RCIとRSIですが、字面が似ているだけで、全く別物であることをご存知でしたか?
同じオシレーター系に分類されるため、買われ過ぎ、売られ過ぎを示す指標だと考えられています。
RCIは完全にトレンド系であり、決して勘違いしないよう正しい使用方法とセットアップ手順を徹底解説します。
目次
RCIとRSIの違いとは?
似ているのはアルファベットの字面だけで、全く別物
- RCI(Rank Correlation Index) 順位相関係数
- RSI(Relative Strength Index) 相対力指数
同じ、オシレーター系のインデックス(係数、指数)に分類されることしか共通点はありません。
RCIは、統計学の「スピアマンの順位相関係数」を相場に応用したものです。
よくありがちな本質からズレた論点
- どちらもオシレーター系指標なので、買われ過ぎ、売られ過ぎを判断するための指標である
- 天底のレンジが、RSIは0%~100%、RCIは-100~+100という違いがある
- RCIは天底に張り付きやすく、RSIは20%~80%の内側に存在する期間が長い
- RCIの曲線はなめらかで、RSIは直線的でギザギザしている
- 海外より日本で、RCIの評価が高い
5つの論点が間違っている訳ではなく、分類や現象面では確かにその通りです。
しかし、2指標のテクニカル的な意味合いやその利用法は、天と地ほども異なり、重要なポイントを外しています。
RCIは、足元のトレンドの強さを示すインジケーターである
上昇トレンドを例にとります。
- 短時間に急騰する場合、時間とプライスの相関が高まり、RCIの値は急上昇する
- 時間がかかる割にプライスが上昇しなくなった局面では、直近のプライスの順位が落ちて、RCIの値は下がる
- キリ番など強力なプライスの節目、直近の高値ではいったんレジスタンスを受けて小反落するが、逆相関になるので、RSIはマイナス方向に大きく振れる
RSIは、一定の期間内に上昇した値幅と下落した値幅の合計を分母に、上昇した値幅を分子にして、その割合を示した定量的な強弱指標です。
したがって、ローソク足1本の推移で大きな変化は起こりません。
RCIでは、上昇のモメンタムが落ちると、一定期間のプライス群内の順位が落ちるので、相関係数が急低下します。
上昇値幅の割合を計算しているのではなく、プライスの順位をパラメータとした相関係数を計算をしているので、新高値の更新が止まった時点で下落に転じます。
全く別物であるという意味は、何となくご理解いただけたでしょうか?
為替相場用のインジケーターとしてのRCIの正しい理解
- RCIが上昇しているのは、時間経過とプライス上昇の順位相関が高まっているからである
- だからと言って、買われ過ぎであるかはどうかは判断できない
- 上昇トレンドが加速していることを示している
- 短期と長期のRCIを同時表示した場合、長期ラインが天井に張り付いた状態で短期ラインが下降すれば、上昇トレンドの一時的な押し目になる可能性が高い
RCI 3本手法の売買シグナルとは?
