2/3(木)の英中銀のMPC(金融政策委員会)で0.25%の利上げ確実。ポンド相場はどう動く?

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2/3(木)の英中銀のMPC(金融政策委員会)で0.25%の利上げ確実。ポンド相場はどう動く?
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MPC(金融政策委員会)とは?

Bank of England(BOE)は英国の中央銀行

英中銀、イングランド銀行、BOEと様々な呼称があるが、英国(United Kingdom)の中央銀行である。

MPCとは?

Monetary Policy Committee(金融政策委員会)の略で、米国のFOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)に相当する。
英国(UK)の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)に設置されており、政策金利や量的緩和(債券購入プログラム)などの金融政策を決定する機関である。

MPCは総裁、副総裁を含む5名のBOEの委員と4名の外部委員の計9名によって構成され、年8回会合が行われ、議題は多数決で決定する。
1票の重みは均等であり、総裁の意向が必ずしも反映される訳ではなく、総裁票が少数で否決されることも珍しくない。

MPCの結果発表は、木曜日正午(日本時間21時、サマータイムは20時)にプレスリリースが公表される。
声明文(金融政策の概要)で政策金利や債券購入プログラム(量的緩和)などの決定内容(投票数含む)を簡潔に伝える。
「MPC議事録」も同時に公表される。

2月、5月、8月、11月開催のMPCでは、「Monetary Policy Report(金融政策報告)」が発表され、総裁による記者会見が行われる。
この4回を「スーパーサーズデー」と呼び、主要な金融政策の変更はこの回に行われることが多い。

9名のMPC委員

参考 Monetary Policy Committee | Bank of EnglandBank of England
MPC委員
アンドリュー・ベイリー BOE総裁
ベン・ブロードベント BOE副総裁(金融政策担当)
ジョン・カンリフ BOE副総裁(財政安定担当)
デイブ・ラムズデン BOE副総裁(市場と銀行担当)
ヒュー・ピル BOE理事(チーフエコノミスト)
外部メンバー4名

2022年のMPC開催予定

MEMO
2/3 3/17 5/5 6/16 8/4 9/15 11/3 12/15 計8回
太字はスーパーサーズデーで、「金融政策報告」公表、ベイリー総裁の記者会見が行われる。

前回は8対1の多数で0.15%の利上げ決定

スーパーサーズデーの2021年11月4日には衝撃の利上げ見送り

ベイリー総裁が10月から利上げの必要性を公に強く訴えていたにも関わらず、本人も政策金利の据え置きに賛成票を投じ、7対2の多数で可決された。
直前には利上げ見送り観測も一部出ていたが、市場とのコミュニケーションを破壊する行為とみなされ、MPCの信用は地に落ちた。

ポンドドルは、その当日1.36980⇒1.34708まで227pipsの急落となり、12月8日に1.31596の年初来安値をつけるまで、計538pipsの続落となった。

2021年12月16日に0.15%のサプライズ利上げ

参考 Bank Rate increased to 0.25% - December 2021 | Bank of EnglandBank of England 利上げは、次回のスーパーサーズデーである2022年2月3日に先送りになったと市場は解釈していたが、予想外のサプライズ利上げ(0.10%⇒0.25%)を実施。
再び、MPCの一貫性のなさ、市場とのコミュニケーション能力の欠如が問題視された。

ポンドドルは、その当日1.32409⇒1.33744まで134pipsの上昇となったが、翌営業日、翌々営業日は往ってこいで反落、再び年初来安値圏に沈んだ。

2022年2月3日(木)21:00にMPC結果発表

声明文、議事録、金融政策報告を発表し、0.25%の利上げ決定をアナウンスすると思われる。
全会一致での決定が望ましく、票が割れると、今後の利上げペースの鈍化を想起させ、ポンド相場がネガティブに反応する可能性がある。
21:30から、ベイリー総裁の記者会見が開始される。

市場は0.25%の利上げを100%織り込む

2021年11月の利上げ見送りサプライズ、12月のサプライズ利上げと、市場とのコミュニケーションが破綻しているため、万が一、利上げ見送りとなった場合にはさらなるサプライズでポンドドルは暴落の可能性が高い。

市場では、2月・3月・5月の連続3回×0.25%の利上げで1.00%到達を予想

まだ市場で100%織り込まれている訳ではないため、このレベルの引き締めを示唆してくれば、想定よりタカ派であり、ポンドドルは初動から上昇の可能性が高い
2022年内に5回の利上げを見込む向きもあるが、今回と5月の「金融政策報告」のインフレの見通し次第になるだろう。

結局、ポンド相場は反応薄か?

既に利上げフェイズに入っているため、12月に続く連続利上げとなっても、それ自体がポンド相場を押し上げることはない。
声明文、議事録、金融政策報告、あるいはベイリー総裁の会見で語られる今後の金融政策が想定を上回るタカ派な場合にのみサプライズが発生し、ポンドドル上昇となるだろう。

MPCでは「政策金利が0.5%に達した時点で買い入れ資産の償還に伴う再投資を停止する」としており、今回の利上げで0.5%に達するので、3月に償還期限を迎える約280億ポンドの資産に即影響を与えることもあり得る。
しかし、0.5%に達したら自動で即再投資停止までは意味しておらず、今回ここに踏み込んで、バランスシートの縮小に意欲を見せると、サプライズでポンドドル急騰の可能性がある

単発で0.25%の利上げを決定しただけであれば、市場はほぼ反応しないか、「噂で買って事実で売る」のポンドドル急落の可能性もあり得る。