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本日のテーマ
昨日のNY市場序盤、米10年債利回りが一時5%台にタッチしたことで、
ドル円は155.00円手前(高値154.995円)まで急伸しました。
しかし、利回りの低下とともに、
即座に154円近辺へと叩き落とされる展開となっています。
この一時的な反発を受け、メディアが報じたアンケートでは、
市場関係者の実に「8割」が円安再燃(160円台への回帰)を予想し、
「ベッセント便乗トレードの終焉」などと煽り立てています。
しかし、投資銀行や証券会社などのセルサイド・アナリストは、
実質的に「外貨建て投信や外債を売るためのセールス部隊」です。
顧客に外貨投資をさせるために都合の良い「円安シナリオ」をばらまくのは
構造的なポジショントークに過ぎません。
本日は、このプロパガンダを
「テクニカル」と「マクロの物理法則」の挟み撃ちで冷徹に論破します。
上野ひでのり本日の視点
■ 1.テクニカルの冷徹な事実:23.6%すら届かないドルの弱さ
感情や希望的観測を排し、相場の客観的な数値を検証してみましょう。
年初来高値: 163.982円
直近安値: 152.883円(下落幅:11円099銭)
フィボナッチ 23.6%戻し: 155.502円
フィボナッチ 38.2%戻し: 157.123円
昨日の戻り高値(154.995円)は、
下落幅に対する最も浅いリトレースメントである
「23.6%戻し(155.502円)」にすら届かずに失速しました。
最初の上値抵抗帯の手前で呆気なく力尽きている現状を直視せず、
「トレンド反転(円安トレンド再開)」を論じるなど、
テクニカル分析の基本を完全に無視した無理筋の議論と言えるでしょう。
2.マクロの物理法則:ソロス・チャートが告げる「10年ぶりの円高シグナル」
セルサイドは短期的な名目政策金利の格差ばかりを強調しますが、
為替の構造的トレンドを決定づけるのは、両国の中央銀行による通貨供給量の比率、
すなわち「ソロス・チャート(日銀マネタリーベース ÷ FRBマネタリーベース)」です。
もちろん、これは理論値であり、足元の相場が必ずしも整合的になる訳ではなく、
さまざまな要因で、ノイズ的な値動きが続くことがあります。
実は、今の相場に「今や私が胴元だ」と強烈な外圧をかけている
ベッセント米財務長官こそが、
かつてジョージ・ソロスの右腕としてこのロジックを体現し、
巨万の富を築いた張本人であることを忘れてはなりません。
【最新データの客観的事実】
日銀の8月資金供給残高(マネタリーベース):
543.0兆円(前年同月比 -15.65%)。
QT(量的引き締め)により、強烈なペースで円の供給量が縮小しています。
FRBの7月マネタリーベース:
5兆5,239億ドル(前年同月比 -3.76%)。
この結果、日米のソロス・チャートは、
6月の101.89から7月は「100.46」へと3か月続落し、
実に「約10年2カ月ぶりの低水準(100割れ目前)」に達しています。
通貨供給量が急激に絞られている「円」が相対的に買われるのは、
金融の絶対的な物理法則です。
ファンダメンタルズの裏付けはすでに歴史的な円高方向を指し示しており、
彼が見ている視点からすれば、現在の154~155円というレートでさえ、
実体経済からかけ離れた極端な円安方向のオーバーシュートと考えられる訳です。
3.大衆心理の歪み:逆張りロング「72.8%」のリスク
この歴史的な構造転換の最中、
個人投資家のドル買い建玉比率は「72.8%」にまで膨張しています。
「胴元」からの警告を無視し、
大衆は155円手前で執拗に逆張りロングを買い増していますが、
これはクジラ(巨大機関投資家)やクオンツファンドにとって
格好の「燃料」でしかありません。
明日16日(水)のFOMC(利上げ織り込み9割による出尽くし、あるいは見送りリスク)、
そして18日(金)の日銀会合を経て彼らの梯子が外れた瞬間、
この7割超の建玉が一斉にロスカットの雪崩を引き起こし…
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