【徹底解説 2023年版】5大フラッシュクラッシュ | FXの最大リスクとは?

フラッシュクラッシュ

為替相場のフラッシュクラッシュをリアルタイムで見たことがありますか?
私は、5大フラッシュクラッシュを全て体験しました。
この記事では、大手FXブローカーが破産するほどの大暴落でも、あなたの資金を守り抜き、チャンスに変えて増やす方法を徹底解説します。今すぐ準備に入りましょう!


フラッシュクラッシュとは?

フラッシュクラッシュ(Flash crash)とは、原因不明で、瞬間的に起こる大暴落のことをいいます。

そして、ほとんどのケースで、一気に値を戻す展開(大暴騰)で、起点まで往ってこいとなります。

あらゆる金融商品の相場で起こり得るのですが、この記事で紹介するのは、最も高い流動性を誇る為替相場においても発生した実例です。

FXのフラッシュクラッシュは、2015年1月以来、2020年3月までに5回も発生しています。

2021年以降はまだ起こっていませんが、いつ発生してもおかしくないので、普段から用心しておきたいものです。

  1. チャートパターン的に危険なときにはポジションを整理しておく
  2. 正月、GWの早朝など怪しい時期、時間帯にポジションを持ち越さない
  3. 逆指値(ストップ)は必ず設定し、ロスカットのダメージを最小限に抑える
  4. 大暴落⇒大暴騰の折り返しで大きな値幅(利益)を狙う
  5. 「トラリピ」では機会損失はなく、放ったらかしで大きな収益化が可能
フラッシュクラッシュをやみくもに恐れるだけでなく、このような視点から捉え直すことで、より積極的にFXに取り組めるようになると思います。

為替相場のフラッシュクラッシュには「逆パターン」もある

FXでは通貨ペアの売買を行う訳ですから、「USD/JPY」の大暴落は、「JPY/USD」(一般的ではないが実在する通貨ペア)の大暴騰です。

実際に、現象面では「ドルが大暴落した」というより、「急激な円高が進行して大暴騰した」というケースがほとんどなので、通貨ペアの立場を変えて見れば、「逆パターン」の大暴騰となります。

これは、株式や債券相場とは異なる為替相場の特徴です。

フラッシュクラッシュの前兆はチャートに現れる!?

為替相場の5大フラッシュクラッシュにおいては、明らかな下落バイアスが、後述する「引き金」で極端に増幅されただけという側面もあります。

確かに暴落の値幅は非常に大きく、その後一気に値を戻すのですが、当日中には起点まで戻しきれていないケースもあり、もともと下落バイアスが高まっていたことが根本原因と言えるケースが多いです。

実際に、「あ、このサポートが決壊すると急落する可能性が高いな」というタイミングで起こっていますので、前兆を感じ取ることは十分可能です。
ほとんどは杞憂で終わるのですが、まれにフラッシュクラッシュに発展するケースがあります。

5大フラッシュクラッシュが発生した背景と原因(下落バイアスの高まり)を考察します。
まずは大きな損失を回避するための対策を講じていったんやり過ごし、その後必ず訪れるチャンス、急速に値を戻す過程で利益化する手法もぜひ習得しておきたいですね。

上野ひでのり

流動性が最も高い為替相場でも起こるフラッシュクラッシュの引き金とは?

フラッシュクラッシュが発生する詳細なメカニズムについては解明されていません

コンピュータ取引(プログラム売買)が発達する以前には、ファットフィンガー(Fat finger)、すなわちヒューマンエラーによる暴落というケースが多くありました。

ファットフィンガーとは、指先が太いと別のキーを間違えて押してしまうことから、タイピングミスのことをいいます。
注文数量を3~6桁間違えるなどが典型的なケースです。

近年のフラッシュクラッシュも、ファットフィンガーが引き金になったかもしれないケースがあります。

さほど大きな誤発注でなかったとしても、他社(モデル系ファンド)の売買アルゴリズムが売りで反応し、超高速・高頻度な売買プログラム(HFT)の過剰反応で、あっという間に拡大する売りの連鎖を制御できなくなり、マーケットがクラッシュしてしまうという訳です。

ヒューマンエラーが全くなくても、何がきっかけでフラッシュクラッシュが起こるかは分かりません。
為替相場は24時間×5日間連続するという特性から、参加者が少ない時間帯(オセアニアタイム)には流動性が極端に低下しますので、ちょっとしたきっかけでフラッシュクラッシュが起こりやすくなります

