【サヤ取り手法の集大成】ビットコインうねり取りとは?

以前にも、「ビットコインうねり取り」の話題を取り上げましたが、ピンと来なかった方も多いと思います。
しかし、ここまで「両外しサヤ取り」の記事をしっかりキャッチアップできた方にとって、今ならかなり理解が進むと思います

「両外しサヤ取り」において、絶対的な禁止事項は下記の通りです。
例えば「拡大狙い」で仕掛けたのに、想定外にサヤが「縮小」してしまい、空売り銘柄に大きな利益が出ているが、買い銘柄のほうはそれを上回る損失が発生し、合計は損失となっているとします。
ロスカットが必要なレベルに達したときには、必ず「両外し」でポジションを閉じるのがルールなので、利益が出ている空売りポジションのみ決済し、損失が出ている買いポジションをキープして値の戻りを待つというその場しのぎの手当ては絶対に行ってはいけません。

トータルは損失ですが、「空売りのほうに多額の利益が出ているので、それを取りにいきたい」という欲求は人間心理として自然です。しかし、「両外しサヤ取り」というトレードルールの下で相場に対峙している訳ですから、完璧なルール違反であり、規律を乱し自分を欺く行為です。

とは言いつつも、例えルール違反だったとしても、残したほうの買いポジションに大きな材料が出て爆騰が確実になったとすれば、上記の「片外し」には合理性があると言えるでしょう。
ここに「ビットコインうねり取り」を理解するヒントがあります。

「ビットコインうねり取り」売買両建ての原点はリスクヘッジ

BTCUSDの史上最高値は2021年11月10日の69,275ドルですが、2024年第1四半期までには確実に到達するでしょう。
この時点で、「70,000ドル超え⇒100,000ドルへまっしぐら」を期待するのは無理があります。史上最高値ラインには下記の通り大量の売り注文が待ち構えています。

  1. 利益確定売り
  2. 3年前に史上最高値近辺で買ってしまった人の「収支トントンお疲れさん」売り
  3. 新規空売り
あなたが、仮に25,000ドルで仕込んだホルダーだった場合、「1」と「3」のどちらを選ぶか?あるいは何もしないでホールドするか?
個人投資家の場合、「1」と「何もしないでホールド」の割合が半々くらい、「3」は、ほぼ皆無であろうと思います。

「1」で利益確定しまうのはいかにももったいないです。史上最高値更新は単なる通過点に過ぎませんので。
「何もしないでホールド」というのは、ひとつの見識ではありますが、ビットコイン相場の特性として2/3レベル、半値レベルまでの暴落は日常茶飯事なので、常に「ああ、史上最高値到達時点で利益確定しておけば…」という後悔の念と戦うことになりがちです。

私なら「3」を選択します。空売り資金(証拠金)は利益が乗っているビットコインの現物ですから、追加資金は不要です。
なぜ空売りするかと言えば、史上最高値に再到達した時点から暴落する可能性が99%超だからです。暴落の底は65,000ドル・60,000ドル・50,000ドルになるか、それは現状では分かりません。

「暴落すると分かっている」という大前提で、賢いトレーダーは何をするでしょうか?
史上最高値再到達時点で現物と同額の空売りを仕掛けて売買両建てにします。これで史上最高値での利益確定の権利を手にしたまま、その後の相場の成行を落ち着いて見守ることができます。

非常に低い確率ですが、70,000ドルを超えて上昇が加速してしまったなら、両外しで旧史上最高値時点の利益を確定しても良し、相場の判断を誤ったとして空売り分のロスカットで損失を受け入れても良しのどちらかになるでしょう。
私なら、史上最高値を更新したとしても、しばらく様子を見て、再び旧史上最高値水準まで戻した(下落した)ところで空売りを外すと思います。

売買両建ては「せっかく史上最高値に再到達までホールドできたのであれば、最低でもその価値を保持したい」という発想のリスクヘッジ手段だと考えます。

ビットコインの200,000ドル到達を確実視するクジラは多い


クジラとは、1,000BTC(約270万ドル)以上保有する大口投資家のことです。2,000を超えるクジラが存在すると言われますが、2022年11月の15,000ドル台の安値、2023年9月の25,000ドル割れの安値で買い増しを続けています。

クジラのシナリオが今後の大相場を作り、遅れて一般投資家がちょうちんをつける流れでビットコインは200,000ドルを目指す訳ですが、2024年に暴騰確実な2大イベントがあります。

  1. ビットコイン現物ETFがニューヨーク(NASDAQあるいはNYSE Arca)に上場・・・2024年第1四半期を想定
  2. 半減期の到来 ・・・2024年4月下旬予定
前者はSEC(米国証券取引委員会)のゲンスラー委員長がビットコイン以外のクリプト叩きの真っ最中なので後回しにされていますが、議会でも上場承認を急ぐようプレッシャーを受けているので時間の問題です。

後者の「半減期」とは、ビットコインのマイニング報酬が1/2に減らされるイベントですが、希少性が高まるため価格形成にとっては非常にポジティブです。約4年毎に訪れます。

「暴騰確実な2大イベント」は時間の問題で必ずやってきます。そして、その爆発的な価格押し上げパワーは過去の類似イベントが証明しています。現状の相場は嵐の前の静けさ以外の何物でもありません。

結局のところ売買両建てのポジションはどうすれば良いのか?

「ビットコイン相場が200,000ドル到達が確実である」という仮説のもとに相場と対峙するならば、史上最高値再到達で売買両建てにしたポジションは、その後の暴落の押し目を確認してから「空売り」だけを外して利益確定するのが正解です。加えて、その利益は新規の現物買いの資金として全額突っ込みます。

結果として、ビットコインの枚数が増えた状態で、押し目からの急反発⇒史上最高値更新を待つということになります。
この手法を繰り返すのが「ビットコインうねり取り」の基本的な考え方です。

冒頭で指摘した「両外しサヤ取り」の「片外し」はルール違反ですが、「ビットコインうねり取り」については「両外し」になったら将来性が高いポジションを無くすので失敗、暴落の底で空売りを「片外し」するのが正解なのです。

「ビットコインうねり取り」は、ビットコインという同銘柄のリスクヘッジのための売買両建てから発展的に進化したトレード手法です。ビットコイン現物を担保にした空売りは1:1の同数ヘッジが基本ですが、1:2や1:3のオーバーヘッジでもOKです。証拠金取引はレバレッジが効くので、空売り利益を最大化するために多少のオーバーヘッジは許容されます。

「ビットコインうねり取り」図解解説


ビットコインうねり取り専科【上野ひでのりクリプトマイスター】

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