米国10年債利回りと連動しやすいドル円相場です。
【ドル円トレーダーに物申す】米国10年債利回りチャートを見ずにトレードするな!
現在4.1%台まで下落しており、ドル円もフィボナッチ・リトレースメントで推定した短期的な押し安値レベル(146.25)に達しました。
【ドル円の下落目途をフィボナッチで推定】短期146.25、中期142.50がターゲット
米国10年債利回りの急落は、2022年末の展開と酷似していますが、ドル円がこのまま年初来安値(127.22)に向けて急落する可能性は低い状況です。
その理由は、円高が進行していないからです。
目次
円インデックス(JXY)の反発が非常に弱い
ローソク足が円インデックス(JXY)、黒い太線がドルインデックス(DXY)、赤い太線がドル円の日足となります。
画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートが別画面で開きます。
このチャートでは、2022年11月以降の相場が表示されています。昨年同時期のJXYの値動きと比較すれば、円高の値動きが非常に弱いことが分かります。
DXYは基本的に米国10年債利回りと連動して動きますが、米国10年債利回りが4.1%台から下げ渋っている間に反発に転じています。
2024年から米国が利下げを開始します。米国10年債利回りは低下しDXYも連れ安しますが、JXYが急反発に転じなければ、ドル円急落の可能性は低くなります。
円相場=JXYは日銀の政策次第
植田日銀は、2024年3月あるいは4月に、政策金利-0.1%をゼロ金利へと利上げする見込みです。
また、世界でひとつも成功例がない長期金利のイールドカーブコントロール(YCC)すなわち、長期金利の上昇を国債買いオペで食い止める政策も撤廃する見込みです。
日本10年債の利回りが1%を明確に上抜いてくれば、円高に転換する可能性は高まりますが、現状では0.76%程度に留まり、円買いにつながりにくい状況です。
12月19日(火)の日銀金融政策決定会合は円安イベントか?
2022年末にドル円が急反発を継続したのは、黒田日銀が12月20日にYCCの修正を行い、10年債利回りの上限0.25%を0.50%まで拡大したからです。
黒田総裁はそれ以前に「YCCの上限拡大は利上げに等しい」とコメントしていたので、「日銀利上げ」というヘッドラインで衝撃を与えました。
しかし、「利上げではない」と前言を翻す結果になり、異次元緩和の継続を強調したのでした。
現在は0.50%を超える利回りですが、1年前より大幅な円安水準にあるのは皮肉です。
日銀会合後に円高が継続進行したのはこのときだけで、その後は例外なく円安イベント化しています。2024年の利上げに向けて着実に足元を固める状況ではありますが、それだけでは円高が本格進行する可能性は低く、円安に転じるきっかけになる可能性が高いと思います。
【まとめ】ドル円は押し目買い戦略継続
足元の米日金利格差が縮小した訳ではなく、行き過ぎたドル高円安の値動きの調整局面に過ぎません。
2024年3月以降にトレンド転換のチャンスがやってくる可能性は想定しますが、現状は何も変わっていないことを確認しましょう。
基本戦略は関連記事の通りです。
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