為替相場の一日の取引総額は659兆円もあり、日本の名目GDP497兆円を余裕で上回ります。下記の記事をご参照ください。
それでも起こるのがフラッシュクラッシュの恐ろしさなのです。

【為替相場一日の取引量ランキング】1位ユーロドル、2位ドル円、3位ポンドドル

【2021年度には幸い起きなかったが…】
フラッシュクラッシュ対策、退場を避ける防衛方法

ニューヨーク証券取引所(NYSE)などでは、サーキットブレーカーを発動し、いったん売買停止し、売買バランスが整ったところで取引再開というような措置をとっています。

しかし、為替相場は、インターバンクのネットワークで市場を構築しているため、いったんフラッシュクラッシュが起こってしまえば、それを止める手段はありません

それでは、万が一、買いポジションを保有しているときに、フラッシュクラッシュが起こった場合にはどうなってしまうのでしょうか?

スプレッドの拡大と逆指値ロスカットにともなうスリッページ

フラッシュクラッシュが起こった瞬間に、事前に設定していた逆指値(ストップ)注文が発動して、ポジションを飛ばしてしまうでしょう。

ここで問題になるのは、スプレッドが逆指値(ストップ)のレート通りに約定するのは期待薄で、多少なりともスリッページは覚悟しなければならないことです。

スリッページが10pips以下であれば優秀なFXブローカーだと思います。50pips程度滑ってもおかしくはありません。

私は、実際に起こったフラッシュクラッシュのときに、ポジションは持っていませんでしたが、ポンドドルで通常0.9pipsのスプレッドが約50pipsまで拡大したのを目撃しました。
ドル円で通常0.2pipsのスプレッドが約20pipsまで拡大しました。

退場を避ける防衛方法としては

  1. フラッシュクラッシュが起こりやすい時期、時間帯にはトレードをしない
  2. 週末またぎは、できるだけ避ける
  3. チャートやレートを目視できない外出中、寝ている時間には、なるべくポジションを持たない
ということに尽きると思います。

どんなに用心していても発生してしまった場合には

  1. 異常な値動きを感じたときには即ポジションを閉じる(この時点ではスプレッドは正常なことが多い)
  2. 本格的な暴落が始まった時点で、躊躇なく手動ロスカットを執行する(スプレッドは拡大しつつある)
  3. チャートを見ていなかった場合には、逆指値(ストップ)注文の執行と最大50pipsのスリッページを受け入れる
防衛方法はこれくらいですが、一発のエラーで即退場とならないように、十分注意をしておきましょう。

5大フラッシュクラッシュをカウントダウン方式で発表!

5大フラッシュクラッシュは、2015年1月15日(木)から2020年3月9日(月)のわずか5年で5回発生しています。

以降、1年以上発生していませんので、発生確率的にはそろそろやってくるかもしれません。

それでは、第5位から順にご紹介しましょう。

第5位 2020年03月09日(月) ドル円(USD/JPY)


画像をクリックするとフルHDのチャートが開きます。

まさに、コロナショックの真っ只中で、2月20日に112.225の年初来高値をつけてからの急落となり、110.00の非常に重要な節目も、3営業日ほど揉み合ってから下抜け、ここからは底が見えない相場に突入しました。

しかし、105.00(110.00と100.00の中間地点)ではサポートされる可能性が高いと思うトレーダーが多かったのです。私もそう思っていました。

確かに、3月6日(金)の安値は104.994で、105円の重要な節目レベルでピタリとサポートされ、105.354まで反発して週末の大引けとなりました。
この時点で、ロングポジションを持って、多少なりとも含み益があったトレーダーは、「今後の反発が楽しみだ。たった2週間で725pipsも下落したのだから…」そう思っていたはずです。

しかし…
3月9日(月)の寄付きは104.211で、前週終値から114.3pipsも急落、ギャップダウンでスタートしたのです。真空地帯で、あっさりと105円の重要な節目を割り込みました。

寄付きから、ロングポジションを持ち越したトレーダーのストップがつきますので、当然のこと続落します。
しかし、いったん買戻しが入り104.598まで反発します。このあたりまでは、まだ落ち着いた相場でした。

しばらく、東京タイムのドル円相場は保ち合いの時間が続いたのですが、原油価格の暴落!を受けて、リスクオフの円買い祭りになり、午前11時過ぎに101.592まで、一気に262pips暴落しました。

このケースは、東京タイムの前場で流動性も高く、すぐに値を戻すこともなく、NYタイムには101.183まで安値を拡大しましたので、厳密にはフラッシュクラッシュとは言えません。しかし、翌日には105円レベルを回復しましたので、近いパターンと言って良いでしょう。

