「ディナポリチャート(手法)」はインジケーターとして、非常に精度が高いことをご存知ですか?
この記事では、トレンド相場のトレード戦略として、デイトレードおよびスキャルピングにおける「スラストの発生」後の「シングル・ペネトレーション」でのエントリーの優位性について徹底解説します。
目次
「ディナポリチャート(手法)」のインジケーターを使用した短期トレード戦略
1分足、5分足、15分足メインの短期トレード戦略
ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントをどの足(周期)に引くかで、短期トレードの利益確定に要する時間も変わってきます。
- 1分足・・・数分から数十分で決着
- 5分足・・・1時間程度で決着
- 15分足・・・4時間程度で決着
ディナポリ短期トレード戦略の7ステップ
ローソク足の終値が3×3DMA(オレンジの移動平均線)をブレイクする。
上昇スラスト 安値⇒高値 38.2%レベルの押し目のレートと水平線を表示する。
下降スラスト 高値⇒安値 38.2%レベルの戻りのレートと水平線を表示する。
もちろん、ディナポリ式フィボナッチ・エクスパンションのCOP、OP、XOPを利益確定レベルとして意識するという戦略が本来のディナポリトレードですが、短期トレード戦略においては上記のようなスタンスで行っています。
まずは、スラストを発見しよう!
スラスト(Thrust)とは、足元でぐいぐい進行する強いトレンドです。
3×3DMA(オレンジの移動平均線)の上下に、ローソク足が終値レベルで、最低8本、望ましいのは15本以上連続して並ぶことです。
上に並べば「上昇スラスト」、下に並べば「下降スラスト」と呼びます。
3×3DMA(オレンジの移動平均線)とローソク足の距離が遠くなればなるほど、より強烈なスラストと言えます。
スティープな(傾斜が強い)スラスト中の1~2本のわずかな下抜け(上抜け)は許容します。
スラストが強ければ強いほど、途中で乱高下する時間帯もあり、そこで下ヒゲ(上ヒゲ)に近いレベルで発生したローソク足も、スラスト継続の本数としてカウントするということです。
下降トラスト発生時のトレード実例 ポンドドル15分足
GBP/USD 15分足 2020年10月13日22時頃
このチャートの例では、13本の強烈な下降スラストが発生した後、急反発からの保ち合いで3×3DMA(オレンジの移動平均線)を横抜いたものの、再度14本の強烈な下降スラスト第2弾を発生させています。
下降スラスト第1弾(高値Aから安値B)で戻り売り準備、スラスト第2弾を期待してディナポリ式フィボナッチ・リトレースメント38.2%ラインまでの戻りを待ちエントリーというトレードの実例です。
このケースのように、急激な下落局面が続くと、いったん明確な急反発⇒しばらく保ち合いになってから、再度大きく下落というパターンが多いのです。
したがって、強烈な下落スラストを発見後に、いったん反発となった時点で、その戻りを叩くという戦略は非常に優位性が高いと言えます。
このような相場の性質を利用するのが、「シングル・ペネトレーション」での戻り売りというトレード戦略になります。
シングル・ペネトレーションから利益確定まで
ディナポリチャートの作者ジョー・ディナポリが「ブレッド&バター」と呼ぶ日常的なトレードチャンスですが、「天の恵み」とも呼び、勝率の高さに日々感謝しているそうです。
「シングル・ペネトレーション(Penetration=貫通)」は、上昇スラストあるいは下降スラスト成立状態から、初めてローソク足が終値ベースで、3×3DMA(オレンジの移動平均線)を下抜けあるいは上抜けすることをいいます。
前ページの13本の完璧な下降スラストから、シングル・ペネトレーションを示現した時点で、直近の高値(A)から直近の安値(B)に、ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントを引き、戻り売りレベルを事前に想定しておきます。
38.2%ライン1.2993は、1.3000という重要な節目のプライスにも近く、かなり強力なレジスタンスですから、ここに最接近したところで、迷わず戻り売りです。
直近の安値(B)を更新し続けてスラストが継続すればポジションキープ、ローソク足の終値が3×3DMA(オレンジの移動平均線)を横抜けすれば、スラスト終了で「利益確定」となります。
あるいは、1.29250という25pips単位のプライスの節目を利益確定目標として想定しておけば、安値は1.29218であり、最も効率的なトレードになりました。
短期トレードなので、直近の安値(B)を更新してから、いちばん近くの重要な水平線で利益確定できれば十分だと思います。
トレードルールとしては非常に単純であり
- スラスト発生の判定ができること
- ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントを正確に引けること
