【バブル後最高値を再更新の可能性高い】米長期金利低下でドル建て日経225の割安感高まる

2023年10月3日に下記のような記事を書きました。
【急落注意】ドル建て日経平均株価のピークはとっくに過ぎている

この当時は米国長期金利(10年債利回り)が急騰中かつ世界的にリスクオフで株価急落リスクが高い局面でした。150円を超える強烈な円安で日経平均株価を支えるしかないという状況だったのです。

今回は、1か月半を経過し、バブル後最高値圏で揉みあう日経平均株価が、明確に34,000円を上抜いて上昇する可能性について述べます。

円高のデメリットよりもリスクオン株高のメリットの影響を強く受ける

現在はFRBの利上げ終了観測が高まり、米国長期金利が急落中で、さらに下げが継続する可能性が高い局面です。全面ドル安でドル円相場も急落中ですから、日本株には逆風ですが、米国株が再び史上最高値を目指すリスクオンです。

日経平均株価は11月20日(月)にバブル後最高値を更新し、33,853円の高値をつけました。1990年3月12日以来、約33年ぶりの水準です。
結局この日は陰線引けとなり、高値のレジスタンス売りが集中していることが明らかです。オプションの攻防もあり、こういう高値は上抜けしにくいのです。

それでも、再度バブル後最高値を更新する可能性が高いと考えるのは、米欧株よりも日本株が割安だからです。割安というのは、円ベースではなくドルベースの相場です。

これがドル建て日経225のテクニカル的な現状


ローソク足がドル建て日経225、黒い太線が米国10年債利回りの月足です。
画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートが別画面で開きます。

円ベースでは33年ぶりの高値であっても、ドルベースでは本格的な反転には至らず、2021年2月の289.7ドルの高値に遠く及ばない、225ドル台の値動きです。高値から22.3%も安い水準にあります。
日本株の外国人保有比率は約30%であり、割安な日本株を買う動機は十分にあります。ただ、11月23日(木)から感謝祭休暇に入り、12月のクリスマス休暇中に大きな資金が動くかどうか、タイミング的に微妙です。

ともあれ、テクニカル的には上昇余地が十分なので、外国人の日本株買いが活発になるのが2024年明けからだとしても、2023年中に34,000円を明確に上抜ける可能性は十分あると思います。

日本株のファンダメンタルズ

足元の米欧日株の上昇相場について、予想EPS(1株利益)と予想PER(株価収益率)の伸びに着目してみましょう。その結果、日本は米欧を上回ります。
「輸出が安定していること」「内部留保が多くバランスシートが堅固であること」「予想される収益が上昇していること」で、米欧の投資家の熱視線を浴びています。

しかし、為替が邪魔をする、つまり2023年の大きな円安トレンドが継続してしまった場合、購入した日本株の価値が目減りします。
為替が今のまま安定推移するか、円高が進行するのであれば、テクニカル的にもファンダメンタル的にも割安な日本株を急いで購入しようという意欲は、否が応でも高まるということでしょう。

【まとめ】外国人の新年度の投資再開のタイミングで大きく跳ねる可能性も

感謝祭休暇からクリスマス休暇で、米欧の投資家のやる気がなくても、全く稼働していない訳ではないので、12月中にもある程度、外国人買いが期待できると思います。

2023年中に米国長期金利が大きく反発したり、ドル円・ユーロ円レートが急反発(円安再開)という流れにならない限り、2024年初の日経平均株価にはかなり期待できると思います。

日本企業にとっては歓迎できない円高であっても、新年度の投資を考える外国人にとっては、割安な日本株と円買いのポジションで二度美味しい投資になる可能性があります。