前週末終値105.354 ⇒週明けの安値101.183 417.1pipsの大暴落

1時間足らずで262pipsの大暴落は、このような通常のビジネスタイムには、まずあり得ません。
こんなケースも起こり得ることを忘れないでいただきたいという意味で、第5位にランクしました。

第4位 2019年01月03日(木) 豪ドル米ドル(AUD/USD)


画像をクリックするとフルHDのチャートが開きます。

日本のお正月休みでしたが、欧米の企業、金融機関は、前日の1月2日(水)が仕事始めでした。

仕事始めの夜、APPLEのティム・クックCEOが、中国市場でのiPhone販売の大幅減少により2018年第4四半期の決算を下方修正することを突如発表しました。

NYタイムが終わり、1月3日(木)のオセアニアタイムです。
日本時間の7:35頃、AUD/USDがフラッシュクラッシュで急落しました。

暴落前の高値0.70193 ⇒安値0.65155 503.8pipsの大暴落

暴落の原因は、豪州経済は中国依存度が高いことと、豪ドルは株価との連動性が高いからです。
原因不明ではありませんが、アルゴリズム売買の弊害で売りの連鎖の歯止めが効かなかったという意味で、フラッシュクラッシュの典型と考えて良いと思います。

テクニカル分析の視点から、APPLEのニュースが流れた時点で、0.7000という非常に重要な節目を挟んで保ち合いという状況が、暴落に拍車をかけました。その節目の直下にストップ注文が集中していたからです。

暴落後は、一気に0.7000まで戻し、その後は反発上昇が継続しました。

第3位 2019年01月03日(木) ドル円(USD/JPY)


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第4位のAUD/USDと同じ原因で、同じ時間帯にフラッシュクラッシュが発生しました。

もちろん、このドル円のフラッシュクラッシュのほうが有名ですし、よく覚えていると思います。
pips単位の値幅では、AUD/USDが上回りますが、流動性はUSD/JPYのほうが圧倒的に潤沢で暴落しにくいため、インパクトの大きさで、こちらを第3位としました

私が利用しているブローカーでは、下記のようなレートが残っています。

108.900(暴落直前の高値) ⇒104.766(安値) 413.4pipsの大暴落

フラッシュクラッシュのときの最安値は、非常に出来高が小さく、ごく一瞬のレートなので、ブローカーによってレートが大きく異なります。104.10台を最安値としているブローカーもあります

AUD/USDと同様で、テクニカル分析的に、暴落の起点となった108.750の節目が過去、そしてその後も重要なサポートラインになっていることから、ポジションの偏り的に、暴落に拍車をかけたと思います。

チャート上の赤い太線のサポートラインについては非常に重要なポイントになるので、後ほどその意味を解説します。

当日中に108.304まで一気に戻しましたが、暴落前の水準に戻るまで3営業日を要しています。

第2位 2016年10月07日(金) ポンドドル(GBP/USD)


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発生時間は8:07頃で、私は9時開始の東京タイムのトレード準備を行っていました。

ポンドドル専用モニターに異常な波形のチャートが突如発生したことを、はっきりと覚えています。
当然のこと、ポンド円相場も暴落しましたので、ドル円相場にも波及し、急落、乱高下していました。

この週は、2016年6月23日のブレグジット国民投票可決後の安値1.27966を割り込み、1.27500の節目で3営業日揉み合った後に下抜けて、次の節目1.26250で保ち合っていましたので、「ひょっとして!?ブレイクアウト(ブレイクダウン)」という予感はありました。

しかし、この日のブレイクダウンは、原因不明の暴落としては、過去経験したことのないレベルだったので、非常に大きな恐怖を感じました。
欧米のビジネスタイムからは外れていますが、東京タイムに入る直前の時間にまさか・・・というフラッシュクラッシュでした。

1.26216(暴落直前の高値) ⇒1.18253(安値) 796.3pipsの大暴落

ブレグジット国民投票の可決ショックから、まだ3か月強で相場が不安定であったという理由もありますが、この大暴落は、テクニカル的には起こるべくして起こったと私は考えています。

もちろん、フラッシュクラッシュですから、売りの連鎖が止まらない想定外の大暴落であったことは間違いないものの、チャートをご覧いただければ、その後の戻りが弱いことが一目瞭然です。暴落前の水準まで戻したのは11月11日で、1か月強も要しています。

第1位 2015年01月15日(木) ユーロ・スイスフラン(EUR/CHF) スイスフランショック(スイスショック)


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スイスフランが、15分で33.7%も大暴騰(EUR/CHFが大暴落)した理由とは?

