ビットコインは2021年11月のピークからの下落率が株価より大きいので全部乗り換えても良いかなとも思うのですが…
ビットコインがドルベースで1月24日に32,950ドルの押し目をつけましたが、その時点で全部乗り換えるということであれば、非常に良いチャンスでしたね。
2月10日には45,850ドルまで戻しているので、いったん落ち着いて長期戦略を考えましょう。
確かに、安く買って高く売るが基本ですが、十分安く買えているのなら、数十年間ホールドしたまま、別の収益の上げ方を考えたほうが良いと思いますよ。
上野ひでのり
目次
暗号資産の古い収益構造(オワコン)
ビットコインの高値追い
安く買って高く売りたいのは、投資家として当たり前の心理ですが、キャピタルゲイン(売却益)だけを追いかけると、どうしても高値掴みをしてしまいます。
ビットコインが500万円以上のときに買って、その後の暴落で大損した人が多いのではないでしょうか。
- 2020年3月13日 3,850.00ドル
- 2021年4月14日 64,895.22ドル
- 16.9倍の暴騰!
所得税の最高税率は45%で、4000万円以上の課税所得に適用されます。
現在のところ、暗号資産に関する所得に関して、優遇税制は一切ありません。
したがって、一気にキャピタルゲインを実現するのは得策ではありません。
ビットコインは高値で売り抜けを狙うものではなく、乱高下を繰り返しながら希少価値が上がる可能性が高いので、老後のためにホールド(ガチホ)しておくほうが良いと思います。
「ガチホして、いつ利益を実現するのか?」ですが、通常5%以上の利回りで運用できますので、1億円分のビットコインをホールドしていれば毎年500万円の雑収入だけで生活することだって可能になります。
ガチホしている間に、ビットコインの価値が勝手に、2億円、3億円と増えていくので、毎年1,000万円、1,500万円の雑収入だけで十分に食っていけるでしょう。
草コインの売買、ICOに参加
草コインとは、ビットコイン以外の仮想通貨の総称であるアルトコインの中でも時価総額が小さく、知名度も低い仮想通貨のことをいいます。
ICOとは、Initial Coin Offeringの略です。
新規株式上場(IPO)になぞらえて、日本語では「新規通貨公開」で、クラウドセール、トークンセールなどと呼ばれることもあります。
草コインの「SHIBA INU(柴犬コイン)」が、イーロン・マスク推しで2021年1月から10月で50万倍になり話題になりました。
SHIBA INU日足
チャートで確認できる期間では最大で9.3倍に過ぎず、イーロン・マスクが話題になってからの参入ではリスクが高過ぎますね。
ICOで購入したコインが1万倍の価値になった例もザラにありますので夢があるとも言えますが、永続的に価値を保てるものはほとんどありません。
最低条件として、Coincheckなどの国内大手取引所が扱うIEOに限って応募するようにしましょう。
IEOは、Initial Exchange Offeringの略で、取引所の厳格な審査を経てトークンを販売する形態のことです。
先行販売では、公開価格より割引された価格でトークンを購入できるメリットがあります。
とは言え「安く買って高く売る」という発想に囚われているならば、古いタイプの暗号資産投資と言えます。
後述する「SAND」など将来性があるメタバースに関連するトークンなどは、キャピタルゲイン以外の収益性(コインを売って儲けるではなく、コインを使って儲ける)も高い可能性があり、IEOで買っておいて良いかもしれません。
多種類の暗号資産を保有する
何のために多種類の暗号資産を保有する必要があるのでしょうか?
