ディナポリ手法のテクニカル分析の基礎となるのは、ローソク足と3本のDMA(ずらした移動平均)との関係性でトレンドを認識することなのですが、ご存知だったでしょうか?
フィボナッチで押し目・戻りを推定する前に、このユニークなインジケーターが果たす役割がとても重要なのです。
目次
【ディナポリ式】MT4インジケーター徹底解説・セットアップ講座
ディナポリチャートの完成形のイメージと全5回講座の目的は、下記のページをご参照ください。
参考 世界最高峰チャートの完成形【ディナポリ式】MT4インジケーター徹底解説・セットアップ講座 | 全5回まとめ
全5回講座の構成、セットアップするインジケーターは下記の通りです。
ずらした3本の移動平均線(DMA)
相場の未来が読める!
短期は3期間、中期・長期は5期間、未来に先送りしてずらした移動平均線なので、近い将来、レジスタンス・サポートになるラインを予め想定しておくことができます。
相場の未来が読めるチャートです。
短期・中期・長期の3本の移動平均線
単純移動平均線(SMA = Simple Moving Average)を使用します。
短期・中期・長期の3本のSMAを表示したチャートは珍しくありませんが、ディナポリ手法では3期間・7期間・25期間と、かなり短期にフォーカスした設定になっていることが特徴です。
ずらした移動平均線(DMA = Displaced Moving Average)の意味について、「Displaced(置き換えられた)」よりも、「Shifted(ずらした)」と読み替えるほうがイメージがわきやすいと思います。
短期3SMAは3期間分未来にシフトして「3×3DMA」となり、中期7SMAと長期25SMAは5期間分未来にシフトして「7×5DMA」と「25×5DMA」となります。
パラメータ表
- 3×3DMA・・・3SMAを3期間分未来にずらす
- 7×5DMA・・・7SMAを5期間分未来にずらす
- 25×5DMA・・・25SMAを5期間分未来にずらす
3本表示する意味とは?
為替相場で、市場参加者が必ずチェックしているのは、日足の21日・90日・200日の3本のSMAですが、ディナポリ手法ではパラメータが大きく異なりますので、全く違う目的で使用していると考えて良さそうです。
考案者のジョー・ディナポリが日本で行ったセミナーで、「3本のDMAのゴールデンクロス、デッドクロスでトレンド転換を判断するのか?」という参加者の質問がありましたが、彼はゴールデンクロス、デッドクロスという用語さえ知らず、その概念に着目さえしていませんでした。
移動平均線を使用したチャート分析は、ローソク足が未来に向かって並んでいく流れの中で、第一に、そのサポート(レジスタンス)機能に着目して行うべきなのです。
トレンド転換が起こる場合、下記のような推移をたどります。
- ローソク足が、短期の移動平均線を横抜けする
- ローソク足が、中期の移動平均線を横抜けする
- ローソク足が、長期の移動平均線を横抜けする
「横抜けする」は、上抜け・下抜けを含んだ概念ですが、時間の経過にともなって「短期⇒中期⇒長期」の順番で移動平均線のサポート(レジスタンス)を失って、トレンド転換に至ります。
ローソク足が短期移動平均線を横抜けしなければ、足元の強いトレンドが継続中という判断になります。
未来にずらす意味とは?
単純移動平均線(SMA)とローソク足の関係で、トレンドの継続、すなわちサポート(レジスタンス)がまだ機能しているかどうかを厳格に判断しようとすると、一時的な相場の停滞で、すぐに横抜けしてしまい、「トレンド転換の兆候」となってしまう不都合があります。
このような保ち合い(ちゃぶつき)は、実はトレンド継続の中休み、あるいはさらなるトレンドを継続するためのモメンタムを蓄えている時間帯と考えられます。
短時間のちゃぶつきで、ローソク足が簡単に横抜けしてしまうような移動平均線は使い勝手が悪いということで、ちゃぶつき時間を考慮して移動平均線を未来にシフトするという発想になりました。
DMAを使ったトレンドの追いかけ方の例を示します。
ドル円の15分足で、3本のDMAとローソク足だけを表示したシンプルなチャートです。
約1日半継続した上昇トレンドで、107.000~108.500あたりまで、大きな押し目をつけずに一貫して上昇しています。
- 3×3DMA・・・オレンジのライン
- 7×5DMA・・・ブルーのライン
- 25×5DMA・・・グリーンのライン
ディナポリ手法のローソク足とDMAの関係
- 白い丸で示したところが、ちゃぶつき(トレンド継続)
- 赤い丸で示したところが、上昇トレンドの押し目
押し目買いのチャンスは赤丸部分で、7×5DMAや25×5DMAでサポートされていれば、自信を持ってエントリーできるということになります。
以上が、ずらした移動平均線(DMA)を使用するメリットになります。
MT4でのパラメータ設定方法
たった3分で設定完了する7ステップ
先ほど、使用したドル円の15分足のチャートです。
ローソク足のみが表示された状態です。
MT4の画面の左上にあるプルダウンメニューから「Moving Average(移動平均線)」というインジケーターを、15分足に挿入します。
「挿入」>「インディケータ」>「トレンド」>「Moving Average」
まずは、「3×3DMA」のパラメータ設定から行います。
デフォルトのパラメータから変更する項目は、「期間」「表示移動」「スタイル」「線の太さ」だけです。
「スタイル」の色と「線の太さ」は、ご自身の好みで選択してください。
再びSTEP.2と同じ流れで、2つめの「Moving Average(移動平均線)」というインジケーターを、15分足に挿入します。
パラメータの数字は正確に入力してください。
「スタイル」の色と「線の太さ」は、ご自身の好みで選択してください。
再びSTEP.2と同じ流れで、3つめの「Moving Average(移動平均線)」というインジケーターを、15分足に挿入します。
パラメータの数字は正確に入力してください。
「スタイル」の色と「線の太さ」は、ご自身の好みで選択してください。
入力したパラメータを間違えた恐れがある場合や表示するライン(スタイル)の色や太さを変更したい場合には、下記の作業を行います。
- MT4の画面上で、マウスを右クリックする
- 左記のメニューが表示されるので、「表示中のインディケータ」を選択
- 右記のウインドウが表示されるので、編集が必要な「Moving Average」をダブルクリックする
- STEP.3~5の設定画面が開くので、修正を行う
【無料】全65ページのFXトレードマニュアルを今すぐ!入手
完成したディナポリチャートを使用した詳細なトレード戦略については、【無料】全65ページのFXトレードマニュアルにまとめましたので、今すぐ!入手してください。
参考 【無料】全65ページのFXトレードマニュアル上野ひでのりプロFXしかし、なぜ一般的な設定とは全く異なるパラメータを使用しているのか、本質を理解した上でセットアップを行うことが重要です。
上野ひでのり