スイスフランショックは、原因がはっきりしているので、これは違うと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現象としては史上最大のフラッシュクラッシュで間違いないです。

第5位から第2位までのチャートは日足でしたが、第1位の大暴落は日足のスケールでは収まり切れないので、週足になっています。

あまりに驚いたので、当日夜に緊急速報版のメルマガを配信しました。その文章を転載(一部加筆)します。

本日18:30に、スイスフランが、何の前触れもなく暴騰しました。
震源地は、EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)です。

スイス中銀(SNB)が、EUR/CHFのレートについて、1.2を防衛することを止めたとの発表があったためです。

今までは、「1.2を割り込むこと(スイスフラン高)は許さん!」と宣言し、実際に、1.2に接近すると為替介入を行い急反発させていました。
しかし、今後はもう1.2の防衛ラインを死守することはしないと、衝撃の発表を行った訳です。

実は私も、何度か、為替介入を期待して1.2に最接近したところでEUR/CHFロングのポジションを取ったことがありました。
仮にこのタイミングでポジションを持っていたら破産しています。

ともあれ、今までは、スイスフランを買いたくても、為替介入が怖くて買えなかった市場参加者が、一斉に買いに走った訳ですが、その結果、18:30から18:45のたった15分間で・・・

EUR/CHFは、1.2 ⇒ 0.8     33.3%大暴落
CHF/JPYは、115円 ⇒ 153.7円  33.7%大暴騰

となりました。

皆さまが契約しているFXブローカーでは、EUR/CHFの0.8とCHF/JPYの153.7円は、ちゃんと記録されているでしょうか?
私が使っているブローカーでは、しっかりレートの提示がありました。

しかし、MT4の接続先としている、某社のデモ口座のレートは、いまだに止まったままです。(※)

クロス円で33.7%レベルの変動(暴落)というのは、リーマンショック直後にありました。
しかし、それは数か月かけての変動幅であり、今回はたった15分の出来事なのです。

(※)某社というのは、個人向けFXブローカーの大手「アルパリUK」です。
顧客の損失を肩代わりせざるを得ない状況に追い込まれたとして、数日後に破産を申請しました。
その他にも経営破たんしたブローカーが数社あります。

私はそのとき、GBP/USDのショートポジションを持っていました。
「どうした、この値動きは?」と思いましたが、30pips弱の値幅が取れたので、早々に手仕舞いしました。
EUR/CHFが震源地とは、全く予想だにしませんでした。

EUR/USDは150pipsくらい急落したのですが、EUR/CHF、USD/CHF、CHF/JPYの爆発的な変動と比べれば、全然ましです。

スイスフランのレートは、スイス中銀の発表から1時間くらいは、単なる目安(一時的な過去の約定値)に過ぎず、どのFXブローカーからも、はっきりとしたレート(2wayプライス)は提示されませんでした。

直前のスイスフラン相場は、スイス中銀の政策もあり、ほとんど動きがなかったので、トレード妙味に欠け、ポジションを保有していた方は非常に珍しいと思います。

万が一、反対方向(スイスフラン売り)にポジションを持っていたら、ストップ注文を入れていたとしても、大幅に値が飛んで一瞬にして強制ロスカットとなり、証拠金は1/5~1/10に激減して茫然自失となったでしょう。

日本のブローカーでは、CHF/JPY売りのポジションを持った顧客がマイナス勘定になるケースが多数発生し、深刻な社会問題になりました

約定能力の高いサーバを運営するブローカーであったとしても、逆指値が刺さらず、数100pips単位で滑って約定したはずです。
それでも、証拠金がプラス勘定圏内ですぐに清算できただけラッキーと言えます。

  • CHF/JPYが、たった15分で、38.7円も上昇したのです!
  • 日銀(日本政府)によるUSD/JPYの為替介入でも3円程度
  • 黒田バズーカがさく裂しても5円程度しか動かないのに
  • 普段全く動かないCHF/JPYが、その8~10倍の値動きになった訳です。

スイスショックは、被害者の多さから、間違いなく金融パニックと言えるでしょう。

  • 日本のブローカーの顧客は、マイナス勘定になっても救済されませんでした。
  • 海外のブローカーでは、【ゼロカット】システムでマイナス分は業者負担ですから、業者が破産しました。