それは「下手な鉄砲も数撃てば当たる」という発想から生まれているはずです。
ここでは結論だけ書きますが、ビットコイン1本に絞って長期間の価値の保存だけを考えてください。
NFTアートの購入やメタバースの利用でどうしても必要なときには、イーサリアム等のアルトコインに換金すれば良いだけです。
ここで注意が必要なのは、利益が乗っているビットコインをイーサリアムに交換するときに、「ビットコインの利益を実現した」ということで、課税対象になります。
交換したのではなく、一度法定通貨(円)で利益を実現し、その資金で新たにイーサリアムを買ったという扱いになる訳です。
したがって、保有資産はビットコイン1本に絞って、できるだけビットコインで支払いを行い、どうしてもイーサリアムが必要なときだけ、日本の取引所(CEX)で交換するという方法をおススメします。
あるいは、イーサリアムの利用機会が多いのなら、ビットコイン8対イーサリアム2とか、最初から必要な割合で購入しましょう。
マイニングに挑戦する
ビットコインの発行量は2,100万枚に制限されており、2021年12月13日に上限の90%に達しました。
上限に達するのは2140年2月頃と予想されています。
90%に達するまでに12年、残りの10%がマイニングされるまでに18年ほどかかるということです。
急激にマイニング(新規発行)のペースが落ちるのは、半減期やハッシュレート(コンピュータの演算能力)の制約があるからですが、この記事では詳しく述べません。
マイニングとは、ビットコインのブロックチェーンを支える毎秒数百万回の複雑な演算を行い、報酬のビットコインを受け取ることです。
マイニングコスト(コンピュータへの投資と電気代)と現在受け取れる報酬額を対比すると、少なくとも日本国内では採算を取ることが難しいとされます。
ビットコインとイーサリアムがデファクトスタンダード
私は現状のところ、この2種類以外の暗号資産を保有する積極的な意味はないと思います。
大人気のメタバース「The Sandbox」で使用できるゲーム通貨はSandですが、もちろんビットコインから換金可能です。
「Sandが値上がりしそうだからSandを買いたい」ではなく、「The Sandbox」の中の土地(NFT化されている)が値上がり確実で、今後の利用価値も高いから、その土地に投資しようというのがインカムゲイン的な発想であり、Web3.0で儲けるコツです。
SAND/Bitcoin日足
実は、ビットコインをベースに他のブロックチェーン(特にDeFiという分散金融)で資産形成しようというのが、本記事の主旨なのですが、ビットコインの上昇率に勝てるアルトコインはないのが現状です。
しかし、SAND/Bitcoinだけは例外的に、2021年10月から11月の短期間で13倍に暴騰しています。
「The Sandbox」で土地を買って儲かり、SANDの価値も暴騰するという最高の投資になっています。
参考 メタバース「The Sandbox」「Decentraland」で土地を買って売却益を得る【ブロックチェーンの暗号資産とNFTで大儲けの基礎】メタバースで利益はさらに巨額に!2021年12月、メタバースに特化した米国の不動産投資ファンド「Republic Realm(リパブリック・レルム)」が、「The Sandbox」というゲームの土地を430万ドル(約5億円)で購入し話題となりました。
「The Sandbox」では、ゲーム内の全てのアイテム、資産、土地がNFT化されており、マーケットプレイスで売買することで収益化が可能です。「The Sandbox」や「Decentraland」の土地は高騰し、1週間の仮想土地取引高も昨年11月には100億円を突破しました。
昨年11月に買った30万円の土地が、3か月で100万円まで高騰しているような相場感です。
ビットコインは質への投資(逃避)。騰落に一喜一憂しない
ビットコインは、発行の限度が決まっているので、金(GOLD)のような希少性があります。
金の現物を保有している方も多いと思いますが、インフレに負けないように保有している訳で、短期の積極的な売買で儲けようとするような対象ではありません。
ビットコインも、同じく質への投資(逃避)です。
半年後に暴落かもしれませんが、10年後にはその暴落も乗り越えて、史上最高値を更新していることは、まず間違いありません。
住宅などの大きな買い物をするときに、現金化して支払いに充てるのも良いでしょうが、税金のことを考えれば、ビットコインを担保に資金を借りたほうが良いと思います。
そのうちビットコイン担保の住宅ローンなども確実にサービス化されます。
民間の会社が提供するサービスではなく、DeFi(分散型金融)という仕組みで提供されるでしょう。
銀行の手数料がないので、驚くほど安く借りられるでしょう。
ユーザー間の直接契約(スマート・コントラクト)になり、安全性もブロックチェーンが保証してくれます。
イーサリアムはWeb3.0に対応する道具
ビットコインは非常に価値の高い暗号資産ですが、それを支えるブロックチェーンの帳簿を、仮想通貨という単一目的のみで利用しています。
一方、イーサリアムのブロックチェーンは、下記のようなプログラムを何でも、ブロックチェーンの帳簿に載せることができます。
上記のサルのデジタルアートは、非代替性トークン(NFT)アートとして有名なもので、数千万単位で取引されています。
- 仮想通貨イーサ(ETH)
- スマート・コントラクト(契約業務の自動化)
- 分散型金融(DeFi)
- 分散型取引所(DEX)
- 非代替性トークン(NFT)
メタバースには専用トークン(暗号資産)が必要になる
Web3.0に対応するイーサリアムですが、送金の需要が多く、いつも混み合っています。
送金手数料をガス代といいますが、少額の送金のときの負担が相対的に大きすぎて問題となっています。
このような事情もあり、メタバースは独自規格のブロックチェーンで構築されることが多く、使用されるトークン(暗号資産)も独自のものになりますが、もちろん、ビットコインとの交換は可能です。
まずはレンディングから始めよう!
