【ユーロドル見通し】ECBは年内利上げ体制を整えるも、ウクライナ問題がどの程度影響するか?

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【ユーロドル見通し】ECBは年内利上げ体制を整えるも、ウクライナ問題がどの程度影響するか?
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ECBラガルド総裁のコメント

2/3(木)ECB理事会後の記者会見

ラガルド総裁の記者会見ポイント
1.1月のユーロ圏インフレ率が前月に続いて過去最高を更新(+5.1%)したことについて、政策委員会の「全体が懸念している」
2.「昨年12月のわれわれの予想に比べ、インフレ見通しに対するリスクは特に短期的に上振れ方向に傾いている」
3.「3月の会合とその後の6月の会合が、ECBのフォワードガイダンスの3条件が完全に満たされたかどうかを判断するにおいて極めて重要になる」
4.年内利上げの可能性低いとの従来見解述べず、政策姿勢のシフト示唆

政策委員会の協議は非公表であるとして匿名を要請した関係者によると、この日の会合では年内の利上げを排除しないことが賢明だとの判断で一致した。
市場は6月の10bp利上げ、年末までに最大40bpの利上げを想定している。

参考 ラガルド総裁の記者会見ポイントドイツ長期金利が衝撃のプラ転。「マダムインフレ」ラガルドECB総裁もタカ派に豹変!

2/7(月)のコメント

  1. 政策を調整する場合は常に漸進的に行う
  2. 今後入ってくるデータへの注視を続け、中期的なインフレ見通しに対する影響を慎重に分析する
  3. 資産の純購入終了と利上げ開始の順序は明確にされている。利上げが純購入終了より前に来ることはない
参考 ラガルド総裁、政策調整は「漸進的に」行うと明言-利上げ議論が過熱 - BloombergBloomberg.com

ECB、債券買い入れ終了の可能性=レーン専務理事

2/23(水)レーン専務理事兼主任エコノミスト発言

[ベルリン 23日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事兼主任エコノミストは、ユーロ圏のインフレ率がECB目標の2%に近づいているもようとし、ECBは債券買い入れを終了する態勢にあるかもしれないと述べた。

ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙で「データは明らかにわれわれの中期的な目標に近づいていることを示唆している」と指摘。「インフレが中期的な目標に近づいているのであれば、われわれは金融政策を調整する。なぜならそうなれば例えば資産買い入れを行う必要がなくなるからだ」とした。

また、そのようなシナリオ下では金融政策の引き締めではなく正常化で「十分」との認識を示した。

参考 ECB、債券買い入れ終了の可能性=レーン専務理事 | ロイターJP

ECBは年内利上げ体制を整えつつある

債券買い入れ終了=利上げの条件が整う

レーン専務理事は、債券買い入れをいつ終了するか時期については全く触れていないが、インフレ率を見ながら早めにというニュアンスが感じ取れる。

3/2(水)19:00にユーロ圏消費者物価指数(HICP)発表

前年同月比で、前回+5.1%、今回+5.3%という予想になっており、インフレがさらに加速する見込みである。

3/10(木)のECB理事会がヤマ場

HICPが予想を下回らなければ利上げに動く

現状行っている債券買い入れプログラムの終了時期を決定することが第一段階であり、次の会合で決定できるかどうかに注目である。
今後の金融政策の指針となるフォワードガイダンスの変更にも着手する可能性が高い。

利上げの対象は現在-0.50%の「中銀貸出金利」になると思われ、年内にゼロに近い水準まで引き上げることになるだろう。

ウクライナ問題がECBの金融政策に与える影響

さらなるインフレと景気後退

対ロシア経済制裁の対抗手段としての天然ガスなどのエネルギー供給停止や価格高騰により、足元のインフレがさらに加速する可能性がある。
また、それをきっかけとして景気後退局面に入れば、利上げを行うことが困難になる。

難民問題

ユーロ圏加盟19か国のうち、スロバキアのみがウクライナと国境を接しているが、ユーロ圏非加盟のポーランドやルーマニアの難民受け入れ規模のほうがずっと大きいと思われ、近々に大きな影響を与える可能性は低いと思われる。

ユーロドルの今後の相場見通し

ドイツ10年債利回り(長期金利)は依然高水準で早期利上げを織り込む

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ウクライナ侵攻の当日は、ドイツ株が売られドイツ国債に資金がシフトしたことから、急激に利回りが低下(下ヒゲの大陰線)となっているが、0.15%台と依然高水準で、今後反発が継続する可能性が高い。

ユーロドルのテクニカル分析

日足(フィボナッチ分析)

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1/28の年初来安値1.11213を2/24(木)に更新し、1.11064の安値をつけたが、オーバーシュート気味の急落であり、長い下ヒゲを残すのみで、年初来安値でほぼサポートされ、セリング・クライマックスになった可能性が高い。

1時間足(ダウ理論)

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2/24(木)のウクライナ侵攻の当日以前は、1.12500~1.13750の125pipsゾーンの保ち合いが続いた。
当日には、もう一段下の節目1.11250まで突っ込んだが、以前の保ち合いゾーンに戻す可能性が高い。

3/2(水)19時のHICP発表までは1.15の壁が大きく立ちはだかる。

しかも、当日24時から、FRBパウエル議長の下院議会証言が入っているため、タカ派スタンスが確認されれば、HICPが強い結果でも反落の可能性がある。
FRBパウエル臨時議長の下院議会証言が3/2(水)24時開始に決定。FOMC前の最後の要人発言で最警戒

1.15の壁を上抜くのは、3/10(木)のECB理事会のタカ派的な政策転換を待たないと困難であろう。