【FOMC議事録はタカ派】イラン和平報道の反落を吸収する「利上げ確率52%」の揚力

本日のテーマ

昨日のNY為替市場は、ややドル安が優勢となり、
ドル円は一時158.587まで下落する場面がありました。

下落の引き金となったのは、
トランプ大統領の「米国とイランの協議が最終段階にある」という発言です。

地政学リスクの緩和(原油高の一服)を材料視した売りが瞬間的に出ましたが、
それ以上に下押すことはなく、きっちりと底入れして反発。
現在は再び159円台の高値圏での推移に戻っています。

本日は主要国のPMI(購買担当者景気指数)発表日ですが、
昨晩公表された「4月開催分のFOMC議事録」と、
それに直面する市場の「冷静さ」について紐解いておきましょう。

上野ひでのり本日の視点

タカ派FOMC議事録と「動かない市場」

公表されたFOMC議事録は、極めてタカ派的な内容でした。

過半数の委員が
「インフレが目標の2%を上回り続けた場合は、
利上げを検討する必要が生じる可能性が高い」と指摘し、
さらに多くの委員が「緩和方向へのバイアスを声明から削除し、
次の動きが利上げとなり得ることを示唆すべきだ」
と主張していたことが明らかになりました。

通常であれば、これほどのタカ派サプライズはドルの急騰を招きます。
しかし、市場の反応は極めて限定的でした。

なぜなら、連日お伝えしている通り、
現在の市場はすでに「インフレ再燃」を織り込んでいるからです。

本日のCME「FedWatch Tool」を見ても、
年内の利上げ確率はやや低下したものの、
いまだに、52.6%という高水準を維持しています。

市場にとって、FOMC議事録のタカ派姿勢は「驚き」ではなく、
単なる「想定通りの答え合わせ」に過ぎなかったということです。

インフレの次に意識される「景気と財政の不安」

仮にトランプ大統領の言う通りイラン情勢が落ち着き、
原油相場が沈静化したとしても、
一度火がついたインフレ圧力はそう簡単には解消されず、
ドルの高止まりは当面維持されるでしょう。

ここで、少し先を読んでおく必要があります。

今後、インフレを抑え込むために各国の中央銀行が利上げ
(あるいは高金利の長期維持)を余儀なくされれば、
今度は「景気後退への不透明感」が台頭してきます。

そしてその先には、高金利が国家の債務負担を圧迫する
「財政懸念」が浮上するシナリオも視野に入ってきます。

イラン和平協議の報道で158円台半ばまで売られても、
すぐに159円手前まで買い戻される。

この「底堅さ」こそが、
金利というファンダメンタルズに支えられた
現在のドル円のリアルな強さです。

「160円(ベッセント・シーリング)」という
介入警戒の天井は意識されつつも、
下値は「年内利上げ確率52%」という強固な…

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