています。補足として、1か月前からの変化では短期が−0.200ポイント、長期が−0.050ポイントの低下でした。
日本の算術分解は、名目金利の変化とコアCPI前年比の変化を計算式に沿って分けた内訳であり、経済的な原因を推定したものではありません。
| 期間 | 短期実質金利変化(%ポイント) | 長期実質金利変化(%ポイント) | 政策金利寄与(%ポイント) | 10年金利寄与(%ポイント) | Core寄与(%ポイント) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1か月 | −0.200 | −0.050 | +0.000 | +0.150 | −0.200 |
| 12か月 | +0.500 | +1.338 | +0.500 | +1.338 | +0.000 |
| 24か月 | +0.850 | +2.150 | +0.750 | +2.050 | +0.100 |
| 60か月 | −1.200 | +0.617 | +1.100 | +2.917 | −2.300 |
7|今月のまとめ
2026年8月の日本の短期実質金利は−0.600%、長期実質金利は+1.341%でした。主要8地域において、日本の短期実質金利は最も低く、長期実質金利は低い方から3番目という位置づけです。
期間別の変化をみると、12か月・24か月の期間では短期・長期ともに上昇しています。しかし60か月の期間においては、短期が低下、長期が上昇という結果になっています。
研究上の留意点
各国のコアCPIの定義は完全には同一ではありません。本研究では各地域の採用公式系列を無補正で使用します。
短期・長期実質金利は、現在のコアCPI前年比を差し引く実務上の代理指標です。期待インフレ率を使う厳密な事前的実質金利ではなく、中立金利を直接測るものでもありません。
10年国債利回りと現在のコアCPI前年比は対象期間が一致しません。長期実質金利は、満期までの実質収益率を直接示すものではありません。
期間別変化は指定した起点と終点の差です。その間の毎月の動きや、一方向の推移を示すものではありません。
日本の算術分解は、名目金利の変化とコアCPI前年比の変化を計算式に沿って分けた内訳です。経済的な原因を推定したものではありません。
データ・算出方法
日本のコアCPIには、総務省『食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合』の公式公表前年比を使用します。
政策金利は月末時点の状態を使用し、米国は目標レンジの中間値を採用します。10年国債利回りは採用月次系列の終値を使用し、ユーロ圏はドイツ国債を代表ベンチマークとします。
国際比較は、政策金利・10年国債利回り・採用コアCPIの対象月を主要8地域で揃えて行います。統計の公表時期が異なるため、対象月はカレンダー上の最新確定月より遅れる場合があります。
順位は丸め前の値に基づきます。表示値が同じでも順位が異なる場合があります。水準は%、差と寄与は%ポイント、名目金利の前月差はbpで表示します。
米国の掲載時系列では、2025年10月が欠測です。値を補わず、チャートの線を途切れさせています。
豪州の掲載時系列では、2021年10月~2025年2月のうち、公式四半期値をアンカーとする中間月に補間値を使用しています。
ニュージーランドの掲載時系列では、2021年10月~2026年5月のうち、公式四半期値をアンカーとする中間月に補間値を使用しています。
ニュージーランドの2026年7月~2026年8月のコアCPI前年比は、直近月の推計値です。今号の同月比較にも推計値を使用しています。
12か月比較の起点(2025年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。
12か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。
24か月比較の起点(2024年8月)では、豪州・ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。
24か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。
60か月比較の起点(2021年8月)では、豪州・ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。
60か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。
最終監修・文責:上野ひでのり
数値計算と検証はPythonで行い、検証済みデータをもとにLLMを文章化支援に使用しています。








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