「ディナポリチャート(手法)」のインジケーターをMT4に正確に全部乗せするのは簡単なようで難しいことをご存知ですか?
私も苦労しました。
この記事では、MT4のチャート上で「ディナポリチャート(手法)」に使用するインジケーターがどのように表示されるか全てお見せします。設定の参考にしてくださいね。
目次
ダウ理論に基づいた「明確なトレンドの反転シグナル」になり得る重要なスイングポイントと水平線を明示
ディナポリチャートのセットアップの前段階として、MT4チャートの表示を整えていきます。
最初に行うべきは、下記の設定です。
次に、ダウ理論に基づいた「明確なトレンドの反転シグナル」になり得る重要なスイングポイントと水平線を明示します。
2020年10月26日時点のUSD/JPYの4時間足チャートです。
メイン画面に、3本のDMA(ずらした単純移動平均)、ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメント(100.0 38.2 61.8 0.0)、ディナポリ式フィボナッチ・エクスパンション(COP OP XOP)も表示されています。これが完成形です。
MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」独自のプライスレベルとして、25pips単位のグリッド(グリーンの水平線)、過去重要なスイングポイントとなったプライスレベル(グレーの点水平線)、一目均衡表の雲が表示されています。
過去にとった高値、安値など重要なスイングポイントのレートは、画面上に自動表示されます。
全ての高値・安値、水平線、移動平均線、雲にタッチしたときには、重要度に差はあれど、全て反転の可能性があると思ってご覧ください。
もともと、一定のレンジの上限、下限からの反転の値幅を抜き取るのが、上野式サヤ取りの本質ですから、このような便利なチャートを開発しました。
スイングポイントには、重要度に序列がある。
2020年10月までのUSD/JPYの日足チャートです。
日足のグリッド(緑色の水平線)は125pips単位(25pips単位×5)になっています。このプライスレベルは全て重要なのですが、その中でも、100円の重要度は最高レベルで、次に110円、続いて中間地点としての105円となります。
そして、過去の高値安値としてレートが明示されているスイングポイントは全て重要ですが、特に100円と110円に近いレートは重要度が高くなります。
次に時間の経過とともに変化するスイングポイントとしては、ディナポリ3×3DMAオレンジライン(後述します)と一目均衡表の雲にタッチしたときにレジスタンス&サポートとなるプライスレベルになります。
重要度に応じて、反転狙いあるいはブレイクアウト狙いなど異なるトレード戦略を適用する。
もともと、キリ番105円のスイングポイントとしての重要度は高いのですが、現状では最重要の100円と次に重要な110円の中間地点であり、相場が105円を頂点に三角保ち合いの様相を呈しています。
したがって、105円自体のレジスタンス&サポートとしての反転機能は低下しています。
現状のレートは104.908と表示されています。1分足まで降りればはっきりしますが、105円までの残り10pipsのレジスタンスの力はそれなりに強く、ボラティリティが低い東京タイムでは明確に上抜けるのは難しいでしょう。
しかし、NYタイムにボラティリティが上昇すれば、レジスタンスをブレイクアウトして105円台を上伸することはさほど困難ではなくなります。
ただし、時間の経過とともに右肩下がりでレジスタンスとして覆いかぶさるディナポリ3×3DMAオレンジライン(後述します)と一目均衡表の雲が迫るので、大きく上伸する可能性は低く、どちらかと言えば、再度105円をブレイクダウンし、その後じり安圧力のほうがかかりやすい状況となりそうです。
世界最高レベルのチャーティスト「ジョー・ディナポリ」の「ディナポリチャート(手法)」を完全再現
先ほど紹介した2020年10月26日時点のUSD/JPYの4時間足チャートと同じですが、サブ画面に、ディナポリMACDが追加されています。
「ジョー・ディナポリ(Joe DiNapoli)」とは、トレード経験が40年以上のトレーダーで、世界最高レベルのチャーティストであり、世界中で講演を行い、「ディナポリの秘数フィボナッチ売買法~押し・戻り分析で仕掛けから手仕舞いまでわかる~」(PR)などの著作で高い評価を獲得しています。
現在は、バンコクのオフィスから、株価指数、為替、コモディティなどのCFDで、巨額のマネーを運用しています。
全米ネットワークのTV番組に何度も出演して、フィボナッチ(DiNapoli Levels)を使用した市場予測、特に株価指数や金利先物などの予測を超人的な正確さで実現し、広く賞賛を浴びています。
1.3本のDMA(ずらした単純移動平均)
DMA(Displaced Moving Average =ずらした単純移動平均)
- 3×3DMA オレンジ 期間3 右に3本分ずらして表示
- 7×5DMA ブルー 期間7 右に5本分ずらして表示
- 25×5DMA ライムグリーン 期間25 右に5本分ずらして表示
<右(未来)にずらす意味とは?>
相場が短期間揉み合った場合にも、ローソク足が簡単に3MAを横抜けしないようにするためです。すなわちダマシの排除のためです。
強いトレンドが発生していても、途中で何度か揉み合うことが多いため、トレンドの継続性の判断に一定の含みを持たせることを目的としています。
パラメータは、期間が短期3、中期7、長期25となり、終値ベースの移動平均です。
ローソク足の先に、3本のDMAが先行するユニークなチャートです。
「3×3DMA オレンジ」とローソク足との関係性が最も重要です。
「7×5DMA ブルー」と「25×5DMA ライムグリーン」は、トレンド判断用と考えますが、MACDでも代用でき、重要性はさほど高くはないため、1分足には表示していません。
2.ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメント
USD/JPYの4時間足です。
一般に利用されるフィボナッチ・リトレースメントは、下記のように、MT4のデフォルト、標準設定パラメータとなっています。
0.0 23.6 38.2 50.0 61.8 100.0 161.8 261.8 432.6
