99.9%の個人トレーダーが知らないチャートの真実をご存知ですか?
私の修業時代には縦1メートルの方眼紙に毎営業日ローソク足を手書きしました。4本値の場帳も手書きで作り、アナログとデジタル両面で立体的に相場を捉える訓練をしました。
この記事では、あなたがチャートのダマシを避ける方法について徹底解説します。
目次
アナログ(絵)よりデジタル(数字)が重要
99.9%の個人トレーダーが知らないチャートの真実とは?
あなたの腕時計はアナログですか?デジタルですか?
時間を問われて、09:55を「10時5分前」と答えるのはアナログ派でしょうし、「9時55分47秒」と答えるのはデジタル派と言えるでしょう。
10:00正時までの5分間を時計の角度(面積)でイメージするか、5分13秒という絶対値として把握するかの違いですが、人間は体内時計が発達しているので、どちらでも大差ないと思います。現代人は、アナログとデジタルの把握力の差が小さいでしょう。
しかし、相場においては、チャートを見ないと全くトレードができなくなる方がほとんどだと思います。
私は、サヤ取りの師匠である故林輝太郎先生の著作の教えで、株価の把握について、下記のような訓練を長年にわたり行ってきました。
- トレード対象銘柄の日足の4本値(始値、高値、安値、終値)、一日の値幅(高値と安値の差)、前日終値比の値幅を毎営業日、手書きで場帳に記録すること
- 縦1メートルの方眼紙を購入してきて、1mmを1円あるいは10円(株価水準による)として毎営業日ローソク足を手書きすること
- 場帳を見るだけで、ローソク足に置き換えず、1日の1週間の1か月の1年の値動きがデジタルな変動感覚としてイメージできるように訓練すること
「株価の変動範囲を限定してはいけない。1メートルの方眼紙に収まりきれないほどの大きな上昇も、ゼロに近くなることも、どちらもあり得る」という相場の真実を教えていただきました。
現在は為替相場が主力になり、手書きの場帳もチャートも書かなくなりましたが、上記のような主要通貨ペアのプライスボードに現在値と当日の高値、安値、昨日終値比が表示されているだけで、どんな相場であるか、デジタル感覚だけで大まかに把握できます。
MT4チャートは便利だが、チャートなしでもトレードはできる
デジタル感覚が発達してくれば、チャートなしでもトレードはできます。
あなたも、長期保有の株式銘柄があったとして、街なかの証券会社の株価ボードで現在値を確認すれば、瞬時に値洗い(損益計算)や買い増し、利益確定売りの判断が可能なのではないでしょうか。
短期の為替トレードにおいても、そういう感覚を磨いていただきたいということです。
スイングポイントのプライスを徹底的に頭に刻み込む
「スイングポイント」について、時計で言えば、正午とか夜0時とか、朝9時、夕方5時とかキリの良い時間です。寝る時間とか仕事を始める、終える時間とか食事の時間とか、日常生活のアクションに紐づけされている重要度の高い時間帯です。
相場でいう「スイングポイント」とは、過去の高値・安値=レジスタンス・サポート、つまり、反転しやすいプライスレベルのことを言います。
私が使用しているMT4版「上野式精密水平線トレード専用チャート」には、重要なスイングポイントを漏らさず表示しています。
【徹底解剖】「ディナポリチャート(手法)」のインジケーターを全搭載したMT41つの通貨ペアで1分足から月足の9周期のマルチタイムフレームを同時に起動しているのは、本日、今週、今月、今年、数年来のスイングポイントを見逃さないためです。
USD/JPYで言えば、誰でも認識している最も重要なスイングポイントは100.000です。現状の相場で言えば、105.000や110.000も意識しておくべきスイングポイントです。
次に、より細かい単位(25pips単位、5pips単位)でのキリの良いレート(キリ番)となりますし、直近の日足の高値・安値なども暗記しておくべきです。
それ以外にも重要なスイングポイントは多数ありますが、優先順位を判断することで、トレードシナリオが勝手に出来上がります。詳細は後述します。
現在値近くの上記のようなスイングポイントが全て頭に入っているのなら、上記の主要通貨ペアのプライスボードを一見するだけで、トレードチャンスを直感的に発見することができるでしょう。
より根拠あるトレードにするために足りないファクターがあるとすれば、現在値は高値方向から来ているのか、安値方向から来ているのか、保ち合いなのかという直近の値動きです。それを確認するためにチャートが必要です。
デジタル感覚の重要性は、強調してもし過ぎることはありません。
一般の個人トレーダーがいかに数字(レート)そのものに無頓着で、お気に入りのインジケータが描くチャートパターンという絵だけを頼りにトレードしているのか私はよく知っているからです。
「手書きで場帳とチャートを書くことから始めるべきだ」などと意見するつもりは毛頭ありませんが、くれぐれもチャートというアナログな絵、特定のインジケータが発するシグナルにはだまされないようにしていただきたいのです。
上野ひでのり