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本日のテーマ
昨日のNY為替市場は、それまでのドル安・円高の巻き戻しが優勢となり、
ドル円は終盤に買いが加速して再び162円台を回復しました。
背景にあるのは、一難去ってまた一難とも言える
「中東地政学リスクの再燃」と「米金利の上昇」です。
WTI原油先物は一時72.65ドルまで急上昇し、
米10年債利回りも4.553%へ上昇。
本日公表される6月会合のFOMC議事録がタカ派な内容になるとの思惑も加わり、
FedWatch Toolの年内利上げ確率は84.2%へと再び跳ね上がりました。
しかし、この目先のドル買いフローの裏側で、
為替市場には2024年7月の大反転劇の直前と全く同じ「強烈な円高マグマ」が
着々と蓄積されつつあります。
本日は、足元の突発的な材料を整理しつつ、
マクロ構造が示唆する劇的な転換の可能性について解剖します。
上野ひでのり本日の視点
1.原油反発がもたらすインフレ懸念のノイズ
昨夜、ドル高・原油高を急加速させた直接の引き金は、
米財務省による「イラン石油に関する制裁緩和取り決めの撤回」
という突発的な報道でした。
ホルムズ海峡でイランの革命防衛隊がタンカーを攻撃したことを受けた
対抗措置であり、
財務省外国資産管理室(OFAC)は7月7日以降、
新たなイラン産原油関連取引を認めないと発表。
イラン産原油の適用除外が撤回されたことで、
原油供給の逼迫が連想され、WTI原油は72ドル台へと跳ね上がりました。
中東情勢の再悪化は、安全資産としてのドル需要を刺激するだけでなく、
エネルギー価格上昇に伴うインフレ懸念を再び市場に植え付ける
ノイズとなっています。
しかし、マクロの実態を冷徹に見れば、
この利上げ期待の再燃には強い違和感を覚えざるを得ません。
直近では、FRBの金融政策を牽引する実務派の中核であり、
バランス感覚に優れたウィリアムズNY連銀総裁が
「今後数か月でインフレは低下へ向かう」と楽観姿勢を強める発言をしました。
6月17日のFOMC時点からインフレ・雇用データは明らかに減速方向へ
変化しているにもかかわらず、
市場がいまだに「年内利上げ確率84.3%」などという数字を維持しているのは、
過剰反応(ねじれ)と思われます。
2.2024年7月と酷似する「11.5万枚」の円高マグマ
こうしたドルの過熱感の裏で、日経新聞なども指摘し始めたのが、
2024年夏の「20円幅の円高大反転」の再現シナリオです。
現在の市場環境は、歴史的な超円安から
9月に向けて139円台まで一気に円高が進行した2024年7月直前の地合いと、
驚くほど酷似しています。
当時、円安を牽引していたヘッジファンドなどの短期勢(レバレッジドファンド)
の円売り越し幅は、ピーク時で11.0万枚(約1.3兆円)でした。
それが米インフレ指標の冷え込みと不意打ち介入をきっかけに逆回転し、
猛烈な買い戻しを誘発したのです。
そして、現在のデータを見渡すと、6月30日時点でのレバレッジドファンドの
円売り越し幅は11.5万枚と、2024年7月の状況に酷似しています。
一度トレンドが円買い方向に振れ始めた場合の
「巻き戻しの爆発力(深度)」が巨大化していることを意味します。
さらに、史上最高値圏にある日本株が調整局面を迎えれば、
海外勢がこれまで積み上げてきた「為替ヘッジの円売り」が一斉に逆回転し、
強烈な円買い戻し圧力へと変貌するリスクも潜んでいます。
3.結論:来週の米CPIが「本物の引き金」になるか
足元では政治サイドの動きも風雲急を告げています。
党内から円安への懸念が噴出する中、
城内経済財政相が「骨太方針での低金利維持の報道は誤解だ」
と火消しに回るなど…
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