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本日のテーマ
昨日のNY為替市場では、緩やかなドル買いが優勢となり、
ドル円は159.574まで上昇しました。
再び160円の大台を試しそうな緊迫した気配が戻ってきています。
材料となったのは、イラン情勢を巡るホワイトハウスの強硬な発言です。
イラン国営通信が
「1か月以内のホルムズ海峡正常化を含む暫定和平合意の草案」を報じたのに対し、
ホワイトハウスは
「完全なでっち上げだ。イランメディアを信じるべきではない」と一蹴。
これにより和平期待が一退し、ドル高反応へと繋がりました。
原油相場が87.77ドルまで下落しているものの、
米国のインフレとFRBのタカ派姿勢は年内は継続するとの見方が根強く、
ドル円の下値を強力に支え続けています。
膠着しつつもジリジリと上値を伸ばすドル円ですが、
いよいよ明日、今週のメインイベントを迎えます。
明日5月29日(金)19:00、財務省から
「外国為替平衡操作の実施状況」(月次ベース:4月28日~5月27日分)
が発表されます。
本日は、この発表が市場心理にどのような影響を与えるのか、
一次情報の仕組みを踏まえて解説します。
上野ひでのり本日の視点
明日公表するのは「総額」のみ。詳細の手口は8月まで「お預け」
明日の発表の最大の焦点は、4月30日から5月6日にかけて実施されたとされる
「10兆円規模」の大型為替介入の全体規模(月次総額)が確定することです。
振り返れば4月30日、三村財務官による
「これは行動を起こす前の最後の警告だ。最後の退避勧告だ」
という異例の実質的な介入宣言をもって激震が走りました。
この期間の介入総額が、明日のデータで白日の下に晒されます。
しかし、ここでプロとして正確なファクトを押さえておく必要があります。
日本の財務省が公表する介入データには、2つの段階があります。
明日公表されるのはあくまで「月次ベース」であり、
4月28日~5月27日という期間内の「合計金額」しかわかりません。
「何月何日に、いくら撃ち込んだのか」という
「日次ベースの詳細な手口」が公開されるのは、
四半期ごとの公表となる「8月初旬」になります。
つまり、明日の発表では、
財務省のアルゴリズム(防衛行動のパターンや癖)の解像度はそこまで上がりません。
「なんちゃって介入」の答え合わせや、
投機筋による詳細なハッキング(解析)は、8月まで持ち越しとなるのです。
「見えない恐怖」が投機筋の足かせとなる
では、明日の発表に意味がないのかと言えば、全く逆でしょう。
総額だけが確定し、
詳細な手口が隠されたまま(解像度が低いまま)であることが、
投機筋にとっては最大の心理的プレッシャーになります。
仮に明日「約10兆円」という途方もない総額が確定したとします。
投機筋からすれば、
「財務省は確実に巨額のハンマーを振り下ろしたが、
どこでどう撃ってくるかの正確なルールはまだ分からない(8月まで解析できない)」
という状態に置かれます。
暗闇の中で、相手がとてつもない威力の武器を持っていることだけは
分かっている恐怖です。
詳細な対策が立てられない以上、
投機筋は160円という防衛線に向けて、
不用意に大きなポジションを傾けることがさらに難しくなります。
財務省の「弾薬」はむしろ増えているという事実
さらに投機筋を悩ませるのが、日本の通貨当局の圧倒的な「資金余力」です。
一足先の5月12日に発表された
「外貨準備等の状況(4月末現在)」という一次資料を見ると、
日本の外貨準備高は1,382,981百万ドルとなり、
3月末と比べて82億5,000万ドル(1ドル157円換算で約1.3兆円)も
「増加」しています。
大型介入の第一弾(4月30日)を執行した
当日分のデータを含んでいるにもかかわらず…
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