実質金利の国際比較月報 2026/10/01

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2026年8月の日本の実質金利は、短期が−0.600%(8地域中で低い方から1番目)、長期が+1.341%(同3番目)となりました。前月からの変化を見ると、短期、長期ともに低下しています。

過去からの推移をみると、12か月前および24か月前との比較では、短期・長期ともに実質金利は上昇しています。一方で60か月前との比較では、短期が低下、長期が上昇と方向性が分かれる結果となりました。

1|主要8地域の名目金利

2026年8月における主要8地域の名目金利を確認します。政策金利はスイスが0.000%と最も低く、日本は1.000%となっています。10年国債利回りについても、スイスが0.424%と最も低く、日本は2.941%でした。

地域政策金利(%)前月差(bp)10年国債利回り(%)前月差(bp)
日本1.000+0.02.941+15.0
米国3.625+0.04.754+3.6
ユーロ圏2.250+0.03.323+11.4
英国3.750+0.05.078+2.2
豪州4.350+0.05.108+14.3
ニュージーランド2.500+0.04.773+7.0
カナダ2.250+0.03.739+7.4
スイス0.000+0.00.424+0.8

2|主要8地域のコアCPI

本研究では、各地域の採用公式系列を無補正で使用します。各国のコアCPIの定義は完全には同一ではありません。日本のコアCPIには、総務省『食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合』の公式公表前年比を使用しています。

2026年8月の日本のコアCPI前年比は1.6%となり、前月からは+0.200ポイントの変化でした。ニュージーランドのコアCPI前年比については、直近月の推計値を用いています。

地域コアCPI前年比(%)前月差(%ポイント)値の区分
日本1.6+0.200公式公表前年比
米国2.446−0.032公式系列
ユーロ圏2.405−0.077公式系列
英国2.570−0.008公式系列
豪州3.531−0.114公式系列
ニュージーランド2.284−0.114直近月推計値
カナダ2.122+0.197公式系列
スイス0.400+0.100公式系列

3|本研究の短期・長期実質金利


本研究モデルの短期・長期実質金利 2026年8月

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本研究では、以下の2つの式を用いて実質金利を計算しています。

短期実質金利 = 政策金利 - コアCPI前年比

長期実質金利 = 10年国債利回り - コアCPI前年比

これらの短期・長期実質金利は、現在のコアCPI前年比を差し引く実務上の代理指標です。期待インフレ率を使う厳密な事前的実質金利ではなく、中立金利を直接測るものでもありません。

4|短期実質金利の国際比較


短期実質金利比較 2026年8月

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日本の短期実質金利は−0.600%となり、8地域中で低い方から1番目でした。日本を除く他7地域の平均は0.424%であり、日本はこれより−1.024ポイント低い水準にあります。

地域短期実質金利(%)順位
日本−0.6001
米国+1.1797
ユーロ圏−0.1553
英国+1.1808
豪州+0.8196
ニュージーランド+0.2165
カナダ+0.1284
スイス−0.4002

5|長期実質金利の国際比較


長期実質金利比較 2026年8月

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日本の長期実質金利は+1.341%となり、8地域中で低い方から3番目でした。日本を除く他7地域の平均は1.634%であり、日本はこれより−0.293ポイント低い水準にあります。日本の短期は1番目でしたが、長期は3番目という位置づけになっています。

地域長期実質金利(%)順位
日本+1.3413
米国+2.3086
ユーロ圏+0.9182
英国+2.5088
豪州+1.5774
ニュージーランド+2.4897
カナダ+1.6175
スイス+0.0241

6|日本の実質金利はどう変化したか


実質金利の期間別変化 2026年8月

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期間別の変化を端点間で比較すると、12か月前(2025年8月起点)に対しては、短期が+0.500ポイント、長期が+1.338ポイントといずれも上昇しました。24か月前(2024年8月起点)との比較でも、短期が+0.850ポイント、長期が+2.150ポイントの上昇となっています。

一方、60か月前(2021年8月起点)との比較では、短期が−1.200ポイントと低下したのに対し、長期は+0.617ポイントと上昇し、期間によって異なる方向性が示されています。補足として、1か月前からの変化では短期が−0.200ポイント、長期が−0.050ポイントの低下でした。

日本の算術分解は、名目金利の変化とコアCPI前年比の変化を計算式に沿って分けた内訳であり、経済的な原因を推定したものではありません。

期間短期実質金利変化(%ポイント)長期実質金利変化(%ポイント)政策金利寄与(%ポイント)10年金利寄与(%ポイント)Core寄与(%ポイント)
1か月−0.200−0.050+0.000+0.150−0.200
12か月+0.500+1.338+0.500+1.338+0.000
24か月+0.850+2.150+0.750+2.050+0.100
60か月−1.200+0.617+1.100+2.917−2.300

7|今月のまとめ

2026年8月の日本の短期実質金利は−0.600%、長期実質金利は+1.341%でした。主要8地域において、日本の短期実質金利は最も低く、長期実質金利は低い方から3番目という位置づけです。

期間別の変化をみると、12か月・24か月の期間では短期・長期ともに上昇しています。しかし60か月の期間においては、短期が低下、長期が上昇という結果になっています。


研究上の留意点

各国のコアCPIの定義は完全には同一ではありません。本研究では各地域の採用公式系列を無補正で使用します。

短期・長期実質金利は、現在のコアCPI前年比を差し引く実務上の代理指標です。期待インフレ率を使う厳密な事前的実質金利ではなく、中立金利を直接測るものでもありません。

10年国債利回りと現在のコアCPI前年比は対象期間が一致しません。長期実質金利は、満期までの実質収益率を直接示すものではありません。

期間別変化は指定した起点と終点の差です。その間の毎月の動きや、一方向の推移を示すものではありません。

日本の算術分解は、名目金利の変化とコアCPI前年比の変化を計算式に沿って分けた内訳です。経済的な原因を推定したものではありません。

データ・算出方法

日本のコアCPIには、総務省『食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合』の公式公表前年比を使用します。

政策金利は月末時点の状態を使用し、米国は目標レンジの中間値を採用します。10年国債利回りは採用月次系列の終値を使用し、ユーロ圏はドイツ国債を代表ベンチマークとします。

国際比較は、政策金利・10年国債利回り・採用コアCPIの対象月を主要8地域で揃えて行います。統計の公表時期が異なるため、対象月はカレンダー上の最新確定月より遅れる場合があります。

順位は丸め前の値に基づきます。表示値が同じでも順位が異なる場合があります。水準は%、差と寄与は%ポイント、名目金利の前月差はbpで表示します。

米国の掲載時系列では、2025年10月が欠測です。値を補わず、チャートの線を途切れさせています。

豪州の掲載時系列では、2021年10月~2025年2月のうち、公式四半期値をアンカーとする中間月に補間値を使用しています。

ニュージーランドの掲載時系列では、2021年10月~2026年5月のうち、公式四半期値をアンカーとする中間月に補間値を使用しています。

ニュージーランドの2026年7月~2026年8月のコアCPI前年比は、直近月の推計値です。今号の同月比較にも推計値を使用しています。

12か月比較の起点(2025年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。

12か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。

24か月比較の起点(2024年8月)では、豪州・ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。

24か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。

60か月比較の起点(2021年8月)では、豪州・ニュージーランドのコアCPI前年比に補間値を使用しています。

60か月比較の終点(2026年8月)では、ニュージーランドのコアCPI前年比に直近月の推計値を使用しています。


最終監修・文責:上野ひでのり

数値計算と検証はPythonで行い、検証済みデータをもとにLLMを文章化支援に使用しています。

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