【ドル円の下落目途をフィボナッチで推定】短期146.25、中期142.50がターゲット

フィボナッチ(Fibonacci)数列は、あなたもご存じのことと思います。

フィボナッチ数列では、3項目以降のそれぞれの数は手前の2つの項の数の和になっています。
そのため数列は、0,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233…と続きます。
また、2つの連続する項の比を取ると、次第に黄金比(約1:1.618または約0.618:1)に近づいていきます。

自然界はシンプルな法則で成り立っており、相場も例外ではありません。チャート分析において、フィボナッチはポピュラーであり、押し目や戻りを推定する「フィボナッチ・リトレースメント」が多用されています。もちろん、市場参加者が皆注目しているので、結果的に当たる確率が高いからです。

フィボナッチ・リトレースメントの詳細については、下記の記事を参考にしてください。
フィボナッチ・リトレースメント【ディナポリ式MT4】プライス入りの水平線が引ける

今回は、ドル円相場の押し目をディナポリ式(上記記事参照)で推定しました。押し目買いの目途としてお役立てください。

MT4チャートで簡単にフィボナッチ分析ができる


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画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートが別画面で開きます。

2023年6月22日以降の値動きですが、一部押し目が見切れていますので、ご注意ください。

フィボナッチ・リトレースメントの設定条件

ドル円相場は急落したものの、誰がどう見ても上昇トレンド継続と判断すべき状況です。
したがって、フィボナッチ・リトレースメントは、「重要な安値」⇒「重要な高値」に向かって引いて、押し安値レベル(38.2%)を表示するために使用します

2023年のドル円相場は、下記のような推移でした。

  1. 「重要な安値(年初来安値)」・・・01月16日 127.214
  2. 「重要な押し安値」・・・07月14日 137.232
  3. 「重要な高値(年初来高値)」・・・11月13日 151.898
フィボナッチ・リトレースメントの設定は、下記の2か所になります。
  • (1)⇒(3) 38.2%と61.8%レベルがチャートに自動表示される
  • (2)⇒(3) 38.2%と61.8%レベルがチャートに自動表示される
年初来安値起点と重要な押し安値起点の2本のフィボナッチ・リトレースメントを引きます。終点は年初来高値で共通です。

フィボナッチ・リトレースメントの38.2%ラインの意味

年初来安値から年初来高値に引いた(1)⇒(3)の38.2%ラインが、最も重要な押し目レベルになります。
しかし、2023年は値幅24.684円(2468.4pips)もの大相場だったので、押し目レベルのレートが離れすぎています。したがって中期的な目標(目途)と考えます。

そこで、(2)⇒(3)を短期的な目標(目途)と捉えることにします。一段階浅めの押し安値レベルとご理解ください。ここから急反発して再び年初来高値を追いかける展開になるかどうかは別にして、いったん反発しやすいレベルであることは間違いありません。
したがって、数日程度の短期トレードでは有効に機能します。

短期的な押し安値の目標

上記のチャートでご確認ください。現在値にいちばん近い黄色の水平線です。「38.2 / 146.296」と表示されています。
146.25の節目に非常に近いレベルにあるので、押し安値として機能する可能性が補強され、短期的に急反発しやすい水準です。

計算上の細かい端数にあまり意味はありませんので、146.25を短期的な押し安値の目標と考えましょう。
11月20日に147.139の安値をつけましたが、この目標より手前で折り返して急反発しました。

今後もう一度、一目均衡表の雲に突っ込んで、雲を下抜ければ、146.25アラウンドでいったん急反発の可能性が高いということです。

中期的な押し安値の目標

(1)⇒(3)の38.2%ラインが「38.2 / 142.469」と表示されています。
142.50の節目に非常に近いレベルにあり、(2)⇒(3)の61.8%ラインが「61.8 / 142.834」と表示されており、プライスの節目と2本のフィボナッチラインが接近しています。
したがって、この36.5pips(142.834~142.469)のゾーンが、最強力な押し安値の目標となります。

端数にはあまり意味はありませんので、142.50を中期的な押し安値の目標と考えましょう。

急落するタイミングでは、押し安値の目標ラインまでのショートも有効

上記の短期的・中期的押し安値レベルまで待って「押し目買い」というのが基本の利用法です。
しかし、短期的な下落トレンドが継続しているときには、最初のターゲット146.25に達するまでは下げ止まらないと考えても間違いではありません。146.25まで比較的値幅が離れているならばショートエントリーして、146.25一歩手前(146.75~50)のゾーンで利益確定すれば良いでしょう。

中期的な押し安値142.50に対しても、同じ考え方を応用してください。

【まとめ】スパンが長めのフィボナッチはロングにもショートにも生かせる

「年初来安値⇒重要な押し安値⇒年初来高値」という11か月にわたる長いスパンのフィボナッチ・リトレースメントの場合、非常に値幅が広いので、中長期的上昇トレンドの押し目を待つ間に、短期的な下落トレンドが入ることがほとんどです。

中長期の方向性はしっかりと理解した上で、短期的な下落トレンドをフィボナッチラインを目安に追いかけるという利用法も優位性が高いです。
146.25の押し目でロングにするということは、長期的にドル円ロングを追いかける(スワップポイントが大幅プラスなので理に適っている)というポジショントレードに適したスタンスになります。