レンディングは個人が合法的にできる貸金業
法定通貨を不特定多数の人に貸し付けて、金利収入を得ると貸金法違反の犯罪になります。
法定刑は10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金(またはその併科)の重罪です。
しかし、ブロックチェーン上のレンディング・プラットホーム(DeFiアプリケーション)を利用すれば、現状のところ、法的な規制が全くありません。
最初は、日本の取引所(CEX)のレンディングが安全
出典:コインチェック
最も安全なレンディングサービスは、日本の取引所(CEX)の「貸暗号資産サービス」を利用することです。
「最大年率5%」は、この低金利のご時世で、かなりありがたい利回りです。
近い将来にはDeFiにもチャレンジ
出典:Uniswap
出典:PancakeSwap
「Uniswap」も「PancakeSwap」もDeFi(ブロックチェーンで管理される分散型金融)アプリケーションで運営されているDEX(分散型取引所)です。
前者はイーサリアムがベース、後者はBSC(バイナンス・スマート・チェーン)を利用していますので、海外の大手取引所Binance経由の送金が必須となります。
日本のCoincheckやbitFlyer、海外のBinanceなどの取引所は、CEX(中央集権型取引所)です。
イーサリアム等が提供するスマート・コントラクトの仕組みで成立しているのがDEX(分散型取引所)になります。
DEXではユーザー間で頻繁に暗号資産の交換が行われていますが、Pool(原資を準備すること)が必要なので、ここに自分の暗号資産を貸し出す(流動性を供給する)ことにより報酬がもらえる仕組みです。
流動性を供給する「Liquidity Provider(LP)」は、資本家のような立場です。
最も人気があるPancakeSwapでは、取引手数料の一部と独自トークンのCAKE(UniswapではUNI)がもらえます。
もらったCAKEをさらに預入れることで追加のCAKEがもらえるので、CAKEの複利運用のイメージです。
CAKEという独自トークンにも時価がありますので、その値上がり益も積み上がっていきます。
以上が、うまくいけば年利50~100%の仕組みとなります。
CAKEの相場によるので年利は確定ではありませんが、元本はブロックチェーンで管理され、安全に稼げる仕組みです。
暗号資産の送金には細心の注意を!
私たちは日常、銀行口座から他の国内口座に送金を行っていますが、万が一勘違いして別の口座に送金してしまっても、組戻しという手続きで資金を取り戻すことができます。
しかし、暗号資産の送金においては、送金先アドレスを一文字間違えただけでも、二度と取り戻すことはできないと覚悟したほうが良いです。
うっかりミスの大金の消滅は意外に多い事故なので、十分に気をつけてください。
【結論】あなたのビットコインは海外のDEXで莫大なインカムゲインを稼ぐ!
DEXから独自トークンの報酬を得られ、複利運用できる
ただし、報酬として得られる独自トークンの将来性で利回りが変わってきます。
Uniswap(UNI)とPancakeSwap(CAKE)のどちらの利回りに将来的な優位性があるのか分かりませんが、ぜひ挑戦してみてください。
【注意】日本円が必要ならば、日本の取引所に戻す必要あり
UNIやCAKEで大儲けしたとして、最終的に日本円として消費したいのであれば、CoincheckやbitFlyerで取り扱いがある暗号資産に交換してから入金、売却して日本円に戻す必要があります。
ここで発生した売却益には当然のこと課税されます。
とは言え、売却益の計算は、数年、数十年にわたる海外のDEXでの運用益を含めてどうやって行うのか、複雑怪奇になりますね。
ビットコインで一度限りの巨額なキャピタルゲインを得て、税金をたくさん払うのはもったいない。
ガチホでもっと巨大な利益を狙いつつ、金利収入だけでも信じられないほど稼げるので、当面着目すべき点はインカムゲインの大きさである。
この2点さえ理解してもらえれば十分です。
実際にビットコインを購入したら、改めて具体的な手続きを教えますよ。
上野ひでのり