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本日のテーマ
今週、159.774円まで買い進まれ160円の節目に再び迫っていたドル円ですが、
昨日のNY市場で突如として急反落し、一時158.039円まで急落しました。
この結果、攻防の焦点であった中長期トレンドの分水嶺
「200日移動平均線(158.33付近)」を再び下抜けする形となりました。
この急落を主導したのは、米長期金利の急低下
(10年債:4.74%→4.63%、30年債:5.33%→5.18%)と、
それに伴うドル指数(DXY)の98.735までの下落です。
昨日のメルマガで、
「米金利5%超えを米当局は絶対に許容しない」と指摘した直後、
まさにその仮説を裏付ける
「ベッセント・プット(米財務省の強烈な債券買い支え)」が炸裂しました。
本日は、この奇襲作戦の全貌と、
ドル円の次なるターゲットについて解説します。
上野ひでのり本日の視点
1.炸裂した「ベッセント・プット」と異例の奇襲
米金利急低下の引き金となったのは、
米財務省が早朝に突如発表した
「残存期間10~30年の超長期国債を対象とする
バイバック(買い入れ消却)の規模倍増」です。
流動性支援を名目に、
1回あたりの買い戻し上限を20億ドルから
「少なくとも40億ドル」へと引き上げました。
重要なのは、財務省はわずか2週間前(8月5日)に
四半期のバイバック予定を公表したばかりだということです。
これを短期間で覆して増額に踏み切るのは極めて異例の事態です。
足元の債券売り(金利上昇)が、トランプ政権にとって看過できない
「危険水域」に達したと判断したベッセント財務長官が、
金利上昇を力ずくでねじ伏せる実力行使に打って出たと言えます。
2.元ヘッジファンドの戦術:薄商いのCTAを焼き尽くす
この発表のタイミングには、
元ヘッジファンドマネージャーであるベッセント氏の
「戦術的巧みさ」と冷徹さが表れています。
現在は夏季休暇で欧米市場の流動性が極端に薄くなっている時期です。
短期筋のCTA(商品投資顧問)などは、
短期金利の低下と長期金利の上昇を見込む「スティープナー取引」として、
米長期債の売り持ちポジションを大きく積み上げていました。
そこへ不意打ちで財務省の「超長期債の買い戻し」をぶつけたことで、
これらの投機筋は一撃で踏み上げを食らい、
強制的な買い戻し(債券買い=金利低下)
のパニックを誘発させられたのです。
為替介入に続き、自国の国債市場でも、
市場を完全にコントロールする姿勢を見せつけました。
3.FOMC議事録とウォーシュ議長「年6回案」の行方
同日に公表された7月のFOMC議事録では、
多くの参加者が「インフレ高止まりなら追加引き締め」を警戒しつつも、
数名は「関税の物価への転嫁はほぼ完了した」と言及するなど、
市場が警戒したほど極端なタカ派ではなく、
「想定の範囲内」にとどまりました。
これがドル売りをさらに後押ししています。
また、ウォーシュFRB議長が現在年8回開催しているFOMCを
「年6回」へ縮小する案を提示していたことも判明しましたが、
目先の金融政策への即効性はなく、
現在の市場の関心は完全にベッセント財務長官の
強権的な市場操作に集中しています。
4.実践的戦術:160円の鉄の天井から「155円台」への回帰
今回の財務省の奇襲により、
市場にはひとつの【構造的ファクト】が確定しました。
それは、ベッセント長官の手札
(FIMAレポ活用などの為替介入+国債バイバック)により、
「ドル円の160円」および「米金利5%」に
鉄の天井が打ち込まれたという事実です。
ファンダメンタルズとしてのインフレ懸念や財政赤字は残っていますが、
短期筋のドル買い・債券売りのポジションは、
「次は何をしてくるか分からない」という
米当局への恐怖に…
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