戻り売り条件を満たしエントリーしてから15本目(4時間弱)で最大利益となり、約80pipsの収益となります。
私のリアルトレードでは、エントリーのタイミングが若干遅れ、利益確定のタイミングが早かったので、1.29857⇒1.29310、54.7pipsの利益となりました。
GBP/USDはドルストレートの主要通貨ペアで、最もボラティリティが大きいです。
分かりやい一方通行のトレンドになった場合には、早ければ1時間以内、長くても4時間程度で50pipsの値幅が取れることは、ごく日常的なイベントです。
上野ひでのり
MT4で完全再現できる「ディナポリチャート(手法)」のインジケーター
【関連記事3選】「ディナポリチャート(手法)」の優位性
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参考 【無料】全65ページのFXトレードマニュアル上野ひでのりプロFX「ディナポリ・レベル(DiNapoli Levels)」、3本の「DMA(ずらした単純移動平均)」、「ディナポリMACD」などについて徹底解説しています。
【参考】極狭のレンジ相場で威力を発揮する小反転狙いの上野式スキャルピング
スラストの発生が全く認識できない極狭レンジ相場では、チャンスを待つだけで良いという考え方もありますが、時間がもったいないので、私は下記のようなスキャルピングを好んで行っています。
それなりに重要なスイングポイントや25pips単位のプライスの節目から小反発した値ザヤを1~3pips程度、丁寧に抜いていきます。
もちろん、ディナポリ・レベルからの反転を狙う場合には、値幅の期待値はもっと大きくなりますが、ディナポリ・レベルが現状のレートから遠かったとしても、東京タイム前場のルーティンワークとして毎日行っているスキャルピングトレードです。
MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」では、ダウ理論でいう「明確な反転シグナル」に繋がるスイングポイントを常時把握していますので、「このプライスレベルは鉄板のレジスタンス」であるというような評価を正確に行うことができます。
したがって、このような鉄板のレジスタンスやサポートを頼りに、反転狙いトレードを狭いレンジ相場の中で行うこと、小反発の値幅をスキャルピング的に抜いていくことは、さほど難しくありません。
スキャルピングで狙える値幅は、1~3pips程度が通常なので、できるだけスプレッド負担が小さな通貨ペアを選択したいところです。
USD/JPYについて、私が契約しているブローカーでのスプレッドは0.2pipsです。非常にトレードコストが小さいので、スキャルピングには絶好と言えます。
という訳で、私はUSD/JPYの極狭レンジの反転狙いトレードを主に東京タイム前場に行っています。
トレンドフォローではないので、トレード中の1分足、5分足にフィボナッチを引いたりはしません。
東京タイム前場での値幅の期待値は、15~30pips程度になりますので、頼りにするのは
- 25pips単位のプライスの節目(さらに分解して5pips単位のプライスの節目)
- 当日、前日の高値と安値
- 1分足の3×3DMA(オレンジの移動平均線)のレジスタンス&サポート
- 1分足の一目均衡表の雲のレジスタンス&サポート
- デイリーPivot
2020年10月13日の東京タイム前場に行った実際のトレードの記録がありますので、ご参照ください。
USD/JPYのみで、9:00開始、11:30終了、2時間半限定のトレードです。
下向きの矢印がショートエントリー、上向きの矢印がロングエントリー、チェックマークが利益確定、バツ印がロスカットです。
私のリアルトレードの結果は下記の通りです。
- 09:00~09:02 ロング 105.476 ⇒105.499 +2.3pips
- 09:07~09:11 ショート 105.497 ⇒105.481 +1.6pips
- 09:07~09:11 ショート 105.497 ⇒105.481 +1.6pips
- 09:07~09:11 ショート 105.497 ⇒105.481 +1.6pips
- 09:53~09:54 ショート 105.459 ⇒105.425 +3.4pips
- 10:18~10:20 ショート 105.400 ⇒105.367 +3.3pips
- 10:24~10:29 ショート 105.368 ⇒105.341 +2.7pips
- 10:47~10:51 ショート 105.352 ⇒105.336 +1.6pips
- 11:07~11:16 ショート 105.349 ⇒105.349 +0.2pips
毎朝2時間半のルーティンワークで、最低10pipsの利益を確保することが目標ですが、目標を下回ることは少なく、平均で12.3pips程度の利益を確保できています。
気軽に試してみてくださいね。
上野ひでのり