目次
本日のテーマ
金曜日に起きたドル円の115pips幅の急落劇を経て、
週末のNY為替市場は全体的に様子見ムードが広がる中、
161円台後半での推移で今週の取引を終えました。
東京タイムに一時161.279まで下落したあと買い戻されていたものの、
海外時間に入ると再び東京時間の安値に並ぶなど、
上値の重さが目立つ展開となりました。
ただし、161円台前半では底堅く買いオーダーも入るなど、
真空地帯の手前で一旦下げ渋る膠着状態に入っています。
これまで市場を過剰に牽引してきた中東の緊迫化ですが、
トランプ大統領の発言などからも以前のようにエスカレートする気配は見られず、
市場は地政学リスクを比較的楽観的に捉え始めています。
しかし、今朝発表された最新のシカゴ投機筋IMMポジションのクオンツデータは、
相場の深層で「巨大な構造転換」がすでに始まっていることを証明しました。
本日は、最新の需給データと、
来週14日(火)の米CPIから始まるドルの立ち位置の修正について、
論点をシンプルに整理して解説します。
上野ひでのり本日の視点
1.【需給データ】IMMの円売り越し「12.38万枚」へ急減の衝撃
今朝発表された、今週7日(火)大引け時点の
シカゴ投機筋IMMポジションにおける日本円の売り越し枚数は、
明確にピークアウトを示しました。
週間推移を見ると、【15.01万枚 ⇒ 14.61万枚 ⇒ 15.51万枚 ⇒ 12.38万枚】
前々週に記録した歴史的な過熱水準(15.51万枚)から、
わずか一週間で12.38万枚へと劇的に減少転換したのです。
高市政権の骨太方針修正の発言をきっかけに、
海外ヘッジファンド勢が積み上げていた円ショートポジションの巻き戻し
(利益確定および損切りの手じまい)が、始まりつつあると推定されます。
昨日のメルマガで指摘した「GPIFの日本資産回帰(レパトリ観測)」を受けて、
これまで相場を支配していた円キャリートレードの需給の盾は、
内側から崩壊を始めることでしょう。
2.「利上げ確率85.4%」という金利市場の粘りとねじれ
需給(IMM)が円買い戻し方向へシフトし、
エネルギー価格の動向次第ではFRBの政策金利は、年内据え置きの可能性
もあるとの声が徐々に浮上しているにもかかわらず、
金利市場の「粘り」がドル円の下値を支えています。
現在、FedWatch Toolによる年内1回の利上げ確率は85.4%と、
依然として高い数値を維持したままです。
短期金融市場が年内1回の利上げを完全に織り込んでいるのは、
6月のウォーシュFRB議長の見事なタカ派のポーズ(信認の罠)に
未だに過剰に引きずられているからだと思われます。
市場の先高観というバイアスは、
単なるマクロの予測や解説だけでは容易に剥がれません。
冷徹な「ハードデータ(実績値)」として
インフレの低下を目の前に突きつけられない限り、
この金利の幻影は消えないというねじれが、現在の161円台後半の正体です。
3.【結論】来週14日(火)米CPIが「FRBタカ派のハシゴ」を外すか
この金利市場のねじれを完全に解消し、
ドルの過剰な先高観に引導を渡す…
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