MT4標準装備のフィボナッチ・リトレースメントはパラメータが多すぎて、そのままでは使い物にならずお困りではないですか?
この記事では、ディナポリ式の38.2%、61.8%だけ残して、プライス入りの水平線が表示できる仕様に変更する方法を徹底解説します。格段に使いやすくなりますよ!
目次
【ディナポリ式】MT4インジケーター徹底解説・セットアップ講座
ディナポリチャートの完成形のイメージと全5回講座の目的は、下記のページをご参照ください。
参考 世界最高峰チャートの完成形【ディナポリ式】MT4インジケーター徹底解説・セットアップ講座 | 全5回まとめ
全5回講座の構成、セットアップするインジケーターは下記の通りです。
- 3本のDMA
- フィボナッチ・リトレースメント
- フィボナッチ・エクスパンション
- MACD(マックディー)
- ストキャスティクス
フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチ数の応用
レオナルド・フィボナッチ(Leonardo Fibonacci)は、中世で最も才能があったと評価されるイタリアの数学者です。
フィボナッチ数列では、3項目以降のそれぞれの数は手前の2つの項の数の和になっています。
そのため数列は、0,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233…と続きます。
また、2つの連続する項の比を取ると、次第に黄金比(約1:1.618または約0.618:1)に近づいていきます。
この2つの黄金比を相場のテクニカル分析に応用する試みが、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンション(第3回講座で解説)です。
自然界はシンプルな法則で成り立っており、相場も例外ではありません。
標準的なフィボナッチ・リトレースメントとの違いとは?
リトレースメントの意味
リトレースメント(retracement)は、相場におけるトレンドからの逆行、あや戻しという意味になります。
トレンドは、押し目(戻り)もつけずに一方通行で上昇(下落)することはなく、必ず一定レベルの逆行をします。
いったんつけた高値(安値)から、どれくらい逆行した後に、トレンドがまた継続するのかを推定するツールが、フィボナッチ・リトレースメントです。
MT4標準装備とディナポリ式のフィボナッチ・レベルの違い
MT4に標準装備されているインジケーター「フィボナッチ・リトレースメント」と「ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメント」では、フィボナッチ・レベルの段階(数)に、決定的な違いがあります。
- MT4標準装備のフィボナッチ・リトレースメント使用するフィボナッチ比率
0.0%(終点)、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、100.0%(起点)
161.8%、261.8%、423.6% - ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントで使用するフィボナッチ比率
38.2%、61.8%
また、50.0%はフィボナッチ比率ではありませんし、半値戻しを仕掛けのチャンスと捉える習慣から追加されたに過ぎません。
23.6%は、あっても構わないと思いますが、浅すぎるリトレースメントから慌てて仕掛けるのはリスキーです。
相場で本当に意味のあるリトレースメントは、38.2%と61.8%だけであると、長年ディナポリ式を使用したトレード経験から確信しています。
23.6%は38.2%の少し手前というイメージで、浅めのリトレースメントからトレンド継続というケースも、ままありますが、結果的に、よりフィボナッチ比率として意味がある38.2%まで逆行した場合には、含み損を抱えることになります。
50.0%は38.2%と61.8%のちょうど中間地点なので、わざわざ水平線を引かなくても位置を把握できますし、50.0%まで逆行してしまった場合、トレンドが終了している可能性も高く、半値戻しで仕掛けるのは、23.6%や38.2%からの反発を狙うより、失敗(トレンド反転)の可能性が高くリスキーです。
ディナポリ式では、38.2%の押し目でエントリー、61.8%に達した場合にはロスカットというのが、トレードの基本ルールになっています。
【結論】MT4標準装備のフィボナッチ・リトレースメントをそのまま使用してはいけない
23.6%と50.0%について、重要度が低い比率も念のため入れておこうという考え方は、相場の判断を誤る原因になりますので、そのレベルを意識をするのは構いませんが、チャート上には決して表示しないようにしましょう。
161.8%、261.8%、423.6%は、もはやリトレースメント(逆行、あや戻し)ではなく、トレンドが完全に反転したケースなので、なぜデフォルトで表示しているのか意味不明です。
ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントとして表示すべきと考える下記の4段階のレベルですが
- 0.0%
- 38.2%
- 61.8%
- 100.0%
ディナポリ式フィボナッチ・リトレースメントでは、0.0%、100.0%は表示しないのですが、MT4上の起点と終点(直近の高値・安値)の水平線と具体的なレートを表示したほうが間違いなく役に立つので、上野式では追加しています。
MT4でのパラメータ設定方法
たった3分で設定完了する7ステップ
MT4の画面の左上にあるツールバーの中から、赤色で囲んだフィボナッチ・リトレースメントのアイコンをクリックします。
アイコンが凹んだ状態がアクティブです。
フィボナッチ・リトレースメントがアクティブになっている状態で、起点(A)にポインターをセットし、そのままドラッグして、終点(B)まで赤色の点線を引っ張ってから離します(いったん確定状態になるので、後述するアクティブ化が必要です)。
慣れないと正確にポイントすることは難しく、(A)(B)地点の微調整が必要になる場合がほとんどです。
赤の点線の任意の場所をダブルクリックししてアクティブ化すると。起点(A)、中間地点、終点(B)の3点に白いポインターが現れます。
アクティブな状態では、起点(A)、終点(B)のポインターを動かして微調整したり、STEP.3のFiboプロパティを変更したりできます。
赤い点線がアクティブな状態を確認し、線上の任意の場所を右クリックすると、上記のウィンドウが開くので、「Fiboプロパティ」を選択します。
不要なフィボナッチ・レベルを削除します。
- 0.236
- 0.5
- 1.618
- 2.618
- 4.236
全て削除し終わったら、OKで確定します。
失敗した場合には、「デフォルト」ボタンをクリックして、元に戻します。
下記のコードをコピー&ペーストしてください。
/ %$
「説明」欄に追記が終了したら、OKで確定します。
自動的に、新しいフィボナッチ・レベルに書き換わって設定完了です。
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参考 【無料】全65ページのFXトレードマニュアル上野ひでのりプロFX特に、フィボナッチ・リトレースメントについては、デフォルトのパラメータに明らかに不要なレベルが多く含まれるため、編集(削除)が必須になります。
ディナポリ手法は、なぜ一般的な設定とは全く異なるパラメータを使用しているのか、本質を理解した上でセットアップを行うことが重要です。
残りの3講座に関しても、同様に徹底解説を行いますので、どうぞお楽しみに。
上野ひでのり