「短期9」「中期26」「長期52」のパラメーターで3本のラインを表示する
RCI3本手法では、上記のパラメータは共通で、変形バージョンはないようです。
短期の反応は非常に速く、仮に上昇トレンドが継続中であっても、-100から+100のあいだを頻繁に往来します。
-100が負の完全相関(逆相関)、+100が正の完全相関です。
基本的な利用方法 売買シグナルの認識
ユーロドルの5分足です。
じり安で下げっぱなしのチャートですが、エントリーチャンスは下記の通りです。
- 赤丸の3か所がショートエントリーのシグナルである。
長期ライン(ライムグリーン)が強い下落トレンドを示し、短期ライン(オレンジ)が正方向に大きく反発している。
すなわち下落方向へのトレンドフォローの絶好の戻り売りタイミングである。 - 白丸の1か所のみが逆張りに適したシグナルである。
長期ラインが-100近辺に張り付いた状態が長く続き、中期が若干反発傾向にあり、短期が-100をヒットした。
短期ラインの反発は速いので、相場も連れて反発の可能性が高い。
1.がトレンドフォローの戻り売りのシグナルとしてメインの使い方であり、2.は数少ない逆張りシグナルです。
トレンドフォローのシグナルのみ、正確に理解していただければ結構です。
エントリーのタイミングは、短期ラインが反転して戻る(トレンド方向に動き出す)タイミングを待つのが定石とされています。
ディナポリチャートの3本のDMAと相性抜群
サブウインドウには3本のRCI、メインチャートにはディナポリチャートの3本のDMA(ずらした単純移動平均線)を表示しています。
ラインの色も、短中長期で同色に合わせてありますが、赤の「↓」がエントリーのタイミングになります。
ローソク足が長期のDMAライン(ライムグリーン)を一時的なあや戻しで上抜いて、再度下抜いてくるタイミングですが、短期のRCIが反転して戻る(トレンド方向に動き出す)タイミングと完全に同期していることが分かります。
3本のDMAに関しては、下記のページをご参照ください。
3本のDMA(ずらした単純移動平均線)【ディナポリ式MT4】スラスト(強いトレンド)を認識できる無料インジケーター「RCI_three」のセットアップ方法
マルチタイムフレーム(MTF)チャートで効果を発揮する
日足以下の周期をマルチタイム表示して使用するのがおすすめです。
マルチタイムフレーム(MTF)分析の検証。意味ない訳がない【MT4講座】
基本機能
「RCI_three」の基本機能は下記の通りです。
- RCIは「短期9」「中期26」「長期52」のパラメーターで3本のラインを表示する
- 3本のラインの「色」「幅」「スタイル」を変更することができる
- 「レベル表示」のデフォルトは「-80」「80」だが、変更が可能
単なる目安であり、なくても構わない
インジケーターの入手方法
下記のボタンをクリックすると、「RCI_three」のダウンロードを開始します。
zip形式で圧縮してありますので、解凍した中身の「RCI_three.ex4」をご利用ください。
たった3分で設定完了する5ステップ
MT4のプルダウンメニューからデータフォルダを開きます。
「ファイル」>「データフォルダを開く」
2階層下のIndicatorsフォルダ内に「RCI_three」をコピー&ペーストします。
「データフォルダ」>「MQL4」>「Indicators」>「RCI_three」
この作業が終わったら必ずMT4を再起動してください。
再起動せず、そのままSTEP.3に遷移しても、「RCI_three」は見つかりません。
「挿入」>「インディケータ」>「カスタム」>「RCI_three」
念のため、パラメーターが、「短期9」「中期26」「長期52」になっていることを確認します。
「OK」をクリックしないで、隣の「色の設定」タブに移動します。
自分好みの色と幅に変更できますが、上野式チャートは、ディナポリ式のDMA(ずらした単純移動平均線)の色と合わせるために、下記のように変更しました。
- 「#1」 Orange
- 「#2」 Blue
- 「#3」 LimeGreen
最後に「OK」で、設定変更を確定します。
ユーロドルの5分足の場合、このような表示になります。
パラメータの確認や修正が必要な場合
設定画面を閉じてしまった場合、下記の方法で開き、パラメータの確認や修正を行います。
参考 パラメータの修正が必要な場合【MT4無料インジケーター】キリ番のグリッド線を設定、間隔を固定できるグリッドビルダー 「Grid Builder」の例になりますが、「RCI_three」に読み替えてください。
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参考 【無料】全65ページのFXトレードマニュアル上野ひでのりプロFX無料のMT4インジケーター【2023年おすすめ10選】
無料のMT4インジケーター【2023年おすすめ10選】1~3分で簡単インストール可能!上野式のアレンジですが、長期RCIがMACDと同じ強いトレンドを示し、短期RCIがストキャスティクスと同じ弱いトレンドを示すという特徴があり、強いトレンドの最中の押し目(戻り)探しにとても役に立っています。
上野ひでのり