PPI高止まり。CPIの上昇圧力消えず。ブラード総裁以外の初回0.5%利上げ派が増加するか?

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PPI高止まり。CPIの上昇圧力消えず。ブラード総裁以外の初回0.5%利上げ派が増加するか?
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直近の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)

10(木)発表CPIは40年ぶり高水準

総合、コア(変動の大きいエネルギー、食品を除く)とも、予想を上回った。

  • CPI(前年同月比)   結果7.5%(予想7.3% 前回7.0%)
  • コアCPI(前年同月比) 結果6.0%(予想5.9% 前回5.5%)

15日(火)発表のPPIも予想を上回る

今回は、前回よりも低下することが期待されていたが、総合、コアとも前回とピタリと同じ数字になった。

  • PPI(前年同月比)   結果9.7%(予想9.1% 前回9.7%)
  • コアPPI(前年同月比) 結果8.3%(予想7.9% 前回8.3%)

この異常なインフレは早く抑え込まなければならない

CPIが下がるためには、上流のPPIが下落に転じなければならないが、PPIは前月と同じ水準で高止まりしており、次回のCPIも高止まりが想定される。
FRBによる早急な対策が望まれる。

14日(月)セントルイス連銀ブラード総裁発言

日本時間22:30から、CNBCの生放送に出演しインタビューに応じた。

FRBの信頼性が問われる

FRBがインフレターゲット2%を遵守し、2%に戻すという安心感を与える必要がある。
そのためには、現在の利上げ計画は前倒しされるべきである。

7月1日までに100bp(1.00%)の利上げが望ましい

11日(木)のCPI発表直後には、3月0.50%、5月0.25%、6月0.25%の利上げを主張したが、初回の利上げを0.50%にするか0.25%にするかは、パウエル議長に委ねるとした。

量的引き締め(QT)は自然減に加え売却も視野に

米国債やMBS(住宅ローン担保証券)の満期償還で再投資を行わないという自然減の方法に加えて、市場での売却も視野に入れるべきであると述べた。

次回のFOMCの結果発表は3月16日

3月5日(土)からブラックアウト期間入り

FOMCが開催される週の2週間前の土曜日から、FOMCの関係者が金融政策に関する発言を公にすることが禁じられるブラックアウト期間に入る。

市場とのコミュニケーションは残り2週間半

残り2週間半しかないが、期限が近づくにつれ、FOMCのメンバーの意見が出揃ってくる。

後手に回った金融政策とオーバーキル懸念

「インフレは一時的」として放置した結果が、足元の高インフレを招いていることは間違いなく、FRBの金融政策が後手を踏んでしまった事実は明白である。
しかし、それを一気に挽回しようとタカ派過ぎる政策を実行すると、「オーバーキル(Overkill)」つまり政策が効き過ぎて、景気後退を招いてしまう可能性があり、さじ加減が難しい。

現状ではブラード総裁が最もタカ派

同じくタカ派であるデーリー・サンフランシスコ連銀総裁は、初回の0.50%の大幅利上げを望ましいとは考えていないと発言。
ハト派のバーキン・リッチモンド連銀総裁も0.5%の利上げには慎重な姿勢を示した。

タカ派の急先鋒であるジョージ・カンザスシティ連銀総裁の発言が待たれる。
FRB執行部で唯一のタカ派であるウォラー理事の発言は、18日(金)24:45から予定されている。

FRB執行部7名中3名の欠員が続く

パウエルFRB議長(再任)、ブレイナード副議長(理事から昇格新任)、ラスキン副議長(新任)、クック理事(新任)、ジェファーソン理事(新任)の5名の上院での指名承認公聴会は終了し、上院銀行委員会の採決待ちである。
しかし、共和党がラスキン副議長の就任に反対しており、5名一体の承認ができない状況が続いている。

現状では、パウエル氏さえ臨時議長という立場であり、それは特に問題はないにしても、1月に引き続き3票欠ける(メンバー3名欠員が続く)可能性がある、
12名中3名欠員、9名投票という中で、5名がタカ派という構成は、決定内容に影響を与えるかもしれない。
【2024年度版】FRBボードメンバー・FOMC利下げ予測と声明文・経済見通し・議事録まとめ

今回のFOMCの結果は世界経済の行方に特に大きな影響あり

四半期に一度の「経済見通し」も発表

今後の利上げペースを示す「ドットチャート」も掲載されるので、FRBの政策がよりはっきりと見えてくるはずだ。

オーバーキルを恐れずタカ派に徹することができるか?

FOMCの金融政策の議論の前に、あと1回、米国雇用統計、CPIの発表があるが、通常の発表とは異なり、相場に与える影響は格段に大きくなるだろう。

市場では57.9%が0.50%の利上げを織り込み済

CME FedWatch Tool 参照
2022年2月16日時点では、0.50%の利上げ予想が57.9%である。

事前期待ほどタカ派ではなかったFOMC議事録の結果を受けて、2月17日時点では、0.50%の利上げ織り込みが40.5%まで急低下している。

織り込みが進むほど米国金利高・ドル高・株安が加速か?

私たちが、為替トレードを行う場合に最も重要なのは、この点であり、今後も日々注視していきたい。
3月4日(金)に米国雇用統計が発表の当日までのFRB要人発言が、相場を動かす最も大きなドライバーになることは間違いない。

もちろんウクライナ情勢の変化にも注意したい。
ロシアのウクライナ侵攻がないと決めつけてリスク資産やユーロを買うのはギャンブルだ!