この中で、ディナポリが使用するフィボナッチ・リトレースメントは最重要の38.2 61.8のみです。
MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」では
起点(A)100.0 ⇒終点(B)0.0のレートも認識したいため、追加しました。
0.0 38.2 61.8 100.0
以上4本のフィボナッチラインが、正確なレート入りで表示されます。
2点のスイングポイント・・・(A)(B)間に引いて、トレンド発生中の押し目、戻り高値を推定し、エントリー判断に役立てるツールです。
この例は上昇トレンドです。押し目買いに最適なレートを予測することができます。
- 安値(A)のスイングポイントは、2020年09月21日の安値104.001
- 高値(B)のスイングポイントは、2020年10月07日の高値106.108
水平線だけでなく、Y軸の横に、「38.2/105.303」「61.8/104.806」と、レートも表示されます。これはMT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」のオリジナル機能です。
「38.2/105.303」が押し目買いのターゲットになり、「0.0/106.108」を目安にした反発上昇を追いかけるトレンドフォロー戦略となりますが、仮に「61.8/104.806」まで下落すればロスカットというような戦略を付加することができます。
3.ディナポリ式フィボナッチ・エクスパンション
USD/JPYの日足チャートです。
コロナショックの暴落から、ほぼ往ってこいの全戻しを達成した高値からの下落トレンドを追いかけるトレードです。
一般に利用されるフィボナッチ・エクスパンションは、下記のように、MT4に標準装備されています。
FE 61.8 FE 100.0 FE 161.8
ディナポリ式フィボナッチ・エクスパンションでも、パラメータは全く同じですが、下記のように独自の名称を与えています。
- COP 61.8 ・・・縮小された利益確定目標(Contracted Objective Point)
- OP 100.0 ・・・メインの利益確定目標(Objective Point)
- XOP 161.8 ・・・拡張された利益確定目標(Expanded Objective Point)
この例では、下落トレンドを前提とし、戻り高値を待って戻り売りした場合、妥当な利益確定レベルを推定するために役立つツールになります。
- 高値(A)のスイングポイントは、2020年3月24日の高値111.714
- 安値(B)のスイングポイントは、2020年5月06日の安値105.987
- 戻り高値(C)のスイングポイントは、2020年6月05日の高値109.850
- COP 61.8/106.311
- OP 100.0/104.123 ・・・メインの利益確定目標
- XOP 161.8/100.584
OPは最有力な利益確定の目安ですが、同時に強力なサポートラインにもなるため、上記2回の安値は2点底となり、相場は反発に転じています。
2020年6月5日の戻り高値(C)109.714で売り、OP104.186を意識して7月31日の安値104.186で利益確定したとすれば、最大利益の期待値は408.2pipsとなります。
MT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」で上野ひでのりが行うトレードは、あくまでもデイトレード以下の超短期トレードですが、この例は、まさしくジョー・ディナポリのような大口のポジショントレーダーのスタイルだとご理解ください。
4.ディナポリMACD(マックディー)
MACDは一般に「マックディー」と発音されます。移動平均線を改良して出来上がったテクニカル指標です。
正式名称は「Moving Average Convergence/Divergence Trading Method」「移動平均線収束拡散法」などと訳されます。
使用する移動平均は、EMA = Exponential Moving Average(指数平滑移動平均線)です。直近のデータに、より比重をおいて平均化したものです。
EMAの天井、底は、SMAよりも早く出現し、感応度が高くなります。
本来は、3本の移動平均線の差分(くっついたり離れたり)を分析対象とするオシレータ系の指標(買われ過ぎ、売られ過ぎを相対的に判断するもの)に分類されますが、トレンドやモメンタムの強さの判断にも積極的に応用されています。
通常のパラメータは、短期EMA=12、長期EMA=26、シグナル=9ですが
ディナポリMACDでは下記の通り。
短期EMA=8 長期EMA=17、シグナル=9であり、より感応度が高いため
トレンド転換に早く気がつくように最適化されています。
<ディナポリMACDの特長>
一般に使用されるパラメータよりも反応が早い設定です。
ヒストグラム(ライムグリーンの柱グラフ)の陽転、陰転で、トレンド転換の兆候が示されます。
ヒストグラムの長さは、モメンタムのレベルを示します。
サイン(赤いライン)は、感応度が低いので確定レベルのパラメータです。
「ディナポリチャート(手法)」を活用したトレードの実例
「ディナポリチャート」のインジケータを全部乗せしたMT4チャートを私は、短期トレードに活かしています。
具体的なトレード手法は、下記のサイトをご参照ください。
【ディナポリ手法】MT4インジケーター・セットアップ講座 全5回
MT4を使い、ディナポリチャートを、5ステップで組み上げる講座です。
ディナポリ独自のインジケーターとパラメータの本質的な理解も深まるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
3本のDMA(ずらした単純移動平均線)【ディナポリ式MT4】スラスト(強いトレンド)を認識できる
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「ディナポリ・レベル(Dinapoli Levels)」とは、フィボナッチ級数の分析をベースとした相場の将来的なサポート/レジスタンスを現時点で明確に表す先行指標のことです。
ジョー・ディナポリのトレードのアプローチで、最も特徴的で重要なことは、先行型の指標を使っているということです。
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上野ひでのり