日銀トレードはドル円の押し目ロングが基本【12月19日の金融政策決定会合に向けて】

12月第1週の金曜日なので、米国雇用統計が発表になるかと勘違いしてしまいますが、本日ではなく8日(金)22:30となります。
年に1回ほど、このようなイレギュラーがありますが、下記のような集計・発表ルールとなっています。

毎月12日を基準日として、基準日が含まれる週の統計データを3週間後の金曜日に発表する。
11月12日は日曜日、週始まりの日だったので、3週間後は12月第2週となる訳です。

さて、12月の注目イベントを改めて整理しておきましょう。
加えて、最も重要な12月19日の日銀金融政策決定会合に向けたドル円のトレード戦略について提案します。

2023年12月の重要イベント

  • 08日(金)22:30    米国雇用統計
  • 12日(火)22:30    米国消費者物価指数
  • 13日(水)28:00    FOMC(声明文)
  • 19日(火)12:00前後  日銀金融政策決定会合(声明文)
この中で最も重要なのは、日銀になります。

なぜ日銀金融政策決定会合が最重要なのか?

植田日銀は財務省と連携して、コストプッシュ型のインフレ対策として円安を防止したいと考えているからです。黒田日銀が全く無頓着だったのとは様変わりです。

当日の声明文と植田総裁の発言が重要なのはもちろんのこと、直前の為替相場の動向により、タカ派なリーク記事なども増えてきます。その度ごとに円高バイアスがかかりドル円が急落します。
今回のFOMCが無風通過が想定されているため、より一層ドル円相場に与える影響は大きいのです。

ドル円は上昇トレンド継続なので押し目買いチャンスを探るのが基本


以前にも公開した【上野式プロFXオリジナルMT4チャートセット】のUSD/JPYの日足です。
画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートが別画面で開きます。XMトレーディングのMT4チャートです。

このチャートの読みかたの解説は下記の記事をご参照ください。
【ドル円の下落目途をフィボナッチで推定】短期146.25、中期142.50がターゲット

まだ到達はしていませんが、短期的なドル円の押し目買いのターゲットは146.25になります。
11月29日(水)の146.659が直近の最安値ですが、ターゲットまでは届かず反発しました。しかし、一目均衡表の雲の下限のレジスタンスを受け、足元では弱い相場が継続する可能性が高いです。

米日金利格差が大きいため、スワップポイントについて、ロングは有利、ショートは圧倒的不利です。なるべくターゲットに近い押し目でロングにして数日以内の戻りの値幅を取るのが最も手堅いトレード手法です。

日銀会合近くのタカ派記事で下落したら押し目買い

植田日銀が4月に発足してから6回目の日銀金融政策決定会合ですが、直近の2回(4回目、5回目)は特に、財務省の口先介入と連動して、日銀はタカ派なリーク記事を書かせてきました。

今回は、神田シーリング(神田財務官が為替介入を決断するとされるドル円レート)の152円から4円近く離れているので、日銀の援護射撃の必要性は低いです。
しかし、就任以来毎度、植田総裁会見終了後に、円売り祭りとなりドル円が急騰するパターンが続いており、予防的な対策を打つ可能性はあります。

ドル円が146.25のターゲットに向けて急落し、その原因が日銀からのタカ派なリーク情報であった場合には、例外なく押し目を買えば良いと思います。
2023年中に、中期ターゲットとした142.50に到達する可能性は極めて低く、145円台は割らない前提でのロングを意識しましょう。

【まとめ】最も避けるべきはドル円の突っ込み売り

中長期スパンのスイングトレーダー・ポジショントレーダーにとって、ドル円のショートはほぼあり得ない選択です。
ドル円の上昇トレンドが継続中であり、ショートで中長期保有の大きなコスト(金利)を負担してまで値幅が取れる環境ではないからです。

したがって、146円台の危険ゾーンに突っ込んでくると、強烈な急反発を繰り返しています。147円を割り込んで建てるドル円のショートはすぐにドテンでひっくり返るので、最も危険なポジションです。
相場の大きな流れを見失わないように気を付けてください。