2023年12月19日(火)日銀金融政策決定会合は現状維持で、ハト派イベントとなったため、毎度の円売り祭りになりました。
145.00レベルでは戻り売り圧力が強いとお伝えした通り、高値は144.95に留まりました。
この原稿を書いている時点では143.30台となり、1円65銭の急落です。
直近の米日長期金利格差の縮小で理論的とされるドル円の水準は140.00です。したがって、2024年に向けて、さらなる下落が想定されます。
目次
米国10年債利回りの低下が継続
米国10年債利回り(長期金利)は3.885%まで下落し、3.9%アラウンドの保ち合い・レンジの下限を明確に下抜ければ、年初来安値の3.253%を目指してじり安が継続すると想定しています。
年初来高値は10月23日の5.021%ですから、2か月弱で1.136%もの急落です。
日本の10年債利回りも低下していますが、もともと低水準なので、米日金利格差は、ほぼ米国債利回りが下げた分だけ縮小しています。
1%の縮小で、ドル円相場に10円の下押し圧力がかかると言われますので、現状での理論値は140.00程度となります。
さらなる米国長期金利の下落が継続すれば、2024年に向けて130円台後半に突入する可能性が高くなったと思います。
ドル円ショートは短期トレードがおすすめ
米国FRBの利下げについて、2024年3月20日から開始になる確率が76.7%です(FEDウォッチツール)。
それまでは、ドル円ショートでは年利5%以上のスワップポイントの払い出しが発生します。無視できないレベルのコストなので、よほど大きな値幅が取れるのでなければ、1週間レベルで持ち続けるのも辛いポジションです。
日銀会合後の植田総裁発言中に、瞬間的に1円20銭程度ですが謎の急落となり、すぐにレートを戻してきました。上昇方向よりも下落バイアスのほうが極端にかかりやすいので、重要なサポートを割り込んでからの急落で短期に大きな値幅を取ることが容易になりそうです。
デイトレベースの短期トレードに徹することをお勧めします。
【まとめ】まずは140.00、2024年にかけて130円台突入を想定
重要なサポートを割り込んでからの追従売りの中で急落も発生すると想定しています。
しかし、突っ込み売りもリスキーなので、12月19日の日銀・円売り祭り後の戻り売りパターンを繰り返すのが良さそうです。
2024年1月23日、3月19日の日銀金融政策決定会合に絡めて、円売り祭りからの戻り売りで2~3円程度の値幅を抜けるチャンスが発生する可能性があります。戻り売りのリスクは低く、他の要因でドル円が上昇した場合にも、重要なレジスタンスレベルで戻り売りを繰り返すトレードを推奨します。