【急落注意】ドル建て日経平均株価のピークはとっくに過ぎている

本日は、あなたが普段見慣れない株価チャートをご覧いただきます。
日本株の外国人保有比率は約30%であり、米国株の動向を反映して今後の相場を大きく左右します。
外国人は、米ドル建ての日経平均(日経225)チャートを見ながらトレードをしています。投資資金の元手が米ドルなので当然のことです。しかし、私たちはそのチャートをほとんど目にしたことがないので、外国人投資家の気持ちが理解できません。

本日は、彼らの気持ちになって、日経225チャートをご覧ください。新たな発見があると思います。

ドル建て日経225月足チャート


画像かテキストリンクをクリックすると、より詳細なチャートを別画面でご覧いただけます。

アベノミクスが始まった2012年頃から、現在までのドル建て日経225月足チャート(ローソク足)です。日経225先物(CFD)とドル円のチャートを合成して表示できます。ちなみに、黒い太線は日本円建ての日経225のラインチャートです。
2023年10月3日(火)17:39時点でドル建ては207.2ドル、円建ては31,036.3円(ドル円149.78)ということになります。

ドル建て日経225の高値は2021年2月の289.7ドル

外国人から見たバブル崩壊後最高値はこの時点になります。2年半前にドル建ての最高値をつけてしまったということです。
日本円ベースの史上最高値は、2023年7月3日の33,753.33円(現物終値)となりますが、大幅なタイムラグがある訳です。

ドル建ては高値289.7ドル(2021年2月)⇒175.5ドル(2022年10月)と40%も暴落
その押し目から大きく反発し、2023年6月に239.3ドルまで戻しましたが、高値から17%安い水準に留まりました。

この時点で円建ては連日のバブル後最高値更新で浮かれまくっていましたが、ドル建てであまりにも安い押し目を外国人が買い上げてきたからです。しかし、結果的には絶好の戻り売りポイントとなってしまい、2023年8月以降は3か月連続で長い陰線を刻んでいます。

円建てがバブル後高値を再更新するには150円超の円安に期待するしかない

ドル建ての高値更新は、チャートを一目ご覧いただければ望み薄であり、現状では175.5ドル(2022年10月)の安値ラインのサポートまでの下落が懸念される状況であることが分かると思います。初歩的なテクニカル分析の視点です。

しかし、円建てはいまだ31,000円台をキープしており、高値から6%ほど値を削ったに過ぎません。これほどのギャップが生じている原因ですが、もちろん足元の急激な円安ドル高の影響です。
仮に、ドル建てがじり安・急落もなく、現状のレベル207.2ドルをキープしたとすれば、ドル円のレートが163円になればバブル後高値に再到達します。しかし、さすがにここまでの円安を期待する訳にはいかないでしょう。

ドル建てはじり安からの急落注意!

繰り返しになりますが、207.2ドル(現在)⇒175.5ドル(2022年10月)への下落が懸念されます。昨日述べた「米国雇用統計が株価暴落のトリガー引くか?政府閉鎖回避でもタイトロープ続く」という状況であり、米国株が暴落したならば、ドル建て日経225も連動するのは間違いありません

このような株価暴落のリスクオフ局面で最も強い通貨は、かつては日本円でしたが現在は米ドルです。したがって「株価暴落」と「ドル高」が一緒にやってきますので、円建て日経平均の下落は、ややマイルドになる可能性はあります
しかし、財務省の為替介入・日銀のタカ派転換により150円をピークに円高方向にドライブがかかれば、円建ての日経平均の暴落にも拍車がかかる状況が想定されます

円建ての日経225チャートだけ見ていると、30,000円台で押し目の底が決まってからの急反発が期待されます。しかし、あなたが外国人の気持ちになったときに、ドル建て日経225チャートで急反発を示唆するような要素が果たして見つかるでしょうか?