私は、EUR/USDの下落を見て恐ろしいと思いましたが、たった150pipsの変動です。

  • EUR/CHFは4,000pipsの大暴落
  • CHF/JPYは3,870pipsの大暴騰
桁が違います。

スイスショックで再認識したこと、それは

  1. 市場の総意に逆らった(中銀のリアクションに期待した)ポジショニングは厳禁であること
  2. 中銀の金融政策決定会合の結果が出る直前には、関連ポジションはクローズしておくこと
  3. 他の通貨ペアにも変動は波及するので、約定能力が高いサーバを持つブローカーを使うこと
  4. 逆指値(ストップ)注文は必ず入れること
以上4点です。
本当に、何事もなくて良かったです。

ドル円のフラッシュクラッシュというお年玉 2019年01月03日(木)

この大暴落は、既述の通り、ヘッジファンドによるアルゴリズム取引と高頻度取引(HFT)が急激な値動きに拍車をかけたと考えられています。

世界で2番目に流動性が高い金融商品のドル円に起こることですから、他のどんな金融商品で同じような大暴落、乱高下が起きても全く不思議ではありません。
私たちが学ぶべきことは、暴落と無縁の金融商品は存在しないということです。

そして、そういう特性を持った金融商品を基に収益を上げ続ける中で、絶対に必要なリスクマネージメントを学ぶことが重要なのです。

上野ひでのりのフラッシュクラッシュ体験記

私はドル円のフラッシュ・クラッシュで何の被害も被っていません。
お正月休みなのでポジションを持っていなかったからです。

お正月でなかったとしても、平日の日中には、レート(チャート)を常時目視できないようなタイミングでポジションは持ちませんし、約定力が高いブローカーでエントリーレートから10pips固定で逆指値(ストップ)注文を必ず入れているので、これ以上のリスクを負うことはまずありません。

ところで、私は、お正月休みのこの日、自宅のトレーディングルームに寝ぼけまなこで、ちょうど7時過ぎに入り、正月休みではありますが、いつもと同じ習慣で、ほぼ無意識のうちに、チャートを立ち上げてしまいました。

トレードを行うつもりは全くなかったのです。
ところが、しばらくするとチャートがお祭り状態の大暴落となり

「なんじゃ、こりゃ!?」と・・・

私がはっきり凝視したときのレートは、まだ106円台で暴落途中でした。しかし、スプレッドが15pips以上開いていたので、突っ込み売りしようとは思いませんでした。
仮に、非常に重要な節目の105円を割れることがあったら、そこからは買い向かおう!

スプレッド20pipsでも構わないからと思い・・・ポジションサイズは通常の1/5に縮小し、ストップは100pips幅に設定し準備に入りました。
ポジションサイズは通常の1/5、ストップ幅は通常の10倍、つまり、通常のトレードの2倍のリスクをとる決意を固めた訳です。

強力なサポートラインとして、105.00の重要なプライスの節目を意識していました。

したがって、104円台に突っ込んで、いったん底をつけたと思われたところ(結果的に104.766)から急反発する確信がありましたので、ロングエントリーのタイミングを計りました。
ところが、戻りもまばたきするほどに速く、エントリーを逡巡しているうちに、105円台後半まで戻していました。

そして、ようやく「えいっやっ!」と目をつぶってエントリーできたレートは、105.912でした。

50pips戻せば利益確定のつもりでしたが、あっという間に急反発、暴騰していくため、利益確定予定のレートも追い越してしまい、106.756での決済でした。

  • ロングエントリー105.912 ⇒手仕舞い106.756
  • 利益84.4pips
という結果です。

望外の大きなお年玉となりました。

「トラリピ」は、フラッシュクラッシュで勝手に利益を積み上げてくれた!

私のようなプロの裁量トレーダーだけでなく、「トラリピ」というFX自動売買システムで大きなお年玉を得た方もいらっしゃるようなので、紹介しておきます。

フラッシュクラッシュ トラリピ「ハーフ&ハーフ」戦略で、大暴落が起きても心配なし。逆に大儲けの実例あり
105円が非常に強力なサポートになることは明らかでしたが、オーバーシュートすることも想定済で、105円台にしっかり反発してきたところが、最大のエントリーチャンスと考えていました。
「トラリピ」で大きな利益を得た方も、レンジの下限を105円アラウンドに設定していたのだろうと推測します。

まずは、不測の事態に備えたディフェンスを固め、やり過ごすことができたならば、次に積極的な攻めを行っていきましょう。
「トラリピ」は放ったらかし運用なので、そんな戦略さえ必要ありません。

上野ひでのり