WTI原油91ドルまで高騰。史上最高値147ドル到達の可能性

日本のレギュラーガソリンの給油所小売価格は、2023年9月4日(月)時点で2週連続の史上最高値更新で186.5円を記録しました。11日(月)には18週ぶりに値下がりし184.8円となっています。
値下がりした理由は、185円以下に抑えるという政府の方針で、7日(木)以降段階的に補助金が拡充されているからです。

日本政府のガソリン補助金延長

小売価格が185円を超える部分について、12月まで全額を補助します。 また168円~185円までの部分は、9月はその30%を補助し、10月~12月はその60%を補助することで、10月には175円以下に抑え込みたい意向です。
ガソリン税と諸税を合わせて1リットルあたり約60円徴収しているので、まだ余力はありそうですが、ガソリン価格の暴騰はピークアウトには程遠く、むしろ今後加速する可能性が高いのです。12月までの補助では不十分で、莫大な追加予算が必要になるはずです。
あと3か月で暖房シーズン入りしますが、灯油もガソリンと同率で上昇します。北海道など寒冷地の家計は大打撃を受けるでしょう。

WTI原油先物価格が史上最高値147ドルを目指し爆騰の見込み


WTI原油先物の月足チャートです。
WTIは米国産原油の価格ですが、世界の原油相場のベンチマークになっています。昨日、2023年9月15日(金)に91.16ドルの高値を記録しました。円安も加速しドル円の高値は147.952です。日本が輸入する原油の価格が暴騰しているのです。

120.87ドルの高値を記録したのは2022年6月で、米国の消費者物価指数(CPI)が前年同月比9.1%上昇しピークに達したタイミングです。ドル円の高値は137.005でした。
当時の日本のガソリン価格は160円だったので、原油相場と為替レートの掛け算から考えると、現在の価格185円が高すぎるように思いますが、輸入・精製・国内配送にかかる費用が1年前より高騰しているからですね。物価高の影響です。

さて、このチャートを一見して、「押し目(64.21ドル)からの急反発だが、100ドルのレジタンスで保ち合いを形成し、その後緩やかに下落」などというシナリオを描いてはいけません。100ドル水準でいったん揉み合う可能性は高いでしょうが、上抜いてからは一気に昨年高値120.87ドルに迫り、遠くない未来に147.27ドルに達する可能性があります。

【上野ひでのりCFDトレーディングアカデミー】では、WTI原油ロング推奨で、これからの大相場を追いかけていきますトレーダーとしては大チャンス到来です。

しかし、私たちの生活は円安原油高による物価高で、相当痛めつけられる可能性が高く覚悟しておくべきと思います。政府の補助金は焼け石に水になる可能性が高いです。

なぜ、原油相場は史上最高値を目指すのか?

直近のOPEC月報によれば、サウジアラビアの自主減産延長による供給不足を予想しています。「2023年10~12月期に日量300万バレル超の供給不足に直面する見通しであり、過去10年余りで最大の供給不足になる可能性がある」とのことです。
実際にそうなった場合には2007年以来の供給不足であり、当時のWTI原油先物は147.27ドルの史上最高値を記録しました。

サウジアラビアはロシアと協調して減産を行っており、7~9月期に供給が急減したため、足元の原油高を招いています。それを延長し、相場を吊り上げようという意図が透けて見えます。

ウクライナ戦争がきっかけで世界の枠組みが変化している

いつの時代もエネルギー資源を手中に入れた国が強い訳ですが、世界の原油生産国のランキングをご存知でしょうか?
2位サウジアラビア、3位ロシア、4位カナダ、5位中国です(以下、イラク、UAE、ブラジル、イラン、クウェートと続きます)。
そして、ダントツの1位は米国であり、サウジアラビアの約1.7倍の日量を生産可能です。経済規模が大きすぎてそれでも足りないので一部輸入に頼りますが、いざとなればシェールガスの生産量を増やすことでも対応可能です。

2位のサウジアラビアと3位ロシアを合わせて、米国の生産量の1.2倍の規模になりますが、この2国が協調して世界の原油価格を吊り上げようとしているのです。
先進国で最も割を食う国はどこでしょうか?その通り、日本です。

このブログでは、私たちの生活者視点で起こりつつある危機的な状況をお知らせしつつ、リスクヘッジのために危機の原因(円安、原油高など)自体をトレード対象として利益を上げていこうという立場で、日々情報をお届けします。

冷徹なトレーダーとしてのスキルアップのためには、【上野ひでのりCFDトレーディングアカデミー】をぜひご利用ください。

次回は、今回の原油高が一筋縄では解決しない粘着性の強い困った事象であるという点を掘り下げてお知らせします。9月18日(月・祝)の配信です。お楽しみに。

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