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本日のテーマ
昨日のNY為替市場は、ジリジリとしたドル買いが優勢となり、
ドル円は一時159.574まで上昇、
再び160円の大台を試そうかという気配が漂いました。
しかし、相場を動かすのは、またしてもイラン情勢を巡るヘッドラインです。
米ニュースサイトのアクシオスによると、
米政府当局者は
「米国とイランの交渉が暫定合意に達し、トランプ大統領の承認を待っている」
と明らかにしました。
このヘッドラインにより、その後はドル全面安に傾いています。
本日は、この歴史的な暫定合意のリアルな中身と、
それがもたらす相場への影響について、
昨日の重要指標を踏まえて多角的に分析します。
上野ひでのり本日の視点
ホルムズ開放なら「原油70ドル台」は時間の問題か
アクシオスによると、暫定合意の覚書は
「停戦を60日間延長し、その間に核問題を協議する」という内容です。
最大のポイントは、30日以内にイラン側がすべての機雷を除去し、
石油輸送の大動脈である「ホルムズ海峡を開放する」
という文言が盛り込まれている点にあります。
この和平合意が間近に迫っていることを好感し、
NY市場の主要株価3指数は揃って史上最高値圏での高値保ち合いを継続中です。
原油相場も下落基調にあり、WTI原油先物は一時87ドル台まで値を下げました。
今後、トランプ大統領の承認を経て正式合意に達し、
ホルムズ海峡の安全航行に目途が立てば、
地政学リスクで積み上がっていたプレミアムが剥落するのは確実です。
原油価格が通常の「70ドル台」まで下落していくのは、
時間の問題と言えるでしょう。
ドル指数(DXY)も、一時98.945まで下落する場面が見られました。
「原油安=全面ドル安」にならない不都合な真実
それでは、このまま中東情勢が沈静化し、原油が値下がりすれば、
為替市場は一気に「ドル安トレンド」へ反転するのでしょうか。
結論から言えば、私はその見通しに否定的です。
原油安がそのまま全面ドル安へと直結するほど、
現在のマクロ環境は甘くありません。
なぜなら、
昨日発表されたFRBの最重要インフレ指標「PCEデフレーター」において、
市場が恐れていた通りの高水準なインフレが改めて確認されたからです。
今回の中東紛争をきっかけに火がついた米国の物価上昇は、
すでに原油やガソリンといった「表層のエネルギー価格」の段階を通り越し、
人件費やサービス価格といった「根深い地盤」へと遷移しています。
仮に原油価格が70ドル台に急落したとしても、
一度跳ね上がってしまったサービスインフレ(コアPCEの高止まり)は、
そう簡単に沈静化しません。
市場には、FRBによる「年内の利上げ転換観測」が
依然として根強く残っています。
この強固な金利の引力がある限り、
ドルが一方的に売られるようなシナリオは考えにくいのです。
トランプ大統領は、共和党内からの異論もあり、
今回の合意案について「数日間、考えてみたい」
と判断を保留(預かり)にしています。
トランプ氏にとっても、ガソリン高の解消は悲願ですが、
核問題を先送りしただけの合意には
慎重にならざるを得ないという背景があります。
さらに、水面下の交渉が進む一方で、
米中央軍がイランによるミサイル発射を発表するなど、
現場での「攻撃の応酬」は現在進行形で、
文字通りのタイトロープが続いています。
ドル円は、下値が「インフレとFRBのタカ派姿勢」
でガッチリ支えられている一方で…
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